手話通訳を依頼しなければなくなったら、どうしたらいいの?
もう、散る葉もなくなり、冬を越すばかりのもみじの木の下で、
保育士など児童教育や児童福祉の勉強をしている学生たちに、
手話指導を、続けています。
およそ半年の授業では、手話の詳細な技術より、
手話で話す楽しさや、聴こえない人との出会い、
また、卒業後、自分たちが、
聴こえない子供や保護者に会った時の
手掛かりになるような様々な情報を提供できる授業を心掛けています。
そんな中でも、
学生たちに伝えている大事なことの一つは、
保育園等の保護者面談などで、
手話通訳者を呼ばなければならなくなった時のことです。
聴こえない子供たちとの、
日常のコミュニケーションは、
心と心を向き合わせ、
絵を描いたり身振りをいっぱい使ったりして、
伝えあうこともとても大切です。
また、聴こえない保護者とも、筆談や笑顔、また、
大事な連絡事項は、プリントなどを準備して、
目で見る形で、伝えることがメインになるかもしれません。
それでも、保護者の間などで、
もっと詳細で、具体的話し合いなどが必要になったりした場合、
手話通訳者を頼まなければならないケースが出てきます。
そんなとき、あわてないために、
通訳者を依頼したいなと思ったとき、
どんなところに相談に行くといいのか・・といったことも、
授業に盛り込んでいます。
〇 聴こえない人によっては、その事情の良くわかる、
いつも通訳してくれている人がいる場合もあるので、
まずは、本人にどんなふうにするのがいいか、尋ねてみる。
〇 たいていの場合地元の自治体に、手話通訳制度があるので、
市役所、区役所、町役場の福祉課などに相談する。
(この場合、聴覚障害者本人が依頼すれば、きちんと、
通訳者が来てくれるところが、ほとんどです。
これを、本人が自分で連れてきていると思い込まず、
こうした制度を利用して、
通訳者が派遣されているのを知ることも大切ですね。)
〇 通訳制度は地域によりルールが違ったりもしますが、
県庁所在地などでは、多くの場合、
聴覚障害者情報提供施設というのもあります。
こうしたところでは、
手話通訳や手話学習の様々な情報も持っています。
そういったところに尋ねても、
適切な情報を教えてもらえる場合があります。
〇 地域によっては、地元の手話サークルが、
手話通訳を引き受けている場合もあるかもしれません。
これも、地元の市役所、社会福祉協議会などに尋ねると、
誰に相談すればいいかを教えてもらえます。
※ 南の住む、世田谷区では、
専門の手話通訳派遣センターがあります。
こうしたセンターがある場合、そこに尋ねれば、
適切な通訳依頼の方法を教えてもらえる場合もあります。
世の中も、どんどん変わり、
聴こえない人向けの手話通訳制度も少しずつ、
様々な形で、広がってきています。
それぞれのみなさんが暮らす地元によって、
状況も違っていますので、
聴こえない人と出会ったら、
まずは、ご本人と色々話してみること。
そして、できるだけ、
互いがのびのび意思疎通できるよう、
より良い方法を、探していきたいですね。
寒くなり、インフルエンザも、はやってきています。
学生たちには、みんなで健康にも気を付けて、
元気に、卒業していってほしいです。
いつも楽しく手話の授業を受けてくれて、ありがとう!!