手話あいらんどTVクロスカルチャ「オーストラリアのろう学校その1」

今回は、南 瑠霞のオーストラリア体験を、ご紹介します。
パースのろう学校の様子を、ご覧ください。



手話あいらんどTVクロスカルチャー!!
ヤスです。ろう者です。
南 瑠霞です。聞こえます。
よろしくお願いします。

南は、この前オーストラリアに行ってきました。
2014年3月、一か月間。
日本が、まだ寒い時期オーストラリアに行きました。
南半球だったので、季節が逆で、とても暑かった。笑
最高気温は、38度くらいの場所などもありました。
そして、南十字星を見ました。とてもきれいでした!! 
日本では、見られない星だったので、感動しました。

オーストラリアで、どんな体験をしたのかというと・・・
今日は、パースでのお話をご紹介します。

(写真)
☆ 「モスマン・パーク・スクール・フォー・デフ・チルドレン」看板
☆ 子供たちが、校庭で遊ぶ様子。

子供たちが遊んでいましたが・・・
これは、ろう学校の小学校の様子です。
ろう学校の小学生の子供たちは、20人くらい。
低学年、中学年、高学年とクラスが分かれていました。

南は、聞こえますが、ちょっと見学しただけではなく、
ろう学校には、1週間、月~金曜まで5日間通いました!!
朝は8時半から、授業の終わる午後3時くらいまで、毎日通ったんです。
子供たちと一緒にすごして、とても楽しかったです。

南は、そもそも、
オーストラリアの手話はできない。
さらに、英語もできないまま行ったので、
先生や子供たちとは、身振りなどで、たくさんのお話をしました。

写真で見た丸い看板には、両手のイラストがありましたが、
これは、オーストラリアのアルファベットの、「M」と、「P」
モスマン・パークという学校の名前の頭文字でした。

手話のイラストが、看板に表現されているのは、
日本では、あまり見たことがありませんね。

(写真)
☆ 大人の指導者らしき人が2人。子供たちがテーブルに。

授業の様子ですね。
先生が2人いるような…?

はい。パースのろう学校では、
すべての教育スタッフが、きちんと手話ができます。
校長先生も、聞こえる方ですが、普通に手話で話しをします。

クラスには、
教員のほか、教材をそろえてくれるスタッフ、
手話通訳者、ろう者アシスタントなどがいます。

手話通訳者は、毎日交代で、
必ず教室にいて、授業のお手伝いをしています。
先生も、聞こえる方ですが、全員きちんと手話ができます。
ろう者のアシスタントの方も、クラスに必ずいて、
ろうの子供たちの勉強をサポートしています。

教員やスタッフが、全員手話ができるということは、
手話通訳者は、何をするのかというと・・・

オーストラリアのろう学校では、
多くの子が、人工内耳を付けています。
人工内耳をつけていない子供の方が少ない。
人工内耳の子供は、手話でも声でも話します。

学校の中には、手話がメインの子供と、
声を多く使う子供たちが、一緒にいます。
聞こえる先生は、もちろん手話ができますが、
人工内耳の子供には、音声で話しかけ、
人工内耳の子供も、声で話をします。
人工内耳をきちんと使い、
人の音声も聞いたり話したりできるようになるためです。
その時、ろうの子供たちは、音声会話がわからないので、
手話通訳の人がさっと中に入って、
今、先生と人工内耳のお友達は、
こんな話をしています!! ・・と、
伝えたりするわけです。
その通訳を見て、ろうの子供たちも、へえ!と理解しています。
情報保障がきちんと互いにできているんですね。

一方、人工内耳の子は、
音声も使いますが、手話もします。
その子は、普段、ろうの友達とは手話で話していますし、
英語のわからない南のためにも、
自分で判断して、手話で話しかけてくれました。
すごいですね。

(写真)
☆ 再び、二人の指導者らしき人と子供たちの写真。

これは、絵本の読み聞かせ。
本を広げている人と、隣で手話をしている人がいます。

これも、授業の二人態勢。
本を見せながら、話しているのは、先生で、
こちらは、きちんとした英語を聞かせるため、
音声で読み聞かせをしています。
隣りにいるのは、ろう者のアシスタントの方です。
先生の本を見ながら、英語の内容をつかんだら、
手話で物語を表現しています。
音声対応手話ではない、伝統的で映像的な手話で物語を伝えて、
見ただけで、絵本の内容がわかるような素敵な手話でした。
本物の手話だね。
毎日ろう者の良い手話を見ることで、
子供たちにもいい影響があると思います。

(長くなったので、続きは次回!!)

クロカル豪.png

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック