『音楽とリズムの手話パフォーマンス』ワークショップ御礼!!

17・18日の連休中開かれた
「全日本ろう者演劇会議」第18回ろう演劇セミナー にて、
分科会(Cコース)『音楽とリズムの手話パフォーマンス』を
担当させていただきました。

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(講師は、私南と、ろう者ダンサーの中島元美が担当いたしました。)

ご参加くださった皆さんから、たくさんの感動をいただき、
心から、感謝いたします。

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手話を見入る 皆さんの目が印象的な2日間でした。

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たくさんのディスカッションを重ねる中、
聴者とろう者の音楽への感じ方の違いも、浮き彫りに。

手話の歌といえば、一般に、
聞こえる人の中で歌われている歌に、手話を付けることだと、
思われている方も多いかと思います。
私たちは、最初に、まずその内容について、
取り上げました。

その中で、今回の課題曲を聞いた聴者の皆さんが、
ろう者に、説明を試みるシーンもありました。
ところが、
「今聞いた音楽を、ろうの皆さんにもお話してください。」
という課題に、
最初は、「楽しい音楽」「元気が出る」など、
単に自分の感想しか出てこず、
この言葉を聞いただけでは、
ろうの人には音楽のイメージが全く伝わりません。
おそらく、この文を読んでくださっているあなたにも、
これではどんな歌なのか、わからないと思います。

ろうの人たちは、
「リズムは?」「楽器は?」「歌詞は?あるの?ないの?」
と矢継ぎ早に聞いてきます。
そうです。
聞こえる私たちは、そんなことは、耳に入ることが当たり前なので、
そこを説明しなければならないのだとは、
まったく気づかないのです。

驚いたのは、
そのリズムの質問に、
聴者の皆さんが、「『普通の』リズムです。」
と、答えたこと!!汗&笑

ろうの皆さんは、
「え?普通のリズムって何?
リズムには、普通と、普通でないものがあるの?」
と、ざわつきます。

よーく尋ねてみたところ、
どうやら、聴者のみなさんにとっての『普通のリズム』とは、
「4拍子」のことだったようです。汗

そこでようやく、
この歌は、4拍子らしいということが全体で理解しあえました。笑
そのほか、ラッパやトロンボーンや、木琴や鉄琴や、
トライアングルや、大太鼓や小太鼓など様々な楽器もあり、
たくさんの音が元気良く、行進曲のように鳴らされ、
歌声も、男女大人から子供まで大勢で歌っていたことが判明!!笑

今、これを読んでくださっている皆さんも、
ようやく、当日のろう者同様、
なるほど、そんな音が聞こえていたのかと、
納得していただけたと思います。笑

これが、最初に聴者の皆さんが、
「楽しい」「元気がいい」といった歌の正体だったのです。

私たちは、自分たちの『普通』が、
相手にも『普通』だと、思ってしまいがちです。
それに気づかず話をしていると、
内容が、まったく通じていない!
ということも、たくさんあると、
改めて実感した2日間になりました。

手話の歌が、大嫌いなろうの方もたくさんおられます。
それは、わからないものはわからない!!からでもあります。
わからないものに、手話だけつけても、
それは、単に音楽など存在しない「手話だけ」を見ているのと同じです。
聴者の皆さんが、本当にろうの方々とともに、
その場の楽しさを共有できる手話の歌をやりたいと願うなら、
互いの違いを知り、しっかり学ぶことが、とても重要です。

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一方、ろうの皆さんが、そのコツを一発でつかみ、
自分たちの手話で楽しく、歌ってくださったのが、
手話ラップ!!

一定のリズムを、みんなで決め、それを手拍子で繰り返しながら、
思いつくまま、自分たちの気持ちを、
手話に乗せて歌います。
メロディーは一切必要ありません。

酔っぱらった日のことを歌う人、
仕事のグチを歌にした人、
遠くから来た今回の旅を歌う人、
人生の楽しさを歌う人、
今回のワークショップの出来事を歌う人、
趣味について楽しく歌いながら踊る人、
などなど・・・
それぞれが、あるがままの自分を歌い、
最終日の発表会では、会場全体も盛り上がりました。
自分の言葉で歌う歌。
みんなで一つのリズムを共有しながら歌う一体感。
そんなものも、感じあえ、
皆さん自身の手で、素晴らしいワークショップに、
していただけました。

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ろう演劇セミナーには、
九州や、岐阜、大阪など、
各地から、演劇を学びたい、触れ合いたいという方々が、
参加しておられ、
皆さんの熱いお気持ちをいっぱい浴びて帰ってきました。

他の分科会では、
手や体で、様々な情景やイメージを描き出す、
「サインマイム」、
子供の絵本を、
手話や、手で物の動きや形を表現する手法によって、
描き出していく、
「手話による絵本の読み聞かせ」
など、情緒豊かで、コミカルな内容のものもたくさん紹介され、
感動の連休となりました。

皆さん、本当にありがとうございました。
感謝。