ろう者カップルの結婚式・披露宴~MC のひそかな工夫!
これ、なんだと思いますか?
黒くて細いベルト、時には荷物ひもを使う事もあります・・・
実は、私が、舞台や手話パフォーマンス、
そして、MCのとき忘れてはならない、必需品です。
今回、ろうの方の披露宴でも、
私は、黒いベルトを、身につけて、
司会をさせていただきました。
私は、手話と音声の両方で、
司会をしますので、
基本的に、スタンドや卓上のマイクは使いません。
手話で話すため、手を動かす目の前の空間を、
開けておかなければならないのです。
そのため、私が、手話を用いて司会をするときは、
ワイヤレスのピンマイクか、
ヘッドセットのマイクを使います。
そうなると実は、このマイクの電波の送信器を、
私の体のどこかに着けなければいけません。
マイクの送信機は、ちょうど、たばこの小さな箱くらい。
でも、これが、ちょっと重いんです。
また、目立つものでもあるため、
普通は、服の内側につけることがほとんど。
パンツスタイルなどの場合、
腰の後ろの部分にかけたり、
うまくジャケットに内ポケットがあれば、
そこに入れたりします。
でも、きゃしゃなスカートや、
ポケットも何もないワンピースなどの時は、
この送信機をかける場所がなくなってしまいます。
そこで、
こうしたベルトやヒモを、服の内側で腰の部分にまいて縛り、
そこに、ひっかけているのです。
披露宴などの司会でも、きれいな衣装や靴のほか、
このチョー地味で不似合い? または荷物整理?笑
と思われるようなベルトかヒモを、
一緒に準備しておかないと、
本番で、たいへんなことになるというわけです。笑
私の主催する
手話パフォーマンスきいろぐみの舞台でも、
ヒヤリングキャストが、荷物ひもでマイクを仕込んでおり、
うっかりゆるく結んでいたら、
本番で、ドレスの裾から、ぶらーんとヒモが垂れ下がり、
「あれ、なに?」
と、大騒ぎになったことがあります。笑
カッコイイMCやライブステージですが、
裏では、こんなこともいろいろ工夫が必要になるんですね。笑
また、手話での司会として呼ばれていても、
主催者の方が、どなたでも、
マイクについてイメージされているわけではありません。
事前に打ち合わせの時、
必ず、ワイヤレスのピンマイクか、
ヘッドセットマイクが必要であることを伝え、
準備していただくという手順も、
忘れてはならない作業の一つになります。
いろんな手話のイベントを計画されている方は、
参考にされてくださいね。
(お名前は、本ものとは変えてあります。)
それから、手話での司会では、
資料や原稿を手に持っておしゃべりできませんので、
間違いがないように話すには、
それなりの準備が必要です。
披露宴の司会の話では、
いつもご紹介させていただいていますが、
私は、新郎新婦の家族関係や、
それぞれの皆さんの、性格などを、
ちょっと大きめのイラストボードにして、
司会台の近くに置いておきます。
何かの時、ちょっとしたコメントで、
これを見ながら確認ができて、かわいくて便利です。
これは、披露宴のお開き後、
いつも、新郎新婦にプレゼントさせていただいています。
私の手作り工作なので、
大したものではないのですが、
手話の司会を頼んだなーという、
思い出にしていただければと思っています。
先週末のろう者カップルの披露宴での、
手話とMCの様子を、
5回にわたって、レポートさせていただきました。
ご本人に、“「ブログに公開させていただいていい?”
とお聞きしたら、
「自分たちも、以前の南さんのブログを見て、
とても参考になったので、
これから、結婚される皆さんのために、ぜひ載せてください。」
と言って下さいました。
これから結婚式を考えているカップルの皆さん、
そして、手話通訳を目指す皆さんにも、
お役にたてればと思います。
とても素敵なお二人の、
心を込めた披露宴に呼んでいただき、
本当にありがとうございました。
ここから、二人で、ぜひ力強く歩んで行ってください!!
本当におめでとうございます!!
感謝。