手話あいらんどTVクロスカルチャ―「ろう者高齢者施設のお話」
新年の手話あいらんどTVは、
手話パフォーマンスきいろぐみ新春手話ライブの会場から、
お届けしています!!!
今回は、ろう者の小山郁美ちゃんと、手話通訳士南 瑠霞のトークです!!
全国のろう者の高齢者事情についても、ちょっとお話しました。
(簡単な内容)
手話あいらんどTVクロスカルチャーー!!
今日は、渋谷の、
手話パフォーマンスきいろぐみのライブ会場からお届けしています!!
小山郁美です。ろう者です。
南 瑠霞です。聞こえます。
郁美ちゃんは、大きくなってから、耳が聞こえなくなりました。
小さいころは普通に聞こえていましたが、
二十歳になった時、右耳が聞こえなくなり、
その後、左耳が聞こえなくなりました。
右耳は、徐々に聴力が落ちていきましたが、
左耳は、突然聞こえなくなりました。
ある日突然バイクや車の音が、目の前で聞こえなくなり、
急に聞こえなくなったことにすぐに気づき、
病院に行き、点滴や治療をして、少し戻りましたが、
全快したわけではありません。
今は、補聴器を付けて、生活しています。
その後に、手話を覚えました。
聞こえなくなって、今までと違い、困ったことというと・・・
郁美ちゃんは、小さいころから、音楽が大好きでした。
5歳くらいからピアノを習い始め、10年習いました。
とても楽しかったです。
高校の時、部活で、吹奏楽部に入りました。
自分はサックスをしました。
ジャズというジャンルです。
とてもはまって、楽しく過ごし、
高校を卒業した後も、サックスを続けたいなと思い、
社会人のバンドに入り、週末は毎週練習していました。
その後、聞こえなくなったんです。
でも、バンドでは、みんなに合せなければいけない。
テンポや、音程もつかまなければならず、
聞こえないことでそれが難しくなって、あきらめてやめました。
その代わりに、手話を始めたんです!!
聞こえなくなって、すぐに手話を始めるのは、珍しいといわれますが、
私は、前から手話にも興味を持っていたこともあり、
聞こえなくなったとわかって、すぐに手話を勉強しました。
仕事では、いろいろコミュニケーションで、不便が出てきました。
郁美ちゃんは、高校を卒業してからずっと、
高齢者の介護の仕事をしています。
以前は聞こえていたので、今も、声で話すことは得意ですが、
そのせいで、話せるなら、電話ができるのではないか?
などと思われたりすることもあります。
でも、実際には聞こえないので、
聞き間違いなどがあっても困ります。
それを防ぐためにも、普段から、筆談をお願いしたりしています。
後ろから呼ばれても、わからなくなってしまいました。
前に回ってもらい、口などを見れば、何とかわかることもあります。
後ろから呼ばれて、返事をしないと、無視したと思われることも。
そして、去年職場を変わりました。
ろうのおじいちゃんおばあちゃんも利用している高齢者施設です。
ろうの高齢者の方とは、自分もコミュニケーションが取れます。
また、自分が入った時、職場の素晴らしいサポートに感激しました。
給湯室で食器などを洗っているとき、
後ろを人が通って、用事を言われても聞こえる人ならわかりますが、
聞こえない私には、気配もわかりません。
それで、聞こえない自分が入ったのをきっかけに、
洗い場の正面に大きな鏡が取り付けられ、
後ろの様子が、洗い物をしていてもわかるようにしてくれました。
もともと、ろう者の高齢者の方がおられる施設だったので、
職場では、手話勉強会もあり、
口話でも、きちんと、みんなマスクを外して話してくれたり、
筆談も積極的にしてくれます。
こうした、ろうのおじいちゃん、おばあちゃんが利用している、
高齢者施設は、全国にもいくつかあります。
郁美ちゃんの職場は、川崎市ですが、
これは、広島にろう者高齢者施設のある系列園、
このほか、こうしたろう者の高齢者施設は、
京都や、北海道など各地に、広がっています。
ろう者の高齢者が、聞こえる人の施設にいると、
一人ぼっちで、話し相手がなくなる場合もあります。
専門施設でスタッフに手話のできる人もいれば、
ろうの高齢者もうれしいし、
聞こえない人も、そこで介護者として働けます。
郁美ちゃんもそういう施設で働いているのですね。
今日は、今まで 私たちが知らなかったことも、
いろいろ教えてもらえました。
これからも頑張りましょう。
また 会いましょう!!
さようなら~~~~~~~~!!
【提供】
手話あいらんど 手話教室
【出演】
南 瑠霞(聴者)
小山郁美(ろう者)
【スタッフ】
構成:南 瑠霞
撮影:大石 リサ
編集:蓮子 都