日本手話は、日本語と一緒には話せない!?

「南さん、声を出さずに手話をするのは、
ろう者に見られたいからですか?」

ろう者や聴者が、いろいろいる、とある会場で、
手話を勉強中の聴者の方から、
尋ねられました!!

あ?
あ、これ?
なるほど、
私は、ろう者と話すとき、知らない間に、
声を使っていなかったのです。
というか、
声を使えない文法の手話をしていたのです。

え?どういうこと?
と思う方がいるかもしれません。

手話には、実は、
ろう者のネイティブな日本手話と、
音声にくっつけて話す音声対応手話が、
あります。

わたしは、その時まで、
聴者の方に、音声付の手話で話していたのですが、
途中で、ろうの方が違う話題を話しかけてきたので、
そちらのろうの方の手話のワールドに入ってしまって、
ろう的手話を使っていたのです。
それで、いつの間にか、音声が消えてしまっていました。

音声対応手話は、
文字通り、音声の日本語を話しながら、
それに手話単語をくっつけて話す方法です。
ですから、頭の中で使っているのは日本語。
一方、ろう者のネイティブな手話は、
音声言語とは文法が違い、
語順も単語チョイスも違います。
だから、頭の中は日本語ではないし、
日本語と一緒に話すことはできず、
当然音声は使いません。

手話を学び始めたばかりの人は、
音声付の手話の方がなじみのある方も多く、
ろう者のネイティブな手話が、
日本語とは違う文法の手話であることに、
気づかないこともよくあります。

「南さんが、声を出さずに手話をするのは、
ろう者に見られたいからですか?」
と言われ、
私は、あ、もしかして? と思い、
「ろう者の手話は、文法が違うので、
日本語と一緒に話せないんですよ。
だから、ろうの方と手話で話すときは、
声を使わないんです。」
とお話すると、
その方は、ちょっとびっくりして、
「へえ!?そうなんですか?」
と言い、
かつ、とても納得されていました。

怒らず、ニコニコ説明してよかった!汗&笑
でも、よく考えてみたら、
手話を学び始めたとき、
「ろう者みたいに話したい」と思って、
勉強し始めたので、
確かに、
その質問は、当たっていたかも?笑

そんなわけで、
手話には、
日本手話と、音声対応手話があり、
日本手話を使いながら、
同時に日本語音声を使うことはできないのでした。

いろいろ考えると、
手話には、わからないことや難しいこともありますね。
でも、
まあ、そんなときは、
ニコッと笑うとたいてい解決します。笑
そんでもって、
「わからないから、教えてくださーい。」
と言えば、
先輩やろうの方々は、
ちゃんと親切に教えてくださいます。

あなたも、ぜひ、小さなことは気にせず、
のびのび手話を勉強してみてくださいね。
いつも本当にありがとうございます。

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水曜の関東も、いい天気でした。