ナチュラルアプローチ~気づかない「メリット」


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先週の、神奈川県の短大のもみじです。
校舎の窓から見ると、ほとんど変化が感じられませんが、
少しずつ、春に向かって、新春に芽吹くはずの葉っぱが、
膨らんでいるようです。
春が楽しみですね。

10月から始まった、後期の手話の授業も、
だんだん終わりに近づいています。
先週は、
手話にまつわるさまざまな理論のまとめテストも行われました。
その中には、
後期に学んだ自己紹介の手話表現の読み取りテストもありました。
テストの内容自体は、満点に近い学生も、
それ以外の学生もいて、まちまちで、
たぶん、あまりテスト結果がかんばしくなかった!と
感じた学生もいたかもしれません。
でも!!!
私は、この「できなかったかもしれない?オーラ(笑)」を
かもし出している何人かの学生たちを見ながら、
すごく、大きなことに気づきました!!

私の授業は、この半年のすべての時間、声を使わず、
手話を見て、手話で話して、耳を使うことなく学ぶものでした。
その中で!!
「テストがイマイチだった!!」と思って、
ややがっかりした顔の学生たちも、
実は、そのテスト前に説明した私の手話を、すべてきちんと読み取り、
その指示に従って試験を受けていたのです!!驚&笑!!
でも、彼らは、それが読み取れたことに全く気付いておらず、
「テストの中身」が「できなかった」と落ち込んでいたのです。笑
これ、実は、素晴らしいことだと思いませんか?笑笑

テストは、もちろん、いろんな単語が出てきたり、
前に習ったことを忘れてしまったりすれば、できないものもあるし、
指文字の読み取りも、ちょっと長めだったり、
長音や、小さい文字や、濁点が付いたりすると、複雑な動きもあり、
ほんの数か月の授業では、
目がついてこなかったということもあるかもしれません。
理論についても、一般の学校の授業とは、まったく違う、
聞こえない人を取り巻く社会の状況について、
触れたものもありました。
でも、こうしたものは、資料を捨てずに取っておけば、また、
何かの時に、取り出して読み返すこともできます。

そんな中、テストの記入の仕方も含め、
時間前からの席の座り方、
学籍番号順の用紙の回収の仕方などは、
全部私が、声なしで、いつもと同じように話した手話の中から、
学生たちが読み取り、それに従って、
テストが、滞りなく終了したのです。
そして、この日の片付けが終わり、次週の説明をして、
「また、来週お会いしましょう」の手話のあいさつまで!!
テストだけでも大変なのに、その指示を手話ですべて理解し、
その通りに行動してくれた学生たちに拍手!!

彼ら、たぶん、その自分たちの身に着けたものの素晴らしさに、
気づいてないだろうな~!笑
テストの点数には表れない、彼らのコミュニケーション能力の成長に、
感動をもらった1日でした。
今週は、彼らをほめてあげないといけませんね。
みんな、自分に気づかないところで、成長してるんですよ。って!

「通じない」と思えば、そこに心の壁ができます。
でも、「読み取ろう」と思えば、実は、
理解ができることがたくさんある!!
それを、自然に見せてくれている学生たちの姿に、
勇気と励ましをもらっています。

心を開いて、つねに見つめていれば、
わからなかったはずのものも、いつの間にか理解できるようになっている!!
これが、
ナチュラルアプローチ(自然な会話の中からその言語のまま語学を学ぶ手法)の、
大きな魅力でありメリットなんですね。

さあ、残り少ない授業。
みんなで楽しく頑張りましょう!!!!!!!!!!!
感謝。