「ある」はあるけど、「です」「ます」は微妙です!


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「ある」(C)Softbank「ゲームで学べる手話辞典(手話あいらんど)」

目の前を手で押さえるように表現し、
「ある」を意味する手話があります。
これは、物などが「ある」ことを示す表現ですが、
その対象物の場所によって、表現の位置が変わります。
「カバンの中にある」ときは、カバンにてのひらを当てるように。
「家にある」ときは、家の方向に手を差し向けて。
「心に(覚えが)ある」ときは、胸をポンとたたくように・・・
単に、目の前に手を置くだけでなく、
場合によってさまざまに位置を変えるこの手話、
ぜひ、あなたも使い方を覚えてくださいね。

ところで、この手話を、
「です」「ます」の代わりに使っている人が多いのをよく見かけます。
『私の名前は○○「です」』
『思い「ます」』
など、文末にこの手話を持ってくるのですが、
これ、一般のろう者のナチュラルな手話では、
ほとんど用いられません。
また、最近では、声を付けて話す音声対応手話でも、
こうした表現は、わかりにくいとして、
どんどん指導されなくなっているのをご存知でしょうか?

こうした時の、「です」「ます」は、
手話では、省略されるか、
場合によって、自分を指さすなどすることで、
意味を表わします。

「私・名前・○○・私。(私の名前は、○○です。)
「思う・私。(思います。)」
と主格を最後に示す手話表現でまとめたり、
「思います。」では、「思う」という手話だけで十分意味も伝わるので、
手話的には、「ます」という表現は、使わなくてもよいのです。
そこにわざわざ、「です」「ます」と前に手を置く表現することは、
最近では、ほとんどの指導者が、
おすすめをしていません。

時代の流れや、社会の理解が深まるにつれ、
手話も、ろう者のナチュラルな手話を、
学びたい、知ってもらいたいという人が増え、
勉強の仕方も、どんどん進化しています。

もし、今、
「です」「ます」の手話を、多用している人がいたら、
ぜひ、自分の手話を振り返ってみてください。
その単語を使わなくても、きちんと意味の通る表現が、
たくさんあります。

手話は、聞こえない方々と共に。
ぜひ、素敵なコミュニケーションの輪を広げましょう。
勉強の秋なので、
ちょっと、気づいた表現について、
お話してみました。
感謝。