各地の手話言語条例によせて!!

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登録している地域の聴覚障害者協会から、
送られてきて、
いつも、ながめている冊子があります。
「手話言語法制定に向けて」。

日本ではまだ、手話は法的には、
言語として公式には、認められていません。
ざっくり言うと、これを、
公式言語として、認めてもらおうというのが、
手話言語法制定に向けての動きです。

それに先駆け、
現在、鳥取県や、石狩市、松坂市など、
全国の各自治体では、
「手話言語条例」が、採択され始め、
手話やろう者を取り巻く環境も、
少しずつ、変わり始めています。

今年も近づいてきた、3.11。
この震災報道以来、
大臣等の政府報道会見に、
手話通訳もつくなどして、
その存在が、
より多くの人の目に触れるようになったり、
当時、枝野官房長官が、
「政府としては、手話を一つの『言語』として認めたい。」
と、公の場での発言したこともあり、
少しずつ、理解の輪も広がり、
「手話は言語じゃない」なんて言う人は、
だんだん減ってきています。

この法律が正式にまとまると、
私は、教育現場が、
すごく変わると思っています。

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現在、ろう学校(聴覚障碍児対象の特別支援校)では、
すべての先生が、手話ができるわけではありません。
したがって、聞こえない子供たちが、
必ずしも、良質の手話による授業を、
100%受けているわけではありません。
法の整備によって、
この、学校内の手話環境が、
ぐっと良くなってくると私は思います。
先生方に、『よい手話』が義務付けられることで、
聴こえない子供たちが、手話で学べる場が、
確保される方向へ向かうと思われます。

また、全国のろう学校では、
現時点、「手話」という科目を、
カリキュラム中に取り入れているところも、
ごく少数。
日本人である私たちは、日本語を、
「国語」として学ぶ必須科目があり、
誰もが、その授業を受けますが、
ろう学校の子供たちには、
「手話」の文法や話し方を学ぶ科目が、
文部省の正式カリキュラムの中にないのです。

こうした点も、手話言語法の制定で、
子供たちが、より良い「手話」を、
自分たちこそが、学べる環境へと、
変わってくる可能性が高まると、
私は考えます。

さて、このへんで、
手話に興味を持ち、
私のブログにも、
たびたび来てくださっている皆さんの中には、
「へえ、そうなんだ!?」「意外~!!」
なんて、思う方もいらっしゃるのでは?汗&笑
だって、普通に考えたら、
ろう学校は、手話で授業をしていて当たり前だし、
国語と同じように、「手話」という授業があるのも、
ごくごく自然なことですもんね。

でも、まだまだ、手話については、
みんなで考えていかなければイケないことが、
山のようにあるのも事実。汗汗

手話ニュースもこれだけ広がり、
多くの聞こえる人たちが、手話に興味を持ち、
各地の手話講習会が、どんどん広がり、
ろう者のネイティブな手話こそを、
学びたいと感じる人が増えてきている中で、
教育現場だけが、
実は、やや、その変化のスピードが、
遅めだ・・・・と、
私は、ちょっぴり感じています。汗
(もちろん、ろう学校によっては、
すごく努力しているところもあるし、
東京では、NPOのろう学校で、
完全手話教育を志しているところも、ありますから、
すべてがすべて、
同じ状況なわけでもありませんけどね。汗&笑)

そんなこんなで、話は元に戻り。。。
法制化をきっかけに、
手話は、文法もあるれっきとした言語で、
きちんと学べば、理解も深まり、
良き手話を話せる人も増えるということが、
多くの人に認識されれば、
人々の、手話への扱い自体、変わる可能性があると、
私は思います。
「聞こえない人は、かわいそうだから、
手話を覚えてあげよう。」とか、
「手話は、手真似であり、福祉のための言葉だ。」
とか、
そういった、思いや考えを超えて、
本当の『ことば』として、
英語や韓国語などの外国語と同じように、
尊敬し、真剣に学ぼうとする人も、
どんどん増えてくるのではないでしょうか?

そうなれば、より多くの人が、
聴こえない人は、
『助けてあげなければイケない人』なのではなく、
自分と対等な、ひとつの文化を持った、
自分たちとは違う言語形態を持った、
一人の人であると感じるように、
なってくるでしょう。
これは、私から見ると、
手話言語法の最大のメリットに思えます。

また、
ろう学校ばかりでなく、
例えば、一般の小中学校でも、
今よりもっと、良い手話を、
子供たちが学ぶチャンスが広がるだろうし、
一般の大学の第2言語としても、
「手話」を選択できるように、
なってくるだろうと思います。

大学では、現在、
日本手話による入試を始めているところも、
少しずつ出てきていますが、
こうした理解も、
これから、もっともっと広がっていくでしょう。

海外では、すでに、手話を第二言語として選択し、
授業に取り入れている大学も、
けっこうあります。
日本でも、現在、大学の授業に、
手話を取り入れているところ、
言語として学んでいるところは、
いくつかありますが、まだ少数であったり、
また、もちろん、単位としての『第2言語』として、
という位置づけではない場合がほとんど。
こうしたことも、
これから、どんどん変わってきそうですね。

さらに、手話は、
聞こえない人とのコミュニケーションという部分を超えて、
聞こえる私たちも、
のどを痛めた時、
また、将来年をとって、耳が遠くなった時などにも、
実は、とても便利!!
そんなことも考えると、
みんながよい手話を学ぶ機会が増えることは、
誰に取っても、良いことのように思います。

手話言語条例がもっと広がり、
手話への理解が深まり、
やがて、国の法律として、
「手話言語法」が成立すれば、
素敵だなと、とても思っています。

興味のある方は、
こうしたことも、
ちょっと勉強してみてください。
ぜひ、周りの手話の先輩方と、
いろんな話をして、
あなたの手話の世界を広げてくださいね。

前に何度か取り上げた話題ですが、
何度でも、
皆さんに、知っていただく機会があればと思って、
まとめてみました。

いつも、本当に、ありがとうございます。

双子玉川.jpg

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