通訳について
オーストラリア・カウラ市で開催されている、
第2次大戦中の、民間人捕虜についての、
シンポジウムに来ています。
会場は、英語が公用語で、
他の外国語に、英語の通訳はつきますが、
英語のディスカッションには、
日本語の通訳はありません。大汗
私は、関係者から事前にいただいた簡単な資料や、
いくつかそろえた関係書籍だけを頼りに、
この会議に参加しています。汗汗
一つ前の記事で、
親戚が述べる大事な英語のコメント部分だけ、
日本語の通訳で助けていただいた話をかきました。
http://minamiruruka.seesaa.net/article/390880012.html
その方は、天田葉子さんという、プロの通訳者の方で、
オーストラリアに住んでおられる日本人の方です。
今回、その方は、
ご自分の勉強のために参加されていたので、
通訳に必要な事前資料も、何も持っておられませんでした。
そんな状況の中、
私の突然のお願いに、一生懸命協力してくださいました。
いきなり事情も分からないのに、言語通訳するのは、
かなり大変です。
同じオーストラリアといっても、
あまり人に知られていない地名や、
今回のようなコアな内容では、その場面に出てくるキーパーソンの名前も、
わからない人にとっては、ちんぷんかんぷん。
だれがだれだか、わからないはずです。
そんな状況の中、
天田さんは、とても正直に、丁寧に、通訳をしてくださったのです。
・・・この方は、イタリア系の方です。
細かい地名を言っておられるようですが、私にはわかりません。
お父さんが、農園での、強制労働をしていたようですね。
こちらのドイツ系の方は、
また、違った状況を話されています。
オーストラリアにいて、
自分のアイデンティティが、あいまいで、悩まれたこともあるそうです。
ご両親が捕虜だったようです。
ニューカレドニアの方は、二人のおじいさんが、両方とも、日本人のようです。
いろんなお名前が出てきていますが、関係がわかりません・・・
と、次々に続く話を、
途切れることなく、一生懸命、伝えてくださいました。
本来、手話にかかわる仕事をしている私には、
彼女の誠実さが、よくわかりました。
通訳の現場では、よく、ろう者の方が、
「下手でも、心のこもった通訳をしてほしい」と話しますが、
私も、まさに、そんな素晴らしい通訳者に出会ったと思いました。
彼女は、専門外の内容を、
必要に迫られて、ただただ一生懸命通訳してくださったのです。
それは、とてもありがたいことで、
私にとっては、ここからの人生を変えるような内容が、
パネリストの中から伝わってきたのですから。
もちろん、この方の名誉のためにお伝えしておきますが、
この方は、きちんとした通訳者の方で、
決して、下手な通訳ではありません。笑
すごくすぐれた方だったからこそ、
わからない内容も、私に伝わるよう、努力してくださったのです。
ただ、今回は、あまりに内容が、専門的すぎて、
本当に、混乱されたと思います。
そこを押して、私に伝えられた一言一言は、
輝くような、言葉でした。
私は、今回、小さなメディアの取材も受けましたが、
その時も、天田さんが、私についてくださいました。
通訳がうまいかヘタかは、その言語を知らずとも、
通訳を通して、話を受け取っている相手からの質問で、
すぐにわかります。
私の話したことに、的確な質問が返ってくるということは、
私の話が、きちんと相手に伝えられたことを示しています。
インタビューに際し、
天田さんは、私の話を間違いなく相手に伝えようと、
誠実に通訳してくださっていたことが、
ここでもよくわかりました。
日ごろ自分が手話通訳をしている時、
ろうの人が、ここまで通訳を頼りに思ってくれているとは、
あまり、考えていませんでしたが、
通訳とは、まさに、思いを伝え合う人と人との間に立つ仕事。
役割の大切さを、天田さんに、改めて、教えていただきました。
手話通訳の現場では、もちろん、私たちプロは、
できるだけ、正確に、誠実に、質の高い通訳を目指して、
活動をしていますが、それでも、至らなかったときは、
本当に、申し訳ない気持ちになります。
そんな時も、ろうの人は、いつも「大丈夫、大丈夫」と言ってくださいます。
それは、ろうの人が、おべっかを使っているのでも、
お世辞を言っているのでもなく、私たち通訳者に媚びているのでもなく、
本当に、「わかったよ。ありがとう。」と言ってくれているのだと、
逆に少数派言語で参加した自分の立場に置き換えて、
あらためて、実感しました。
聞こえない人たちも、ちゃんと通訳者に対し、
あたたかい友情を感じてくれていたのですね!!
そのことにも、改めて、感謝をしたいと思います。
手話通訳者を目指すあなたも、
ちょっと、そんなことにも、思いをはせてみてください。
様々な角度から、貴重な体験をさせていただき、
今回のシンポジウムには、本当に、感謝しています。
車で市内を走っている時、
ヤマアラシのような動物に出会いました。
草の間から、鼻先をひくひく出しているのがわかるでしょうか? 笑
日本手話入門 <今日の単語>
「友だち」
自分の両手で握手して、軽く揺らすと、
「友達」「なかよし」「親しい」。
今回のシンポジウムでは、たくさんの方と握手しました!!
(C)手話あいらんど/渡辺晴香
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
手話あいらんど手話教室
春クラス 間もなく開講!!
http://classroom.shuwa-island.jp/
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
第2次大戦中の、民間人捕虜についての、
シンポジウムに来ています。
会場は、英語が公用語で、
他の外国語に、英語の通訳はつきますが、
英語のディスカッションには、
日本語の通訳はありません。大汗
私は、関係者から事前にいただいた簡単な資料や、
いくつかそろえた関係書籍だけを頼りに、
この会議に参加しています。汗汗
一つ前の記事で、
親戚が述べる大事な英語のコメント部分だけ、
日本語の通訳で助けていただいた話をかきました。
http://minamiruruka.seesaa.net/article/390880012.html
その方は、天田葉子さんという、プロの通訳者の方で、
オーストラリアに住んでおられる日本人の方です。
今回、その方は、
ご自分の勉強のために参加されていたので、
通訳に必要な事前資料も、何も持っておられませんでした。
そんな状況の中、
私の突然のお願いに、一生懸命協力してくださいました。
いきなり事情も分からないのに、言語通訳するのは、
かなり大変です。
同じオーストラリアといっても、
あまり人に知られていない地名や、
今回のようなコアな内容では、その場面に出てくるキーパーソンの名前も、
わからない人にとっては、ちんぷんかんぷん。
だれがだれだか、わからないはずです。
そんな状況の中、
天田さんは、とても正直に、丁寧に、通訳をしてくださったのです。
・・・この方は、イタリア系の方です。
細かい地名を言っておられるようですが、私にはわかりません。
お父さんが、農園での、強制労働をしていたようですね。
こちらのドイツ系の方は、
また、違った状況を話されています。
オーストラリアにいて、
自分のアイデンティティが、あいまいで、悩まれたこともあるそうです。
ご両親が捕虜だったようです。
ニューカレドニアの方は、二人のおじいさんが、両方とも、日本人のようです。
いろんなお名前が出てきていますが、関係がわかりません・・・
と、次々に続く話を、
途切れることなく、一生懸命、伝えてくださいました。
本来、手話にかかわる仕事をしている私には、
彼女の誠実さが、よくわかりました。
通訳の現場では、よく、ろう者の方が、
「下手でも、心のこもった通訳をしてほしい」と話しますが、
私も、まさに、そんな素晴らしい通訳者に出会ったと思いました。
彼女は、専門外の内容を、
必要に迫られて、ただただ一生懸命通訳してくださったのです。
それは、とてもありがたいことで、
私にとっては、ここからの人生を変えるような内容が、
パネリストの中から伝わってきたのですから。
もちろん、この方の名誉のためにお伝えしておきますが、
この方は、きちんとした通訳者の方で、
決して、下手な通訳ではありません。笑
すごくすぐれた方だったからこそ、
わからない内容も、私に伝わるよう、努力してくださったのです。
ただ、今回は、あまりに内容が、専門的すぎて、
本当に、混乱されたと思います。
そこを押して、私に伝えられた一言一言は、
輝くような、言葉でした。
私は、今回、小さなメディアの取材も受けましたが、
その時も、天田さんが、私についてくださいました。
通訳がうまいかヘタかは、その言語を知らずとも、
通訳を通して、話を受け取っている相手からの質問で、
すぐにわかります。
私の話したことに、的確な質問が返ってくるということは、
私の話が、きちんと相手に伝えられたことを示しています。
インタビューに際し、
天田さんは、私の話を間違いなく相手に伝えようと、
誠実に通訳してくださっていたことが、
ここでもよくわかりました。
日ごろ自分が手話通訳をしている時、
ろうの人が、ここまで通訳を頼りに思ってくれているとは、
あまり、考えていませんでしたが、
通訳とは、まさに、思いを伝え合う人と人との間に立つ仕事。
役割の大切さを、天田さんに、改めて、教えていただきました。
手話通訳の現場では、もちろん、私たちプロは、
できるだけ、正確に、誠実に、質の高い通訳を目指して、
活動をしていますが、それでも、至らなかったときは、
本当に、申し訳ない気持ちになります。
そんな時も、ろうの人は、いつも「大丈夫、大丈夫」と言ってくださいます。
それは、ろうの人が、おべっかを使っているのでも、
お世辞を言っているのでもなく、私たち通訳者に媚びているのでもなく、
本当に、「わかったよ。ありがとう。」と言ってくれているのだと、
逆に少数派言語で参加した自分の立場に置き換えて、
あらためて、実感しました。
聞こえない人たちも、ちゃんと通訳者に対し、
あたたかい友情を感じてくれていたのですね!!
そのことにも、改めて、感謝をしたいと思います。
手話通訳者を目指すあなたも、
ちょっと、そんなことにも、思いをはせてみてください。
様々な角度から、貴重な体験をさせていただき、
今回のシンポジウムには、本当に、感謝しています。
車で市内を走っている時、
ヤマアラシのような動物に出会いました。
草の間から、鼻先をひくひく出しているのがわかるでしょうか? 笑
日本手話入門 <今日の単語>
「友だち」
自分の両手で握手して、軽く揺らすと、
「友達」「なかよし」「親しい」。
今回のシンポジウムでは、たくさんの方と握手しました!!
(C)手話あいらんど/渡辺晴香
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
手話あいらんど手話教室
春クラス 間もなく開講!!
http://classroom.shuwa-island.jp/
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆