「フランス語が話せるのは誰ですか?」


できるだけネイティブな手話を目指したい
と、最近では、多くの方が、
ろう者の日常のナチュラルな手話を、
いかに学ぶかに、注目しています。

昨日、とある市民センターのロビーで、
日本語を学んでいる海外の方がおられました。
その方の前には、
年配の日本人が、向かい合って座っておられます。
この外国人の方は、マンツーマンで、
日本語会話を教わっていたのです。

「昨日、私は、シャツを買いました。」
「ようこさんは、けいこさんに、会いに行きました。」
「あなたが花を見たのは、どこですか?」
「あなたは、いつ、公園に行きましたか?」
などなど・・・・
その方は、初級程度の日本語を、
一生懸命学んでおられました。

その中で、隣のテーブルにいた私の耳に、
その方の話す「フランス語が話せるのは誰ですか?」
という文が、入ってきました。
どうやら、疑問詞の使い方を、
確認しているようでした。

これは、何人かの人の中で、
フランス語の話せる人が誰なのかを、尋ねる文のようです。
でも、その時、私は、ちょっと気になりました。
「この文のつくりは正しいけど、
一体、どんな場面で使うんだろう???」

例えば、クイズでもやっていて、
「この中で、フランス語が話せる人は誰でしょう?」
というと、
ヨーロッパ系の人や、アフリカ系、アジア系など、
いろんな人がいる中、
突然、日本の武士のような格好をした人が出てきて、
ペラッペラのフランス語を話せば、
この文の使い方も生きてきて、
そりゃ、面白いし、すごいけど・・・笑
こんな場面は、日常では、あんまりないかも。
と思ったのです。
だだ、そうすると、この言い回し、
本来の日本語の使い方として、
ナチュラルかしら????

文法も間違ってないし、きちんと話していて、
非の打ちどころのないこの文が、
実は、使いどころの難しい言い回しになっている???

たぶんこれは、ナチュラルに考えると、
「誰か、フランス語の話せる方はいますか?」とか、
「フランス語の話せる方を、どなたか教えてください。」とか、
そんな風に言えば、
誰にでも、シチュエーションもわかるし、
日本語の自然な日常会話として、
成り立ちやすい文だったのだろうなあ・・・と、
思ったのです。
まあ、文法の確認だけだったのかもしれないので、
ここが、突っ込みどころだったのかどうかもわからないのですが・・

とにかく、日本語指導の時に使う例文も、
考えないと、
相手の方が、よりナチュラルな日本語を話せるようになる手助けに、
なりづらいものだな~。
と、驚きと発見がありました。

いや、話はここで終わりではありません。笑
これ!!
私たちは、手話を学ぶとき、
やらかしてないだろうか????
大汗

正しいけれど、ナチュラルでない言い回しは、
ろうの人から見ると、
「この人、聞こえる人ね。
すぐわかっちゃうよ~ん。」
と、ひそかにばれてるってことかもしれませんよね。
大汗!!汗!汗!!

手話を学ぶ聞こえる私たち、
そして、手話を後輩たちに伝えていくべき私たち、
ぜひ、
いっしょに考えましょう。
汗!汗!!

「フランス語が話せるのは誰ですか?」
この日本語、
あなたは、どう思いますか?
大汗!!


image/2017-05-12T093A323A04-1.JPG
東京は今、美しいバラの季節でもあります。