2016年12月27日

中途失聴者・難聴者にとっての手話!!


今年は、手話の大切さを、
再認識した年でもありました。

11月に開かれたみみカレッジで、
中途失聴者の年配の方が話された体験が、
心に残っています。

「大人になって、突然耳が聞こえなくなり、
絶望的な気持ちになった。
周りの人の話が全く分からず、ついていけず、
誰といても独りぼっち。
聞こえないことが、こんなにつらいとは知らなかった。
ある日、
『聞こえない人にも”手話”という会話手段がある。習ってみては?』
と知人に言われ、
半信半疑で手話教室に行ってみると、
みんなが手話で話している。
少しすると、だんだん慣れてきて、
なんと!みんなの話が分かるようになってきた。
私は、その時の感動を忘れない。
”耳の聞こえない自分が、人の話が分かる!!!”
まるで、”自分の耳が戻ってきたような気持ち”になりました。」

その方は、そこから、ずっと手話を使い、数十年。
今も、その手話を使って、人前で堂々とお話されています。
手話はその方にとって、大事な大事な「言葉」になったのです。

私は、時々、様々な手話サークルにもお邪魔しますが、
今年は、そこでも、難聴者の方から、
あるお話をお聞きしました。

「私は、子供のころから、難聴でした。
普通校に通っていましたが、
聞こえないため、呼ばれても返事をしなかったりして、
けんかになったり、
みんなの言っていることがよくわからなかったりして、
なかなか、周りに溶け込めずにいました。
もちろん、よい友達もいて、
何かわからないことがあったら、あとでゆっくり教えてくれたり、
メモで書いてくれたり、
そんな友達にも、ずっと仲良くしてもらい、
良い人間関係にも恵まれて、学校を卒業しました。
大人になって、人並みに結婚もしました。
夫も、普通の耳の聞こえる人です。
子供も3人生まれました。
子育ても、一生懸命しました。
ある時、NHKで、手話番組や手話ニュースが始まり、
この“手話”が、できたらいいな〜と思い、
毎日、見始めました。
1年くらい見ているうちに、目が慣れて、
だんだん内容が、わかるようになってきました。
ろうの友達がいるわけでもないし、
自分で手を動かしているわけではないので、
ぺらぺら話せたわけではありませんが、
私は、これをきっかけに、
だんだん手話が分かるようになってきたのです。
それで、ある時ふと思いたって、
子供のPTAに、地元の手話通訳を依頼してみました。
初めて、私は、 “聞こえない人” という立場で、
そういう制度を利用したのです。
すると、どうでしょう!!!!!
驚いたことに、いつもPTAで、あとから、先生や親切な方に、
まとめて教えてもらっていた
授業参観や、保護者会の相談内容が、
手話で、その場でそのまま “リアルタイムに!”
知ることができたのです!!!
私は、その時、涙があふれて止まりませんでした。
ぬぐってもぬぐっても、あとからあとから、涙があふれてくるのです。
私は、『人の話がその場で分かる』ということを、
生まれて初めて、体験したのです。

その日からです。
真剣に 『 手話を学んでみよう!』と思ったのは。
すぐに手話の勉強できるところを探し、
地元にも手話サークルがあるのが分かって、
通い始めました。
夜に家を空けることになるので、
家族に相談したら、夫もとても応援してくれて、
さらに、小さかった下の二人の子供が、
”自分たちも一緒に行って手話を習う!!”
と言ってくれたのです。
そこから、このサークルにお世話になり、
私も、だんだん手話がうまくなり、
また、そのおかげで、
今まで口話だけだった家庭でも、子供たちと一緒に、
手話たくさんのことが話せるようになり、
私にとって、サークルはなくてはならないものになりました。

それももう、昔のことですけどね。笑
だから、私、本当にありがたかったと思って、
その恩返しに、今ではこのサークルで、
手話指導者をしています。
皆さんに、手話を学んでいただいて、
本当に、うれしいです。」

その話をお聞きして、今度は、私のほうが胸が熱くなりました。

聞こえない人にとって、手話は「言葉」。
そんな言い回しは、よく耳(目)にするようになってきましたが、
こうして、中途失聴者や、難聴者の方々が、
一人一人手話に出会い、
喜びをもって、獲得されてきたお話をお聞きし、
改めて、手話の大切さを実感しました。

手話にまつわる活動を、日々続けていく中、
忙しさの中で、いつの間にか忘れがちになっている、
大切な「聞こえない人の心」。
それこそが最も大事なものであり、
私たちが日々運んでいかなければいけないものだと、
暖かい思いをいただいた年末となりました。

様々な出会いに心から感謝いたします。
2016年も、ありがとうございました。


南 瑠霞
手話パフォーマー・コーディネーター、手話通訳士。

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年末の世田谷公園。
手話パフォーマンスきいろぐみは、いつも、
この公園の近くで、稽古をしています。





posted by 南 瑠霞 at 07:43| 東京 ☀| 南 瑠霞(るるか)の手話日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする