手話ミュージカル「未来の産声」に寄せて

暑い！！今年の夏も暑かった！！
特に夜が寝苦しかった。
この夏、ついに冷え冷えマットも買った。汗汗

このところ、
各地の海の家なども一段と盛んで、出店も増え、
海水浴客などには大人気のようだ。
花火大会も、友人たちのブログ、テレビ、
雑誌などで、美しい画像を見せてくれている。
夕方になり、ゆかた姿の人が街に繰り出すのを見ると、
ああ、今夜は、花火大会かお祭りでもあるんだなあ・・・と、
その姿から、楽しそうな気分が伝わってくる。
道路工事のバイトに精出す友人、
炎天下のロケに走り回るドラマスタッフ・・・
私の見た夏は、どれも生き生きしていた。
あなたは、どんな夏を過ごしただろうか？

１０数年前、取材で、
ろうの方やご家族１００人近くの皆さんにお会いし、
いろんな経験をお聞きする機会があった。
どんな幼少期を過ごしたか、
聴こえないがゆえに体験したことはあるか？　
あなたはどんな立場で暮らしていると実感するか？　
親子関係は？　
恋愛は？　友達は？・・・
神奈川県寒川町の聴覚障がい者協会１０周年大会に合わせ、
ろうの方々のこれまでの日々の姿を描こうと
取り組んだ時のことだ。

今回のストーリー「未来の産声」は、
その時の内容に手直しを加えての再演作品である。

ろう者老人　誠一からは、各地の聴覚障がい者協会で、
今も元気にしておられるであろう
元会長や役員経験者の姿を見ることができる。
様々なことを見聞きし、戦ってきた存在。
今の私たちからは想像もつかないような、
悲しい出来事にも遭遇し、
そして、だからこそ燃え、
ここまで、多くの仲間たちを見守ってきた。

２０代のろう者女性　ゆきからは、
今も多くの若者が出会うであろう、
恋愛や結婚の悩みが語られる。

ひかりは、自分自身は聞こえ、両親がろう者。
コーダと呼ばれる存在だ。

三者三様の、思いや出来事が一つに重なるとき、
新しい命が生まれ、
それは未来への願いをたくされた、
小さくても大きな存在となる。
その時生まれた赤ん坊の泣き声は「未来の産声」。
希望に満ちた力強い産声（うぶごえ）。
この子が、また、私たちを
新しい未来へ連れて行ってくれるのだと信じて。

この作品を、神奈川県と横浜市、寒川町、
そして、会場に来てくださった全ての皆さんに贈りたい。
感謝。

２０１２年８月夏の最後の日曜に
手話パフォーマンスきいろぐみ代表　南　瑠霞


金曜日、川崎市の空。
ボーイズ・オン・ザ・ランのロケにて。
晴れた空に入道雲が立ち上っている。