手話あいらんどTVクロスカルチャー「聞こえない人の防災のお話」
手話あいらんどTVクロスカルチャー
今回は、聞こえない人の防災について、
ことぷきと南 瑠霞がお話しています。
ぜひ、一緒に考えてみましょう。
(簡単な内容)
手話あいらんどTVクロスカルチャー!!
ことぷきです。ろう者です。
南 瑠霞です。聞こえます。
よろしくお願いします。
全国各地で、地震などもいろいろ起きています。
少し前の東北の震災のほか、このところ、
九州や、中国地方の日本海側などでも、地震が起き、
現在も避難生活をしておられる方がいらっしゃいます。
そうした皆さんも、寒い冬を、
暖かくして、過ごしてほしいと思います。
聞こえない人にとっての、
防災について、ちょっとお話しましょう。
ことぷきは、ろう学校時代、
授業の始まりや終わりを知らせるランプがありましたが、
非常時、災害時には、
これが長時間光り続け、何かが起きたことが分かるようになっていました。
同時に、放送も流れ、先生がそれを通訳して、
指示してくれて、みんな防災頭巾をかぶり、
机の下などで安全姿勢をとったりするという訓練をしました。
ことぷきは、体が大きすぎて、いつも、
机からお尻がはみ出していました。笑
また、ろう学校にはトイレがあります。
何も気づかず、トイレに入っているとき、災害などが起きると、
扉の前に、緊急のためのお知らせカードがあって、
誰かが、用を足していることが分かると、
そのカードを、下の隙間から振って、
中にいる人に知らせたりするようになっていました。
ろう学校の各所にあるすべてのトイレに、
このカードが準備されていました。
学校では、2階3階の教室から、
救助袋という、チューブになった滑り台のようなもので、
すべって降りて、避難するというものもあり、
学校では、そういう訓練を、年に1度行っていました。
青森県のろう学校で、校庭も広く、
周りも田んぼや畑だったので、
グランドの真ん中に、油を用意して、実際に火を起こし、
消火器を握って、実際消火剤を使って、火を消すというような体験も、
一人ずつしたりしました。
東京に来て、
同様な体験も、会社でしました。
でも、東京では、
日の絵が描かれたパネルを使い、
水の出る消火器で、水を吹きかけ、
それを倒すという方法で、行われています。
周りには、多くのビルがあるので、
万一にも、燃え広がらないようそういう方法でやっているんですね。
また、会社の中には、聞こえない人ばかりでなく、
車いすの人などもいます。
火災などでは、エレベーターなども一切使えなくなるので、
みんなで、車いすを操作して、
一段ずつ階段を下りて避難していくという訓練なども行われています。
聞こえない人や、車いすなど、いろんな人がいますので、
その人の状況に合わせて、
避難の仕方にも、様々な工夫が必要です。
世田谷区では、公的避難所がいくつかあって、
震災時などには、手話通訳が優先的に設置される避難所が決まっています。
聞こえない人や手話を学ぶ人たちには、
あらかじめ、こうした情報も知らされています。
東京などでは、こうしたバンダナも、配布されています。
一方には「耳が聞こえません」、
もう一方には「手話ができます」
と書かれています。
こうしたバンダナを持っている人もたくさんいます。
避難した場所で、これを身に着けていたら、
いちいち説明しなくても、聞こえないことが分かり、
周りの誰かが、聞こえない人がいることに気づいてくれて、
メモなどでサポートしてくれたりという可能性が広がります。
また、被災地に援助に入った人が、
「手話できます」のバンダナを付けて、
ごみの片付けなどをしていたら、
「ああ、この人は、手話ができるんだ」と分かり、
必要な時には、声がかかるかもしれません。
ことぷきの地元、江戸川区では、聞こえない人たちは、
ビブスという、サッカー選手なども身に着けている、
小さい、ランニングのような布を、使っています。
これに、「耳が聞こえません。」と書かれていて、
それで周りに気づいてもらえます。
回りに助けてもらったり、
また自分たちもできることをサポートします。
こうしたものを、いろいろ用いたりして、
各地元によって、いろんな工夫が広がっています。
きこえない人の119番は、
各地元で登録制で行っているところも多いようです。
アプリなどもあって、
福祉課などで、書式をもらって、登録したりします。
前もって、こういうこともしておくと、
いざというとき、便利です。
以前は、聞こえない人は、
聞こえる人にいろんなことを頼んでばっかりということで
不便なこともたくさんありましたが、
だんだん、便利になってきました。
また、聞こえない人にとって、特に大事だといわれているのは、
住む町の「周りの方々とのコミュニケーション」です。
日頃から、きちんと自分たちの存在を知ってもらうことです。
自分たちからは、手話もみんなに教えてあげて、
情報交換や助け合ったりし、
周りの方とコミュニケーションを取っておくことが大切です。
たとえば、倒れた家の中に、誰かが閉じ込められても、
近所の人が、
「あの家に聞こえない人がいる」と知ってくれていれば、
声では呼べないと気づき、
救助方法などを工夫してくれるかもしれません。
周りの人たちとの、日ごろのコミュニケーションが、
とても大切なのです。
聞こえる、聞こえないとか、障害などに関係なく、
みんなで助けあって、安全に暮らしたいですね。
またお会いしましょう。
さようなら~~~~~~~~~~~~!!

提供 : 手話あいらんど手話教室
出演 : 南 瑠霞・ことぷき
構成 : 南 瑠霞
編集 : 蓮子 都