2018年05月06日

手話で仕事をするには?アルバイト編


手話を学んだ若い方から、
「手話でできるアルバイトはありませんか?」
とよく、尋ねられます。
なんとか 覚えた手話を生かして
バイトができれば
確かに素敵ですよね。

今夜は これについて
南の率直な意見を
2つ お伝えしたいと思います。

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@
確かに 覚えた手話が 活かせるバイトがあれば
とても良いと思います。
でも 皆さんが想像するより
手話が 本格的にできなければ、
手話のアルバイトはできません!!

本当に、ごめんなさい。
手話でアルバイトをする とは、
手話を使って、聞こえない人と通じ合える状態で、
アルバイトをするということです。
少し習った手話で、あいさつや自己紹介ができる程度では、
相手の聞こえない方の手話を読み取ったり、
いろんなやりとりをすることはできません。

本格的な、手話のアルバイトとは、
現時点では、たとえば、手話通訳や、
地域の手話ボランティアという形が、
主流であり、
それができるのは、2〜3年以上
きちんと手話を学んだあとのこと。

また、
そうした地域通訳は、
自分の都合のいい時間帯ではなく、
相手の聞こえない方の都合に合わせて発生します。
ですから、いわゆる若い方の、
自分の都合に合わせて、自分の目標金額を貯める
ということが目的のアルバイトを、
手話に求めるのは、
あまり現実的ではないかもしれません。

私や友人も、大学生のころ、
いわゆる『手話のアルバイト』をしました。
私の場合、大阪府の登録試験に合格したあと、
大阪府提供のテレビ番組の通訳に、
隔週で出るというものでした。
友人の場合は、私よりさらに深く手話を学んだ方で、
京都の聴言(ちょうげん)センターという、
現在の聞こえない人向け情報提供施設で、
夜間の、待機手話通訳のアルバイトをしていました。
ただしこれらは、都道府県の手話通訳者の資格、
または、それと同等の能力がなければ、
できないアルバイトです。

最近では、
各大学ごとに、聞こえない学生向けの、
授業の手話通訳の学生アルバイトを、
求めているケースもあります。
でも、これも、
聞こえない人の授業の都合が最優先であり、
もちろん、その授業内容を手話通訳できなければ、
役目が果たせません。

こう考えると、
手話のアルバイトとは、
「手話のできる人が行う アルバイト」
ということであり、
ちょっと空いた時間を使って、
簡単な気持ちでできるアルバイトの範囲を、
越えているといわざるをえません。

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ですから
みなさんには、そういう
手話のアルバイトを目指す前に、
考えてもらいたいことがあります。
それは、

A
手話を使ったアルバイトではなく、
「アルバイトで、手話を生かす!!」
ということです。

ろう学校の近くのマクドナルドなど
ファストフード店で、アルバイトをする。
ドラッグストアーやスーパーのバイトなどで、
聞こえないお客さんが来てくれたら
にっこり笑って、
手話であいさつをする などということです。

また、本当に、
聞こえない人たちとの出会いを考えているなら、
地域のコミュニティセンターや、
ボランティアセンター、
または、聾学校、
聴覚障害者むけ情報提供施設の近くの
バイトを探してみましょう。
そういう場所周辺のファミレス、コンビニ、
ドラッグストア、ファストフード店、
居酒屋などなら、
手話などの活動帰りのサークルの人やろうの方が、
利用したり集まったりする可能性が高いはずです。

そうすれば、そこに、
聞こえない方との出会いがあり、
コミュニケーションが生まれ、
あなたの手話を生かす場になるかもしれません。

以前 私の住まいの近くに、
福祉の専門学校があり、
そこに手話を学んでいる学生さんたちが
大勢いました。
近くのファミレスでは、
そこの学生さんが、アルバイトをしていることがあります。
もちろん、そこのバイトは、ごく一般的な接客業です。
ふだんは、手話や筆談などをすることは、
全くありません。
ただ、偶然聞こえない方と、そこに食事に入ったとき、
ちょうど、手話のできる学生バイト店員が、
テーブルにきてくれたことがあります。
その学生は、聞こえない人がいるとわかったとき、
すぐに、一生懸命手話で話しかけてきてくれました。
まだまだ、つたない手話で、間違いだらけでしたが、
聞こえない人は、大感激!
その日、再度注文をするときは、必ず、
その学生に手を振って、テーブルに呼んで、
オーダーをしていました。
こういうバイトでの出会い、学生にとっても、
ろうの方にとっても、嬉しいですね。

うちの手話教室の受講生の方の中にも、
マクドナルドで、バイトをしている学生さんがいました。
時々聞こえないお客様が見えるので、
カウンターで、手話でやり取りすることがあると、
言っていました。

また、私が毎年手話講座をさせてもらっている
短大の学生からも
いろんな話を聞くことがあります。
受け持っている手話の授業は、
もちろん入門講座ですので、
みんな、自己紹介や簡単な会話ができる程度で卒業です。
ある学生が、授業の終わりごろ、
この数ヶ月で覚えた手話で、話しかけてきました。
「先生!!僕は児童館に就職します。
先日、その児童館にお手伝いに行ったら、
ある子供の親御さんが、ろう者でした。
僕、手話で話せるかな?すごく緊張します。」
と言うではありませんか。
もちろん、私の答えは、
「大丈夫!!」!!
私は、こういう彼にこそ、
本当に、せっかく自分で選択して受けた
手話の授業を生かしてもらいたいと思いましたし、
それを、手話で私に報告してくれたことも、
とても嬉しいことでした!!
私は、
「大丈夫だよ。先ずは、習った手話で、あいさつしてみて!
相手のろうの方は、すごく喜んでくれると思うよ!!」
と伝えました。
きっと、彼は、
就職前の助っ人のアルバイトとして、
児童館で、ろうの親御さんと、
身振り手振りや手話で
少しずついろんな話を、したことと思います。
とても嬉しい出来ごとでした。

私は 手話を少し学んだ皆さんにも
たくさんの出会いを体験してもらいたいと思います。

手話を学んで まだまだの方は
すぐにバイトに結びつけるより
「あなたのバイトの現場や
あなたのいるその場所で
学んだ手話を生かすこと」を オススメします。

手話は 出会いとコミュニケーション!
手話を通じて 皆さんの世界が
もっともっと 豊かになりますように。


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東京も あちこちに いろんな花が咲いて
とても賑やかな季節になりました!!








posted by 南 瑠霞 at 00:00| 東京 ☀| 手話を学ぶ心 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする