ミムラさん(すず)の手話

先週から始まった
関西テレビ(フジテレビ)系ドラマ「37歳で医者になった僕」
の、手話コーディネートをさせていただいています。

ミムラさんの表情が豊かで、かわいい!ですね。
手話は、素敵な言葉だなと、改めて思います。

一緒にお仕事をさせていただいている監督さんも、
ろう者スタッフの冬菜ちゃんなどを見て、
「手話って、表情が豊かですね。」と、声をかけて下さいます。

今回、ミムラさんが演じている手話は、「音声対応手話」と言われる、
頭の中の日本語に則して、単語を表現していく手話です。

手話には、
この、声を出しながら、又は、音声言語の文法に沿って、
それに合わせながら、単語を表出する「音声対応手話」と、
ろう者の使う伝統的表現で、
音声言語とは語順も文法も違う「日本手話」があります。

うちのろう者スタッフの、冬菜ちゃんは、
現場でもろう者の日本手話で、
いろんなお話しを、させていただいています。

では、ミムラさんは、どうして、「音声対応手話」なのでしょうか?
音声対応手話は、もともと音声言語で話していた中途失聴の方、
補聴器を使って音声で話す難聴の方などにとって、便利な話し方です。
頭の中の日本語を崩すことなく、手話単語をきちんとつけて話すことで、
相手にも、自分にもその表現が伝わりやすいという特徴があります。
聴こえる人に囲まれた社会では、ろうの方も、
手話の初心者に対しては、この音声対応手話で話す方が、たくさんおられます。

一方、ミムラさん演じる、すずは、
声で話すことができなくなった失声症。
もちろん、現在も、耳は聞こえています。
その中で、すずが、
コミュニケーション方法の一つとして役立てようと試みたのが、
手話だと言うのが、今回の設定です。

そんな中、すずならどうしたか・・・・
このドラマが始まる前に、
監督、プロデューサー、役者さんたちと、事前に、
手話をどう取り上げるかという、
ディスカッションを開かせていただきました。
現場の多くのスタッフの皆さんも、真剣に、参加して下さいました。
現場の皆さんから、パワーをいただいた、勉強会でした。
感謝!!

その中で、私達が、ここまでお付き合いしたことのある失声症の方の例や、
撮影チームの皆さんの考えをもとに、
すずは、基本的に「音声対応手話」にしようと方向がまとまり、
翻訳作業がスタートしました。

すずは、もともと音声言語で生活しており、
頭の中の言葉が、日本語であること。
又、彼女を取り巻く人たちも、
ろう者のネイティブな手話を読み取る習慣のない
普通の聴こえる人達だからです。

「37歳で医者になった僕」を、ご覧の皆さんも、
ぜひ、すずの手話シーンをよく見てみて下さい。
彼女は、基本的に、日本語のセリフを、
ほぼすべて口でもお話ししています。
もしかしたら、手話を知らないあなたでも、
なんとなくの手話の形、すずの表情、そして、彼女の口元を見れば、
言っていることが読み取れる場面もあるかもしれません。

あ、それから、
草なぎ君は、どうしてあの手話が読み取れるの?
時折、すずに手話を交えてお話ししているけど、
あれは、どうして?
そんな話は、また今度!

ぜひ、今日も、夜22時、ぜひ、
「37歳で医者になった僕」
見てみて下さいね。
ありがとうございます。

***********************
☆ 手話あいらんど「37歳で医者になった僕」HP
http://www.shuwa-island.jp/37doctor/
☆ 南 瑠霞の手話日記「37歳で医者になった僕」
http://minamiruruka.seesaa.net/category/13151553-1.html
☆ 関西テレビ「「37歳で医者になった僕」
http://www.ktv.jp/37doctor/index.html
***********************

この記事へのトラックバック