手話の歌~いきなり翻訳や歌い方の指導はいたしません!!汗&笑

私が手話の専門家だと知って、
いきなり、
「この歌を手話で歌いたいんです。手話教えてください!」
と言ってくる方が、
この頃、ますます増えています。

ダメよ!ダメダメ!!
おお!まさにあの、
何やらお笑いの壊れたお人形のようになってしまそうな私です。笑

手話の歌・・・と言っても種類もいろいろ、
方法もいろいろですが、
こういった連絡をくださる方は、
すべて、基本的に、
「今、聴こえる人の間で流行っている歌に、
手話を付けて歌いたい!!」
というものです。

ところがこれ、
聴こえない人の約半数が、嫌い!
または、好ましく思っていない、
または、全然興味がない!!
ということを、ご存知でしょうか?

聴こえない人の中には、手話の歌が大好きで、
自分もいっぱい歌いたい言う人も大勢いますが、
反対に、子どものころから、
無理にリコーダーを吹かされたり、
わからないのに、歌え!と言われ、
音楽に対して嫌な印象を持っている人、
また、
わからない音楽を、わかれと言われても、
楽しくもなんともない!!
という人もたくさんいます。

さらに、
手話という聴こえない人の大事な言葉を使って歌うからには、
やはりまず、
「聴こえない」ということがどういうことなのか、
「手話」とはどんなものなのか、
その辺のところを、ちゃんと、知ったり、
体験したうえで、
”聴こえない人とも分かり合える方法で”、
心を込めて歌ってもらいたい。

いつも、このブログでも、
お伝えしているように、
私達は、基本、どんな手話指導でも、
ドラマの役者さんでも、
歌い手さんの歌であっても、
いきなり、
テキストから入ったり、
手話翻訳だけを教えたりすることはありません。

1回目のレッスンは、必ず、
「聴こえない人との出会い」から。
( *詳しくは、先日の記事がわかりやすいかも!
http://minamiruruka.seesaa.net/article/406715512.html )

聴こえない人が、どんな暮らしをし、
どうやってコミュニケーションをとっているのか、
通じない時、どうやって伝え合えばいいのか、
そして何より、
言葉や音楽を、目から見るって、
どういう状態なのか?
そういったことを、よーく考えて、
思いを伝えるってことの大切さを、
感じてもらってから、
その次にやっと、
本格的な手話レッスンです。

そうした部分をすっ飛ばして、
「時間がないから、早く!」
って、言われても、
ちょっと、無理なんだな~。

それに、歌詞の翻訳って、
手話ができれば、やれるってもんじゃない。
正しく手話に翻訳しても、
言葉数や、表現の長さが合わなければ、
音楽に乗せられない。
「その場で、教えて!!」と言われても、
どういう単語や表現が、
その歌にピッタリ合うのか、
ちゃんと考えないと、良い手話の歌は、できないのです。汗&笑
これは、日本語の歌を、英語に作り直すときも同じ。
正しく英語に翻訳しても、
音楽の長さやリズム、メロディーにうまく合わなければ、
歌が歌えないでしょ?
手話も、一つの言語なので、
日本語の都合のいいようにはなっていないんだな~。
そういうこと、わかるかしら?

〇手話の歌が大嫌いなろうの人もたくさんいる
〇手話で歌うなら、聴こえない人のこと、
 手話のこともきちんと理解してから。
〇手話の歌詞翻訳には、手話通訳ができるうえ、
 さらに、歌詞を音楽に合わせてイメージごと
 組み立てられる能力が必要!!

そういうわけで、
ダメよ!!ダメダメ!!
「流行の歌に、手話を付けて!!今、教えて!」
と言われても、
いきなり翻訳や歌い方の指導は、
いたしません!

あなたもぜひ、よーく考えてみてね。
どうぞ、よろしくお願いします。

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今週の、神奈川県の短大のもみじです。
まだ濃い緑の葉っぱがいっぱい茂っています。


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