ABCラジオ と サヨナラロード に見送られて
オーストラリア・ブルーム最後の日は、国営放送ABCの、ブルーム支局のラジオが、私を取材してくれました。ブルームに名を残す村上安吉の孫が、わざわざ日本からやって来たというので、バネッサさんが、その感想や気持ちを尋ねて下さったのです。
身振りや表情の見えるテレビなら、まだしも、音声しか聞こえないラジオに、私のこんな英語では・・・と、お断りしようとしたら、「大丈夫です。私も日本語ができません。あなたと私は対等です。」と、言ってくださり、その言葉に何かとても大事なものをいただいた気がして、出演してきました。
「私は、日本で生まれ、日本に育ち、日本語を話し、日本のことしか知らないけど、私と同じように海を渡った日系人の血を引く様々な人にお会いし、大事な思いを授けられ、ブルームは、第2のふるさとになりました。」と伝えたつもりですが、放送ではどうなっているか…汗&笑
ブルームで宿泊したアパートメントは、ムーンライト・ベイ・サイト。素敵なキッチンがあって、私は、電子レンジでご飯を炊いて、毎日、おいしくいただきました。
ブルームは、美しい海に囲まれた場所。たくさんの移民たちが、この地に足跡を残したことをしっかり感じて、街を後にしました。
出発の前日の夕方、友人と行った道に、「サヨナラ・ロード」という看板を見つけました。日本人がいつも使っていた別れの言葉「サヨナラ」が刻まれた道。日本人の足跡の残るこの道は、古き時代に遠い海を渡ってきた男たちの道。私が「さよなら」と言ったら、誰かが、振り向いた気がした。