田舎人の感覚 都会帰りの感覚

最近、全国イオン化などと言われ、
地方のちょっとした都市には、どこでもかしこでも、
イオンのような大きなショッピングセンターができ、
そこに若いファミリーが集まって、
にぎわっている様子が メディアなどで取り上げられています。
これは、各地がそれぞれ便利になり、
欲しいものが、遠出をしなくても、
手に入るようになって、喜ばしいという反面、
そうでもない部分もあると、
指摘する人も少なくありません。

まず、文化的には、
ご当地らしさが消えて、
全国、どこでもだれでも同じようなものを持ち、
同じような服を着て暮らす人が増え、
だったら、どこに住んでも、同じじゃないか!!的な話。笑
それから、実は、こうした大型資本が参入してくることで、
地元で地道に歴史を重ねてきた小さな商店が、顧客を失い、
店主の高齢化とともに、
どんどん消えてしまっているという、商業的なダメージ。

イオンなどは、関東の郊外でも大盛況で、
地元の人たちは、どんどん遊びに行ったり、
楽しんだり、食事をしたり、買い物をしたり、
オシャレをしたり、映画を見たりと、
そこで、ファミリーで1日過ごして帰るひとも、
たくさんいるかと思います。

かくいう私も、田舎出身者の一人として、
いつだったかの帰省で、
実家から、車で1時間のところに、
イオンができたのを知った時は、
かなり興奮しました。笑
車で手軽に行けるし、
安くて、それなりに何でもそろっていて、
シャレたものもあるし、
それが田舎臭くなくて、
なんか、都会のにおいがして、いい感じなのです。
わかります?笑

そんな田舎人の気持ちをガッツリとらえたイオンは、
全国に躍進し、
とうとう、うちのような和歌山の海辺の片田舎にまで、
進出してきてくれたわけです。感謝!!

ただ・・・実家でも、
結局、何度も行ってしまうイオンに、
実は!!
時々思うことがあります。

それは、都会のまねであって、
都会的じゃないんじゃないか!?

食べ物も、おしゃれな器に入ってくるけど、
やっぱ、東京のちょっとした店より、
なんか、味がぼんやりしているし、
都会では、ごみごみした駅前の、
サラリーマンのちょこっと立ち寄り定食屋のチェーンが、
ここでは、さも都会的ファミレスのように、
ふるまってる!
これを見ると、
ちょっと残念な気がする。
(言っとくけど、こういいながら、結局、私、
イオン好きだから、しょっちゅう行くけどね!笑)

一方、実家周辺では、
ちょっと冒険すると、
いろんな地元のおいしいものに出会えたりもする。

山道のドライブで立ち寄った
ほったて小屋のような茶屋で、
おばちゃんが手作りした
ヨモギ餅や、めはり寿司が売られていて、
弱々しいビニルの容器に入って、
輪ゴムで止められているそれを、
何気なしに買ったら!!
それが、マジ、出来たての自然の風味いっぱいで、
めちゃめちゃおいしくて、
驚くような安い値段だったり。

観光の川下りの、
石ころがゴロゴロするような、河原で、
ふと、小汚い恰好をしたおじちゃんが焼いていた、
アユの塩焼きを買ったら、
炭でじーっくり火が通っていて、
今までどこで食べた魚よりおいしかった!
とか!!

田舎に来ると、
そういうものに、けっこう遭遇するのです!!

これら、マジ、見栄えが重視されていなくて、
一見 さえない テキトーな容器にそのまま入っている。
そして、そんなだから、値段もかなり安い。
なのに!! 実は、べらぼーにうまくて、
絶対、都会じゃ食べられない!!

これは、私だけの感想じゃなく、
一緒に、東京から連れて帰ってきた人も、
あとから、
「和歌山のは、すごくおいしかった!
そのあと、どこで探しても、
同じ草餅やアユの塩焼きなのに、
絶対、あの時のようなものに出会わない!!
あれは、おいしかった」と
何度でもいうので、ホント!!笑

その土地のものを、その場でさばき、
地元の人が、心を込めて手作りしたものは、
最高なのです!!

でも、この良さを語るのは、
都会から来た人や、都会帰りの人だけ。

地元の人から、そういう話は、
あまり、出てこない!!

なぜなら、地元の人は、しょっちゅうそんなもの、
自分ちで作ってたりするし、
あまりにフツーで、
価値があるように思えないから。
そして、そういう田舎のみんなは、
都会的なものにあこがれて、
それが、おしゃれでイケてる!!って感じちゃうわけです。
(私もその口ではあるのだけどね。笑)

そんでもって、わたしも、
イオンは好きなんで、実家に戻ったら、
必ず行くけど(笑)
でも、地元の素朴な手作りの良さも、
めっちゃ実感してるんで、
やっぱ、山とか、川とか行って、
それこそ、名もないおじちゃん、おばちゃんが手作りしてる、
地元のお餅や焼き魚も、
いつもできるだけ、食べるようにしています。
なんたって、結果として、かなり安いし。笑
そんで、うまいわけだし。笑
まさに、美味は、道端に転がっている。
とにかく、こういうものに触れないと、
帰省したって感じがしないですからね。笑
だから、都会から友達を呼んだときは、
そんな、素朴で、
実は、都会人が今一番憧れている
田舎の道端の味っていうのを、
いろいろ食べさせてあげられたらなと思っています。

田舎の人は、都会にあこがれ、
都会の人は、田舎にあこがれる・・・
なんか、不思議ですが、
そんな、なんか、ちぐはぐだけど、おもしろい感覚、
実家和歌山と、東京を行き来しながら、いつも感じています。
両方の気持ちがわかって、興味深いです。

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まさに、道端で見つけた「みかんだけの専門のお店」

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もう、和歌山県は、河津桜が満開。

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近所の草むらでたわむれる猫たち。
こんな空き地があるのも、田舎ならではの贅沢!!

ただ今帰省中!!