手話で仕事をするには?アルバイト編
このところ、若いみなさんから問い合わせの多い、
手話で仕事をするにはどうしたらいいか・・?
そんな疑問に、連載でお答えします。
先ず、今日は、
手話のアルバイト!!について
手話を学んだ人から、
「手話でできるアルバイトはありませんか?」
とよく、尋ねられます。
これについて、
南としては、みなさんに、
2つのことをお伝えしたいと思います。
(2010年2月14日 千葉県・白浜フラワーパークの菜の花)
①
きちんと手話ができなければ、
手話のアルバイトはできません!!
本当に、ごめんなさい。
手話でアルバイトをする とは、
手話を使って、聞こえない人と通じ合える状態で、
アルバイトをするということです。
少し習った手話で、あいさつや自己紹介ができる程度では、
相手の聞こえない方の手話を読み取ったり、
いろんなやりとりをすることはできません。
本格的な、手話のアルバイトとは、
現時点では、たとえば、手話通訳や、
地域の手話ボランティアという形が、
主流であり、
それができるのは、2~3年以上
きちんと手話を学んだあとのこと。
また、
そうした地域通訳は、
自分の都合のいい時間帯ではなく、
相手の聞こえない方の都合に合わせて発生します。
ですから、いわゆる若い方の、
自分の都合に合わせて、自分の目標金額を貯める
ということが目的のアルバイトを、
手話に求めるのは、
あまり現実的ではないかもしれません。
私や友人も、大学生のころ、
いわゆる『手話のアルバイト』をしました。
私の場合、大阪府の登録試験に合格したあと、
大阪府提供のテレビ番組の通訳に、
隔週で出るというものでした。
友人の場合は、私よりさらに深く手話を学んだ方で、
京都の聴言(ちょうげん)センターという、
現在の聞こえない人向け情報提供施設で、
夜間の、待機手話通訳のアルバイトをしていました。
ただしこれらは、都道府県の手話通訳者の資格、
または、それと同等の能力がなければ、
できないアルバイトです。
最近では、
各大学ごとに、聞こえない学生向けの、
授業の手話通訳の学生アルバイトを、
求めているケースもあります。
でも、これも、
聞こえない人の授業の都合が最優先であり、
もちろん、その授業内容を手話通訳できなければ、
役目が果たせません。
こう考えると、
手話のアルバイトとは、
「手話のできる人が行う アルバイト」
ということであり、
ちょっと空いた時間を使って、
簡単な気持ちでできるアルバイトの範囲を、
越えているといわざるをえません。
(2010年2月14日 千葉県・館山の梅)
ですから
みなさんには、そういう
手話のアルバイトを目指す前に、
考えてもらいたいことがあります。
それは、
②
手話を使ったアルバイトではなく、
「アルバイトで、手話を生かす!!」
ということです。
ろう学校の近くのマクドナルドなど
ファーストフード店で、アルバイトをする。
ドラッグストアーやスーパーのバイトなどで、
聞こえないお客さんが来てくれたら
にっこり笑って、
手話であいさつをする などということです。
また、本当に、
聞こえない人たちとの出会いを考えているなら、
地域のコミュニティセンターや、
ボランティアセンター、
または、聾学校、
聴覚障害者むけ情報提供施設の近くの
バイトを探してみましょう。
そういう場所周辺のファミレス、コンビニ、
ドラッグストア、ファーストフード店、
居酒屋などなら、
手話などの活動帰りのサークルの人やろうの方が、
利用したり集まったりする可能性が高いはずです。
そうすれば、そこに、
聞こえない方との出会いがあり、
コミュニケーションが生まれ、
あなたの手話を生かす場になるかもしれません。
私の住まいの近くに、
福祉専門学校があり、
そこに手話を学んでいる学生さんたちがいます。
近くのファミレスでは、
そこの学生さんが、アルバイトをしていることがあります。
もちろん、そこのバイトは、ごく一般的な接客業です。
ふだんは、手話や筆談などをすることは、
全くありません。
ただ、以前、偶然聞こえない方と、そこに食事に入ったとき、
ちょうど、手話のできる学生バイト店員が、
テーブルにきてくれたことがあります。
その学生は、聞こえない人がいるとわかったとき、
すぐに、一生懸命手話で話しかけてきてくれました。
まだまだ、つたない手話で、間違いだらけでしたが、
聞こえない人は、大感激!
その日、再度注文をするときは、必ず、
その学生に手を振って、テーブルに呼んで、
オーダーをしていました。
こういうバイトでの出会い、学生にとっても、
ろうの方にとっても、嬉しいですね。
うちの手話教室の受講生の方の中にも、
マクドナルドで、バイトをしている学生さんがいます。
時々聞こえないお客様が見えるので、
カウンターで、手話でやり取りすることがあると、
言っていました。
また、今年、私が半年間手話講座をさせてもらった
短大の学生の中に、
一生懸命手話を勉強してくれた
男子がいました。
授業は、もちろん入門講座ですので、
みんな、自己紹介や簡単な会話ができる程度で卒業です。
その彼が、授業の終わりごろ、
この数ヶ月で覚えた手話で、話しかけてきました。
「先生!!僕は児童館に就職します。
先日、その児童館にお手伝いに行ったら、
ある子供の親御さんが、ろう者でした。
僕、手話で話せるかな?すごく緊張します。」
と話してくれました。
もちろん、私の答えは、
「大丈夫!!」!!
私は、こういう彼にこそ、
本当に、せっかく自分で選択して受けた
手話の授業を生かしてもらいたいと思いましたし、
それを、手話で私に報告してくれたことも、
とても嬉しかった!!
私は、
「大丈夫だよ。先ずは、習った手話で、
あいさつしてみて、相手の方は、すごく喜んでくれるよ!!」
と伝えました。
きっと、彼は、今頃、
就職前の助っ人のアルバイトとして、
児童館で、ろうの親御さんと、
少しずついろんな話を、身振り手振りや手話で
してくれていることと思います。
とても嬉しいお話でした。
皆さんも、出会った手話で、人生を豊かにし、
元気に、アルバイトをしてください。
がんばってくださいね。
(2010年2月14日 千葉県・館山の八重つばき)
本日も、長文!!
読んでいただいて、
本当に、ありがとうございます。
手話で仕事をするにはどうしたらいいか・・?
そんな疑問に、連載でお答えします。
先ず、今日は、
手話のアルバイト!!について
手話を学んだ人から、
「手話でできるアルバイトはありませんか?」
とよく、尋ねられます。
これについて、
南としては、みなさんに、
2つのことをお伝えしたいと思います。
(2010年2月14日 千葉県・白浜フラワーパークの菜の花)
①
きちんと手話ができなければ、
手話のアルバイトはできません!!
本当に、ごめんなさい。
手話でアルバイトをする とは、
手話を使って、聞こえない人と通じ合える状態で、
アルバイトをするということです。
少し習った手話で、あいさつや自己紹介ができる程度では、
相手の聞こえない方の手話を読み取ったり、
いろんなやりとりをすることはできません。
本格的な、手話のアルバイトとは、
現時点では、たとえば、手話通訳や、
地域の手話ボランティアという形が、
主流であり、
それができるのは、2~3年以上
きちんと手話を学んだあとのこと。
また、
そうした地域通訳は、
自分の都合のいい時間帯ではなく、
相手の聞こえない方の都合に合わせて発生します。
ですから、いわゆる若い方の、
自分の都合に合わせて、自分の目標金額を貯める
ということが目的のアルバイトを、
手話に求めるのは、
あまり現実的ではないかもしれません。
私や友人も、大学生のころ、
いわゆる『手話のアルバイト』をしました。
私の場合、大阪府の登録試験に合格したあと、
大阪府提供のテレビ番組の通訳に、
隔週で出るというものでした。
友人の場合は、私よりさらに深く手話を学んだ方で、
京都の聴言(ちょうげん)センターという、
現在の聞こえない人向け情報提供施設で、
夜間の、待機手話通訳のアルバイトをしていました。
ただしこれらは、都道府県の手話通訳者の資格、
または、それと同等の能力がなければ、
できないアルバイトです。
最近では、
各大学ごとに、聞こえない学生向けの、
授業の手話通訳の学生アルバイトを、
求めているケースもあります。
でも、これも、
聞こえない人の授業の都合が最優先であり、
もちろん、その授業内容を手話通訳できなければ、
役目が果たせません。
こう考えると、
手話のアルバイトとは、
「手話のできる人が行う アルバイト」
ということであり、
ちょっと空いた時間を使って、
簡単な気持ちでできるアルバイトの範囲を、
越えているといわざるをえません。
(2010年2月14日 千葉県・館山の梅)
ですから
みなさんには、そういう
手話のアルバイトを目指す前に、
考えてもらいたいことがあります。
それは、
②
手話を使ったアルバイトではなく、
「アルバイトで、手話を生かす!!」
ということです。
ろう学校の近くのマクドナルドなど
ファーストフード店で、アルバイトをする。
ドラッグストアーやスーパーのバイトなどで、
聞こえないお客さんが来てくれたら
にっこり笑って、
手話であいさつをする などということです。
また、本当に、
聞こえない人たちとの出会いを考えているなら、
地域のコミュニティセンターや、
ボランティアセンター、
または、聾学校、
聴覚障害者むけ情報提供施設の近くの
バイトを探してみましょう。
そういう場所周辺のファミレス、コンビニ、
ドラッグストア、ファーストフード店、
居酒屋などなら、
手話などの活動帰りのサークルの人やろうの方が、
利用したり集まったりする可能性が高いはずです。
そうすれば、そこに、
聞こえない方との出会いがあり、
コミュニケーションが生まれ、
あなたの手話を生かす場になるかもしれません。
私の住まいの近くに、
福祉専門学校があり、
そこに手話を学んでいる学生さんたちがいます。
近くのファミレスでは、
そこの学生さんが、アルバイトをしていることがあります。
もちろん、そこのバイトは、ごく一般的な接客業です。
ふだんは、手話や筆談などをすることは、
全くありません。
ただ、以前、偶然聞こえない方と、そこに食事に入ったとき、
ちょうど、手話のできる学生バイト店員が、
テーブルにきてくれたことがあります。
その学生は、聞こえない人がいるとわかったとき、
すぐに、一生懸命手話で話しかけてきてくれました。
まだまだ、つたない手話で、間違いだらけでしたが、
聞こえない人は、大感激!
その日、再度注文をするときは、必ず、
その学生に手を振って、テーブルに呼んで、
オーダーをしていました。
こういうバイトでの出会い、学生にとっても、
ろうの方にとっても、嬉しいですね。
うちの手話教室の受講生の方の中にも、
マクドナルドで、バイトをしている学生さんがいます。
時々聞こえないお客様が見えるので、
カウンターで、手話でやり取りすることがあると、
言っていました。
また、今年、私が半年間手話講座をさせてもらった
短大の学生の中に、
一生懸命手話を勉強してくれた
男子がいました。
授業は、もちろん入門講座ですので、
みんな、自己紹介や簡単な会話ができる程度で卒業です。
その彼が、授業の終わりごろ、
この数ヶ月で覚えた手話で、話しかけてきました。
「先生!!僕は児童館に就職します。
先日、その児童館にお手伝いに行ったら、
ある子供の親御さんが、ろう者でした。
僕、手話で話せるかな?すごく緊張します。」
と話してくれました。
もちろん、私の答えは、
「大丈夫!!」!!
私は、こういう彼にこそ、
本当に、せっかく自分で選択して受けた
手話の授業を生かしてもらいたいと思いましたし、
それを、手話で私に報告してくれたことも、
とても嬉しかった!!
私は、
「大丈夫だよ。先ずは、習った手話で、
あいさつしてみて、相手の方は、すごく喜んでくれるよ!!」
と伝えました。
きっと、彼は、今頃、
就職前の助っ人のアルバイトとして、
児童館で、ろうの親御さんと、
少しずついろんな話を、身振り手振りや手話で
してくれていることと思います。
とても嬉しいお話でした。
皆さんも、出会った手話で、人生を豊かにし、
元気に、アルバイトをしてください。
がんばってくださいね。
(2010年2月14日 千葉県・館山の八重つばき)
本日も、長文!!
読んでいただいて、
本当に、ありがとうございます。
この記事へのコメント
質問をするのはまだまだ手話というものを知らない方だろうな~ と思ってましたが
そんな若い方達の質問にも真摯な姿勢できちんと答えてらっしゃるるるかさんに
感動です。 (地元の先輩にそんな質問したら鼻で笑われそうです~)
>・・2.3年以上きちんと手話を学んだ後のこと・・
2.3年で役に立てるくらいになるのは国リハとかで毎日朝から晩まで手話を
勉強してる学生さんくらいですよね~
地域の講習会やサークルでは5.6年勉強してもとてもとても、まだまだまだ・・・
な状態だと思います。
私自身は以前職場で聞こえない方とたまに接することがあり、受付業務とかで
少しでも手話でコミュニケーション出来たらいいな、と思ったのが手話を始める
きっかけになりましたが、勉強してみて手話の魅力にはまりました。
今は仕事も辞めてますが、せっかく講習会で学んだ手話を忘れるのはもったいない、
という気持ちで続けてます。 初級の頃4.50人いた同期の中で今も続けているのは
たった2人くらいです。 でも止めるか、登録まで目指すか、じゃなくて、通訳まで
なれなくても、仕事やアルバイトに生かせなくても、せっかく覚えた手話をただ
楽しみながら続ける、という道もあってもいいかな、と思うのですが・・
どうでしょう?
若者悩み相談 担当員に、
なっていただきたいです!!笑
ありがとうございます!!!
手話は、勉強をはじめて、
2~3年後に残っているのは、
100人のうち、2~3人だと言われます。
すみれさんの言う通りですね。
やってみると、思っているより難しいとか、
想像とは違ったとか、
思う人もいるんですよね。
手話は、言葉であり、
コミュニケーションですから、
そこを大事にしていかないと、
聞こえない人との人間関係も、
つながりが持てていけません。
まずは、多くの方には、
仕事やアルバイトの前に、
もちろん
心と心を結ぶ大事な言葉として、
手話に触れていただきたいですね。
すみれさん、本当にありがとうございます。
手話が少し分かるからとか そういうのではないと思います。
やるからには 責任をもって 何事にも取り組む姿勢が必要ですよね。
うまく言葉に出来ませんが 読んでいてそうだよね~!!
と、共感することばかり 何事も半端な気持ちではできないこと!!
多分そうだと思います!!
そのとおりですね。
>どんな仕事も、半端な気持ちではできませんよね。
手話が少し分かるからとか そういうのではないと思います。
手話に限らず、アルバイトであっても、
技術(能力)と心の両方が必要ですね。
若者の皆さん、
大人の先輩たちの言葉、
ぜひ、参考にしてくださいね。
ありがとうございます。
これからも更新頑張ってください。
ありがとうございます!!