似島はドイツ

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広島県の瀬戸内海に浮かぶ
「似島(にのしま)」
という島があります。

その島が取り上げられて、
「似島はドイツ」
本のタイトルです。

今週、広島市で仕事があり、
空き時間に、手話センターひろしまに、
おじゃましてきました。
ここは、広島県内で手話を学び、
手話通訳活動をおこなうみなさんの、
活動拠点。
手話通訳士の方や、
ろうの方が、いつも集まって、
様々な情報交換をしたり、
いろんな手話指導活動、
手話通訳活動などをされています。

ここで、購入させてもらったのが、
「似島はドイツ」
もちろん、手話の本です。

この本は、広島県内の様々な手話の地名の、
表現とその由来が紹介されています。
その中に、「似島」についてのお話があります。
なんと、それによると、
「似島」という手話は、
ヨーロッパの国名「ドイツ」と表現するんだそうです。
かつて、第一次大戦中、
似島に、ドイツ兵の捕虜収容所があったことから、
島の手話表現が、
ズバリ「ドイツ」となったのだそうです。

関東でも、例えば、千葉県浦安市は、
「ミッキーマウス」と表現します。
これは、浦安市に、ディズニーランドがあるから。笑

こんな風に、各地の地名には、
その土地の歴史や特色などの込められた手話が、
用いられていることが、よくあるんですね。

それにしても、
広島県内の様々な地名の手話を紹介した本なら、
「広島の手話」とでもするのが、一般的ですが、
そこをあえて、「似島はドイツ」としたところ。
私は、地元のみなさんの、この本に対する、
愛情のようなものを、とても感じました。
土地にも手話にも、長年の人々の生活や歴史があり、
それが、今に至ってなお生きて、
多くの人に語り継がれている。
このタイトルには、
そんな、広島の手話を愛する皆さんの、
思いが込められているように思いました。

かつて、似島で捕虜となった、ドイツ人たちは、
広島県民に、サッカーの素晴らしさを伝え、
それが、現代にも引き継がれています。
広島と言えば、サンフレッチェ広島など、
サッカーが強いことでも知られていますが、
これも、似島やドイツの人々とのつながりが、
深いんですね。

戦争は、あってはならないことですが、
そんな戦時中でも、
人々は、国境を越えて、思いを伝えあった。
その証が、似島という手話となって、
現代も残っている。
それは、ちょっと悲しく、
でも、ちょっと暖かいお話のように思われました。

手話に残る、人々の思いと歴史、
私たちの手と心に。

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この記事へのコメント

ひろ
2013年01月20日 09:23
興味深いお話、ありがとうございました。
FBにリンク貼らさせて頂きました。
南 瑠霞本人
2013年01月20日 16:45
ひろさん、
いらっしゃい。
ありがとうございます。

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  • 『似島はドイツ』をご紹介いただきました。

    Excerpt: 私はお会いしてことないんですが、手話通訳士の南るるかさんが 広通研へお越しになって 『似島はドイツ』を買うてくださり、ブログで紹介してくださっとるんです。 http://blog.seesaa.j.. Weblog: POCO  A  POCO   ぼちぼちといきましょや racked: 2013-02-03 08:04