地域登録手話通訳試験
3月中旬の日曜、私の地元の区では、
区の登録手話通訳者の試験が行われました。
人数は、50人くらいいたでしょうか?
みなさんが、区民センターに集まり、
午前から、ペーパーテストと手話の読み取りテスト。
午後から、聞き取りテストと面接が行われたりと、
大忙しの1日でした。
私の住まいの区の登録手話通訳者は、
4年に一度、更新が行われ、
その都度、必要なチェック(試験など)が実施されて、
通訳者の質が保たれるよう工夫されています。
私はというと、手話通訳士の資格を持っているので、
実技試験は、免除されていたのですが、
この4年間の研修出席日数が、
様々な仕事の都合で、不足していたため、
確認のための面接に呼び出されました。汗
このところ、全国的に広がってきている、
手話の試験の、面接方法、
これ、たぶん一般の方には、あまり知られていないので、
ちょっとご紹介しましょう。
東京の各区では、もう20年以上、
この方法が取り入れられているところが多いと思いますが、
それが、今、全国に広がりつつあります。
どういう方法かというと、
もっとも、重要なポイントは、
「試験会場自体が、本当の通訳の現場になっている」
ということです!
え? と、驚かれる方もいるかもしれません。
これは、またまた、わたくし南画伯の下手な絵です。
(ホント、ごめんなさい。汗&笑)
この絵のように、手前の後ろ姿が、試験を受ける人。
目の前には、聴者の試験官と、ろう者の試験官がいます。
面接では、聴者の試験官が、音声で
何か尋ねてくることもあります。
例えば、
「あなたの、手話経験は何年くらいですか?」
と音声で尋ねられたら、
その時、ろう者の試験官は、
それを、聞き取ることはできません。
受験者自身が、通訳者として、
「イマ、コチラノ方ガ、音声デ、
手話経験ハ、ドレクライデスカ? ト、
尋ネテ、イマス。」
と手話通訳します。
そのうえで、聴者・ろう者の試験官の両方が理解できるよう、
自分の答えを、音声と手話の両方で、
「わたしの手話経験は、〇年くらいです。(音声と手話付き)」
と答えることが必要です。
また、ろう者の試験官から、手話で、
「アナタガ、手話通訳ヲスルトキ、得意ナ分野ハ、何デスカ?」
と質問を受けたとしたら、
同様に、一緒にいる聴者の試験官が、
手話を理解できない状況なので、
「あなたの、手話通訳で、得意分野は何ですか?という質問です。」
と、音声で読み取り通訳をし、
次に、自分の答えを、同じように、
ろう者・聴者両方の試験官にわかるよう、
音声と手話で、
「私は、エンターテイメント系の舞台通訳が一番得意です。(音声と手話付き)」
と、答えます。
つまり、試験では、自分が受け答えする以上に、
『その場のコミュニケーションが円滑に行なわれているかどうかに、
目配りでき、必要な通訳ができるかどうか』が、
チェックポイントになってきます。
これ、一見簡単そうですが、
全てを違和感なく通訳しながら、
自分の回答も、その中で、行っていくというのは、
きちんと手話が理解でき、
それを伝える能力がなければ、できないことです。
また、能力があっても、初心者であればあるほど、
緊張して、手や声が、震えてしまったりもすると思います。
初めて手話通訳者として登録試験を受けるときは、
この面接の前に、
地元の福祉や手話通訳者の倫理に関するペーパーテスト、
ろう者の話す手話映像の内容を読み取って、それを書く試験。
また、音声で流れるテープに合わせて表現する、
聞き取りテストも、あります。
その締めくくりとなるのが、この面接試験であり、
このすべてに合格した人のみが、
晴れて地元の手話通訳者として、登録され、
今後、活動を行っていくわけです。汗
登録試験を受ける人にとって、これは、長い1日です。
また、それを準備する、試験官のみなさんにとっても、
年に一度の、真剣勝負の、大仕事と言えると思います。
こうしたことは、すべて、地元の聴こえない方々が、
安心して暮らせる環境を整えるためのもの。
良き通訳者を育てることは、
地元聴覚障害者協会の、大事な願い。
手話を学ぶ私たちも、地元のろうの方も、
試験を受ける人も、試験官となる人も、
心を込めて、行わなければならない大事な作業なのです。
こうした一つ一つのことは、
まさに 通訳現場ですぐに対応していかなければならないことばかり。
試験会場は、そのまま通訳現場のシュミレーションであり、
私たちは、常に、
聴こえない方々と手話を知らない一般の方々との間に立って、
それぞれの立場を理解しながら、
通訳活動を行っていくことが大切になってきます。
私自身、忙しく、
なかなか、思うようには地元貢献も行えない状況ですが、
せめて、こうしたことも、
広く一般の方に伝えていくことが、
必要なのではないかと思っています。
あなたの地元の様子は、いかがですか?
みんなで地元のこと、
大事に考えていきたいです。
手話通訳者とは、人と人とを結ぶ、
大切な心の通訳者であり、
メッセンジャーなのですね。
区の登録手話通訳者の試験が行われました。
人数は、50人くらいいたでしょうか?
みなさんが、区民センターに集まり、
午前から、ペーパーテストと手話の読み取りテスト。
午後から、聞き取りテストと面接が行われたりと、
大忙しの1日でした。
私の住まいの区の登録手話通訳者は、
4年に一度、更新が行われ、
その都度、必要なチェック(試験など)が実施されて、
通訳者の質が保たれるよう工夫されています。
私はというと、手話通訳士の資格を持っているので、
実技試験は、免除されていたのですが、
この4年間の研修出席日数が、
様々な仕事の都合で、不足していたため、
確認のための面接に呼び出されました。汗
このところ、全国的に広がってきている、
手話の試験の、面接方法、
これ、たぶん一般の方には、あまり知られていないので、
ちょっとご紹介しましょう。
東京の各区では、もう20年以上、
この方法が取り入れられているところが多いと思いますが、
それが、今、全国に広がりつつあります。
どういう方法かというと、
もっとも、重要なポイントは、
「試験会場自体が、本当の通訳の現場になっている」
ということです!
え? と、驚かれる方もいるかもしれません。
これは、またまた、わたくし南画伯の下手な絵です。
(ホント、ごめんなさい。汗&笑)
この絵のように、手前の後ろ姿が、試験を受ける人。
目の前には、聴者の試験官と、ろう者の試験官がいます。
面接では、聴者の試験官が、音声で
何か尋ねてくることもあります。
例えば、
「あなたの、手話経験は何年くらいですか?」
と音声で尋ねられたら、
その時、ろう者の試験官は、
それを、聞き取ることはできません。
受験者自身が、通訳者として、
「イマ、コチラノ方ガ、音声デ、
手話経験ハ、ドレクライデスカ? ト、
尋ネテ、イマス。」
と手話通訳します。
そのうえで、聴者・ろう者の試験官の両方が理解できるよう、
自分の答えを、音声と手話の両方で、
「わたしの手話経験は、〇年くらいです。(音声と手話付き)」
と答えることが必要です。
また、ろう者の試験官から、手話で、
「アナタガ、手話通訳ヲスルトキ、得意ナ分野ハ、何デスカ?」
と質問を受けたとしたら、
同様に、一緒にいる聴者の試験官が、
手話を理解できない状況なので、
「あなたの、手話通訳で、得意分野は何ですか?という質問です。」
と、音声で読み取り通訳をし、
次に、自分の答えを、同じように、
ろう者・聴者両方の試験官にわかるよう、
音声と手話で、
「私は、エンターテイメント系の舞台通訳が一番得意です。(音声と手話付き)」
と、答えます。
つまり、試験では、自分が受け答えする以上に、
『その場のコミュニケーションが円滑に行なわれているかどうかに、
目配りでき、必要な通訳ができるかどうか』が、
チェックポイントになってきます。
これ、一見簡単そうですが、
全てを違和感なく通訳しながら、
自分の回答も、その中で、行っていくというのは、
きちんと手話が理解でき、
それを伝える能力がなければ、できないことです。
また、能力があっても、初心者であればあるほど、
緊張して、手や声が、震えてしまったりもすると思います。
初めて手話通訳者として登録試験を受けるときは、
この面接の前に、
地元の福祉や手話通訳者の倫理に関するペーパーテスト、
ろう者の話す手話映像の内容を読み取って、それを書く試験。
また、音声で流れるテープに合わせて表現する、
聞き取りテストも、あります。
その締めくくりとなるのが、この面接試験であり、
このすべてに合格した人のみが、
晴れて地元の手話通訳者として、登録され、
今後、活動を行っていくわけです。汗
登録試験を受ける人にとって、これは、長い1日です。
また、それを準備する、試験官のみなさんにとっても、
年に一度の、真剣勝負の、大仕事と言えると思います。
こうしたことは、すべて、地元の聴こえない方々が、
安心して暮らせる環境を整えるためのもの。
良き通訳者を育てることは、
地元聴覚障害者協会の、大事な願い。
手話を学ぶ私たちも、地元のろうの方も、
試験を受ける人も、試験官となる人も、
心を込めて、行わなければならない大事な作業なのです。
こうした一つ一つのことは、
まさに 通訳現場ですぐに対応していかなければならないことばかり。
試験会場は、そのまま通訳現場のシュミレーションであり、
私たちは、常に、
聴こえない方々と手話を知らない一般の方々との間に立って、
それぞれの立場を理解しながら、
通訳活動を行っていくことが大切になってきます。
私自身、忙しく、
なかなか、思うようには地元貢献も行えない状況ですが、
せめて、こうしたことも、
広く一般の方に伝えていくことが、
必要なのではないかと思っています。
あなたの地元の様子は、いかがですか?
みんなで地元のこと、
大事に考えていきたいです。
手話通訳者とは、人と人とを結ぶ、
大切な心の通訳者であり、
メッセンジャーなのですね。