2010年11月22日

「兄」という手話

先週は、
テレビ東京「モリのアサガオ」を、見ていただいて、
ありがとうございます。
http://minamiruruka.seesaa.net/article/167576877.html

ほんのちょこっとの手話指導。
まさに、ほんのちょびっとだけの手話だったにもかかわらず、
実は、撮影前に、かなりディスカッションが行われ、
その時間は、放送の何十倍もかかりました。
汗&笑

セリフは、
「お兄ちゃん、生きて!!」
この「お兄ちゃん(= 兄)」という手話表現が
問題になったのです。

兄という手話は、
手話を知らない人から見たら、驚くべき形!!
それが、監督さんやスタッフの皆さんを、
たいへん戸惑わせました。

「兄」という表現は、日本の手話では、
中指を立てて、上にあげて表現するのです。汗&笑

日本の手話では、親指のほか、中指が男性を意味します。
この中指を立てて上にあげる動きが、
手話では、ごく自然な、家族関係の「兄」を示します。
逆に下におろすと、「弟」
これが、兄弟を示す、ごくごく当たり前の手話なのです。

ところが、
一般の方がこれを見ると、まさに、
「♂!!」
(あの、相手を侮辱するときのサイン!!
アメリカでは、ピストルを向けられても、
文句は言えないかも・・・汗)

これを知った、スタッフの皆さんから、撮影前に、
この手話について、ほかに「兄」を示す方法はないのか?
と、かなりいろいろ質問が飛び出し、
撮影チームで話し合いが行われました。

でも、うちのろう者スタッフことぷきなどの意見を確認しても、
どう考えても、日本では、これがナチュラル。
他には、確かに、親しい間柄で使う
サインネームなどもありますが、
今回のドラマでは、そう言ったものも当てはまらず、
やはり、この表現が、一番適切だということになりました。

また、ごく普通に愛する兄をあらわすなら、
相手を侮辱する顔つきにはならない。
日本の手話での「兄」を自然に表せば、やさしい表情も伴う。
ということで、ていねいに愛情をこめてあらわす中指なら、
それでOKということになり、
「兄」が、
そのまま使われたのです。

たった一言の「兄」という手話で、
本当に、いろんな意見が飛び出した撮影現場でした。

文化が違えば、日本では「兄」でも、海外では「侮辱表現」
実は、以前、日本手話の「女性」が、
アジアのある国では「トイレ」だったりして、
驚いたこともあります。笑

文化によって、表現も様々に変わる手話ですが、
逆に、尊敬や愛情の表情、
相手を侮辱する顔つきなどは、共通です。
手話をあらわすときは、その言葉に込められた心情もともに表現して、
意味を伝えることが、大事と言えそうです。

本日22日(月)も、関東では、テレビ東京夜22時、
「モリのアサガオ」放送。
今日も、と〜っても、ちょこっと、
同じ手話が出てくる予定。笑
http://www.tv-tokyo.co.jp/moriasa/
ぜひ、ご確認あれ!

兄弟.jpg
手話:南 瑠霞 (C)手話あいらんど
posted by 南 瑠霞 at 00:00| 東京 ☁| Comment(12) | TrackBack(0) | 南 瑠霞(るるか)の手話日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
確かに苦笑

逆に、
手話を判っている立場の人(ここでは、ろう者)が、
手話での意味を判らない人の身振りや手話的表現を見て、
「♂!!」となるのと同じですけどねぇ笑

追記
セリフを音声で聞いていなかったので、「生きて」を「頑張って」と読み取り、
ホニャララとなってしまっていたラングレーでした笑
(地デジ簡易チューナーで見ることが出来るので、字幕は見れますが、
 録画はアナログ・・・音声遮断すれば・・・よって・・汗)
Posted by ラングレー at 2010年11月22日 10:22
おお、ラングレーさん、
いつも、深いコメント、
ありがとうございます。
Posted by 南 瑠霞本人 at 2010年11月22日 11:09
昔「世界の手話」の本を読んだことあるのですが、日本の手話で「男」と「女」の表現が中国では「良い」と「悪い」という意味になるそうです。

だから小指の先をそれぞれ耳と口にあてると「ろうあ」となると書かれてありました。
Posted by 湘南男 at 2010年11月22日 14:29
湘南男さん、
ありがとうございます。
そうですよね〜。
国や地域によって、手話単語も様々。
それぞれの特徴があって、
本当に興味深いですね。
Posted by 南 瑠霞本人 at 2010年11月22日 15:19
「女性」がトイレですか。。。。。ホント、所変われば品変わる、って言いますね。ビックリですよね。(大汗)
Posted by サトゥー at 2010年11月22日 19:11
サトゥーさん、
ありがとうござます。
Posted by 南 瑠霞本人 at 2010年11月22日 20:49
日本手話での「国」・「日本」も、アメリカ手話ではすごくヤバい単語だそうですね……(^^;)
Posted by きゃぶ at 2010年11月23日 20:19
きゃぶさん、
色々、ご存知なんですね。
手話だけでなく、音声言語でも、
文化の違いは、色々。
かの有名な海外俳優さんが、
かわいい娘につけた名前に
「スリ」ちゃんというのがあります。
一時、日本では泥棒を意味する言葉として、
マスコミでかなり騒がれたりしました。
でも、親がかわいいと信じてつければ、
それはやっぱりかわいい名前なんですよね。
今では、世界の人が、
そのこのことを、「スリ」ちゃんと呼んでいますもんね。笑
文化の違いって、おもしろいですね。
いつもありがとうございます。
Posted by 南 瑠霞本人 at 2010年11月23日 22:11
そうなんですか?
私の子供は 男の子の兄弟 兄 弟 一本の指で表現できるのは便利

指にも 家族がいてもっと兄弟が沢山いる時は どうするのでしょう。
Posted by 夢 at 2010年11月25日 11:39
夢さん、
ちょっと質問の意味がわかりにくいのですが、
家族紹介の方法ということでしたら、
一人ずつ、ちゃんと表現します。
学校などで指導するとき、8人とか9人家族もいて、
みんな一生懸命やっています。笑
いつも、ありがとうございます。
Posted by 南 瑠霞 at 2010年11月25日 22:55
はじめまして。

「モリの〜」で死刑囚の妹役の谷村美月さんが、
拘置所前で最初に中指を突き出した場面。

あのシーンに凄くインパクトを覚えてしまい、
気になって調べてたら通りがかりました。

手話について何も知らなかった自分は、
最初「さっさとくたばれ〜!」の意味かと思っちゃった。(^^;)

でも、話が進んでいくと、どうやら中指を立てることが
「お兄さん」を指すって事がわかって、思わず苦笑してしまいました。(汗

主人公の及川が渡瀬にあの手話を伝えるシーンで、
最初に渡瀬が怒ったところまで当初のままの意味かと思ってたから。(汗汗;

ただ、このギャップというか、インパクトのおかげで手話に少し興味が持てました。
海外では、お兄さんを示す手話はまた違うんでしょうか。

文化の違いって面白いですね。
とても興味深かったです。
ありがとう。(^^)
Posted by 二階堂の一階 at 2010年11月28日 13:41
二階堂の一階さん、
ありがとうございます。笑
アメリカでは、男性は、
つばのあるキャップの帽子であらわしたりもします。
ドラマの「お兄さん」という手話、
物議をかもしました。笑
手話に興味を持っていただき、
本当に、ありがとうございます。
Posted by 南 瑠霞本人 at 2010年11月28日 23:56

この記事へのトラックバック