ろう者カップルの結婚式・披露宴~情報保障の工夫①

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(披露宴会場入り口に飾られた、ウエルカムベア!!
かわいいですね。)

きのうにつづき、ろう者カップルの披露宴のお話です。
ろう者カップルの結婚披露宴では、
聴こえる人たちにも、聴こえない人たちにも、
楽しんでもらえるようにと、
手話と音声の両方で話せる司会者を頼んだりすることもよくあり、
私も、MCとして、声をかけていただくことがあります。

音声だけで話す司会者の場合は、
手話通訳を付けることも必要です。

そうした中、
先週、私が参加させていただいた披露宴では、
新郎新婦が、
手話通訳者の配置に、かなり心を配っておられました。

東京都では、東京都手話通訳等派遣センターから、
通訳者を派遣してもらうことがよくありますが、
現在、区市町村によって、申請制度がまちまちです。
今回は、新郎新婦の新居となる、
武蔵野市の制度を利用して、
東京都の派遣センターに依頼、
そこから、4人の通訳者が、
披露宴に駆け付けてくださいました。

新郎も新婦もろう者でしたので、
新婦の大事な手話でのメッセージは、
MCである私が代読、
新郎の大事な手話でのメッセージは、
男性の手話通訳者が読みとりました。
東京では、女性通訳者が圧倒的に多いため、
こうした時、
さっと出向いて下さる、男性通訳者は大変貴重です!

様々な内容やバランス、
男女の配分も考えて、通訳者を依頼したのは、
カップル本人たち。
状況に合わせ、どのような通訳を頼んだらいいのか、
そんな相談も、準備の段階から、
私を含め、何度も検討を重ねて、当日を迎えました。

当日来てくださった通訳の方は、
聴者の主賓のご挨拶では、
少し高い台(踏み台)の上に乗って、
聞き取り通訳(手話表現)をしてくれました。

今回、台の上にのぼったのは、
司会の私と、通訳者の方だけなのですが、
婚礼の席で、これを失礼と感じる方も、
おられるかもしれません。

ところが、披露宴では、多くの方がテーブルについておられ、
特に女性の方は、日頃よりきれいないでたちで、
髪も高く結っておられる方たくさん見えています。
こうした場面では、通訳者が普通に立っただけでは、
前の人の頭にさえぎられ、
後ろの人まで手話が見えないケースがよくあります。
このような場合、
来てくださった聴こえないお客様にこそ 
失礼にならないよう
見える位置をしっかり工夫することが、
通訳者の大事な仕事の一つになるといえそうです。

手話通訳者がきちんと手話をしたのに、
手話が見えない・・・というのは、
せっかくマイクを持ってしゃべったのに、
コードが断線していて、会場には声が届かなかった。。。
というのと同じこと。
『手話は、見えること』がとても大切です。
“見えない手話通訳は、いないのと同じ”に
なってしまいますので、その辺もよく考えて、
通訳者が、どこにどう立つかは、
みんなで検討したいですね。

こうした場合、方法は、ほかにもいろいろあります。
人手や機材があれば、通訳者をカメラでとらえて、
前方のスクリーンの見えやすい位置に映し出す
といった方法も可能かもしれません。
また、同様に、その場に通訳者がいなくても、
インターネットをつないでの、遠隔映像を、
皆さんに見ていただくことも、
今後は、考えられるようになるかもしれません。

今回、通訳の皆さんは、
違う向きに座っておられるお客様には、
場面に応じて、反対側にも立って通訳をしてくださるなど、
臨機応変に動いて下さいました。感動!!

このほか、手話が入ると、
会場の配置も、通常の披露宴とは違ってきます。
手話の見えやすさなどを考慮して、
ろうの方も聴こえる方も共に、楽しくお祝いできるよう、
工夫できるといいですね。


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まだまだ、みなさんに参考になるお話をさせていただきたいので、
今日はこの辺で。
新しいスタートを迎えている、
多くのカップルの皆さんの前途が、
ますます広がって、
元気に前進していけますように。
感謝。