指文字~左利きの人は、どう表せばいいの?

手話を始めたばかりのころ、
多くの人が、指文字を教わります。
その時、一般的に使われている、
手本画像やイラストの多くは、
右手で表現された右利きのものです。

少し前まで、この指文字、
多くの指導者が、
「右手で表現しましょう。」
と、教えていました。
左利きの人も、右手を使って、
指文字を覚えたほうがいい
と考えられていたのです。

でも、最近では、
左利きの人は、
左手で指文字を覚えるのが一般的です。
よく考えてみれば、それはあたりまえのことで、
実は、ろうの人たちは、
左利きの場合、左手で手話を表現しているわけですから、
利き手が左の人が、右手で手話や指文字を覚えるのは、
ちょっと不自然なことですよね。汗&笑

では、この指文字、
左利きの人は、どう表現すればいいのでしょう?

答えは実はとても簡単で、
単に、右利きの画像から鏡のように、
反転して表現すればいいだけです。
手自体は全くひっくり返したり、
反対側に動かしたりする必要はありません。

ただ、左利きの人には、
混乱を招く指文字が、
3つだけあります。
それは、「ノ」「リ」「ン」です。

左利きの方の中には、
あ、そうそう、最初ちょっとわかりにくかった!
という人もいるかもしれません。

<右利きのお手本写真。>
それぞれの指文字は、手を使って、
「ノ」「リ」「ン」のカタカナを描いています。
(手のアップは、自分の側から見た図)

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(C)手話あいらんど/乾 夏姫

写真でもわかるように、
右利きの人の場合、これらの指文字は、素直に自分の側から、
カタカナで、その文字を書いているだけです。
左利きの人は、
単にこれを反転させて覚えればいいのですが、
ここで、日常の習慣が、
手を反対方向に動かせてしまうことがあります。
つまり左手で、そのまま普通に「ノ」「リ」「ン」を
正位置に書いてしまうのです。
ところがそれでは、
右利きの指文字を反転させたことにはなりません。
左利きの人は、指文字表現の際、
左手で書いているいつもの文字を、反転させて、
表現しなければならないのです・・・汗

ちょっとややこしいですね。
左利きの人は、この3つだけ、ちょこっと注意して、
指文字を覚えてみてくださいね。
がんばって!!

ところで、左利きの人は、いったん手話を覚えると、
とてもうまくなる率が高いと言われます。
手話では、いろんなものの位置や方向を、
目の前の空間にどんどん描き出して表現していくので、
両手が使えると、表現の幅が広がります。
左利きの人は、日ごろから、右利きの世の中に合わせて、
利き手でない右手もたくさん使って生活しています。
(例えば、ハサミや缶切り、財布のがまぐち、
駅の自動改札や、ドリンクの自販機などは、
出回っているもののほとんどが、右利き用!大汗)
ですから、左利きの人は、
一般の右利きの人より、両手をたくさん動かしていると言われます。
もともと両手を使うチャンスに恵まれた左利きの人は、
手話表現にも、とても向いているというわけです。

左利きの人は、手話を覚えるとき、
最初は、ちょっと戸惑うこともあるかもしれませんが、
ぜひ、めげず最初のハードルを乗り越えてください。
そうすれば、無限の可能性が目の前に広がっているかもしれません。

あ、ちなみに、右利きの方も、
たまには、左手で、手話をしてみてくださいね。
けっこう頭の体操になって、
楽しいですよ。

あなたも手話を楽しみながら覚えて、
コミュニケーションの輪を広げてください。
素敵なろう者との出会い、
新しい文化との出会いが、
あなたの人生を豊かにしてくれると思います。
感謝。