手話あいらんどTVクロスカルチャー「ミニミニ防災講座」
手話あいらんどTVクロスカルチャー。
今回は、世田谷区三軒茶屋地区で、
地域情報を配信するインターネットテレビ「近隣チャンネル」から、
防災についての情報に、南 瑠霞が、手話通訳を付けてお届けします。
(簡単な内容)
露木先生の、ミニミニ防災講座~!!
みなさんこんにちは。
地域活性化アイドル エンドレスの空音リクです。
よろしくお願いします。
本日は、講座の一回目、
日本大学の危機管理学部にお邪魔しています。
教授の露木先生にお話を伺います。
今回のテーマは、「ご近所の防災危機管理」
三軒茶屋下馬の皆さんに向けて、
防災のアドバイスをいただきます。
よろしくお願いします。
わたしは、教授になる前、
神奈川県の ミニミニな町の、町長をしていました。
神奈川県西部、小田原の近くの 豆粒のような町、
「開成町」の、町長を13年していました。
小さい町の防災を考えたことが、
大都市東京の防災に役立てないかと、研究しています。
「向こう三軒両隣」という言葉があります。
隣近所は、一つの仲間なんだよということで、
何かあった時には、
お互い、助け合っていこうというのが、防災の基本中の基本です。
ミニミニの、開成町の、
人口は、1万7千数百人。
東京の一つの自治会と同じくらいの規模です。
これも、向こう三軒両隣の小さな単位が、集まって町になっています。
その小さな単位が、しっかりしていれば、
いざというとき、助け合うことができます。
「自助」「共助」「公助」という言葉があります。
自らを助けるのが、自助。
共に助け合うのが、共助。
公(市町村、都道府県、国)の仕組みで助けるのが、公助。
と、三つの階層があります。
地震や洪水などがあった時、
最低限なんとか、生き延びて、隣近所で助け合い、
例えば、3日とか1週間単位を乗り切る。
こうしたことは、田舎の方では、できても、
都会のビルの谷間ではやりにくい。
そこに、最低の単位を、作っておけば、何とかなる。
道路や、下水などの寸断は、隣近所の単位では、
なかなか解決できないので、
国や、都道府県県がやるなど、
こうしたことも、役割分担が必要です。
私は、かつて、小さな町の町長を経験した立場で、
大都会に通ってきていますが、
この状況で、近所の関係は、大丈夫なのかと思ってしまいます。
隣にどなたがいるのかも、わからない状況。
損は状況では、
いざというとき、何をどこから手を付けたらいいのかわからない。
見ず知らずの人のところになんて、入っていけない。
この、小さな単位の仕組みの作り直すことが、
大東京では、緊急課題だと思っています。
互いが誰も知らないようなところに、救急隊などがかけつけても、
外部からの救援者は、地元のことはわからない。
「あそこに、救助を待っている人がいる」と、
誰かが、伝えられるかどうかが、人の生死を分けると思います。
各家庭では、家具が倒れないようにしようとか、
防災にもいろいろ工夫をしたり、
自分の家のことは、自分でやるわけですが、
その次の段階が、大都会では、
スカンと抜けているように感じます。
それが大東京です。
その次は、もう、世田谷区・東京都・政府となっていくと、
ネットワークの落差が大きすぎます。
間をつなぐ仕掛けを作っていくことを、考えてもらいたい。
1995年、阪神淡路大震災の時、
自治会単位で、救助に大きな差が出たと言われています。
隣近所のお付き合いがしっかりしている自治会は、
助かる率が高かったんです。
どこに誰がいるかが、地域のみんなでわかっていたからです。
当たり前だと思うかもしれませんが、
それが、難しいんです。
でも、これが、基本中の基本です。
こうしたことを、阪神淡路大震災が、教えてくれているのに、
20年たった今も、それは、難しい。
そうした反省点を、東京の震災時などにも生かしていきたい。
いつ首都直下型地震が来るかもしれない。
それは、今かもしれない。
その時にパニックになると非常に危険です。
パニックにならないためには、
仲間がいて、「大丈夫だよ」と言い合えたりすることが、大切です。
それだけでも、大きな防災になります。
大きな単位・組織での防災も大切ですが、
小さな単位の地域の防災を、小さな町に学んで、
向こう三軒両隣というものを作り直していくことが、
大きな課題です。
東京では、一人暮らしの方も多いですし、
近所を知らなければ、
「あそこにだれだれがいる。助けいければ危ない。」というひと声が、
かけられなくなる。
小さな町の町長の経験から見ると、
こうしたことが、一番のアドバイスだと考えています。
私たちは、地域活性化アイドルとして、
商店街のイベントや、地域のお祭りに、参加をしていて、
地域を盛り上げようという活動をしています。
その活動の中で、
地域のお客様たちとのつながりを感じることも多くあります。
こういう絆、つながりを役立てたいです。
いかがでしょうか?
お祭りは、絆づくり。
久しぶりに、誰かに会ったりすることもある。
お祭りに集まることで、あそこにだれだれがいたと思いだす。
それが、いざというときの助け合いに直結すると思います。
地域活性化アイドル、エンドレスが、
楽しい話題として、参加している延長線上には、
いざというときは、助け合おうよという
メッセージが込められているということも意識して、
やってもらえるといいですね。
小さいお子さんが、出てくると、
おじいちゃんおばあちゃんも出てくるということで、
そういう単位て、祭りに参加すれば、
あそこは、こういう家庭なんだなと、周りに見える。
それだけでも、防災につながります。
リーダーが、お祭りの背景には、
そういう意味もあると、知らなければいけない。
参加する人に、「防災だよ。防災だよ。」と繰り返せば、
みんなが楽しくなくなります。
でも、リーダーは、ちゃんとそういう面も意識するといい。
いざというとき、最前線に立って指揮をしなければいけない人たちは、
楽しいお祭りの中にも、頭の半分では、
「いざというときは、みんなのつながりを役に立てていくんだ。」
と言う意識を持つことは、大切ですね。
今、私たちは、地域の情報を発信する「近隣チャンネル」というものにも、
参加をしています。
地域のいろんなイベントの様子や、
防災の様子など、地域の幅広い情報を、
インターネット上で配信しています。
都会だとなかなか「自治会の取り組みに出なさい。」と言っても難しい面があります。
近隣チャンネルなどの情報の発信を見てもらって、
関心を持ってもらって、入って行ってもらって、
いいなと思ったら、積極的に、出てきてもらうというのを、
働きかけていく。
そして、最後は一人一人が、お互い助け合うことが大切です。
それは、どこでも同じですね。
いい取り組みだと思います。
露木先生のミニミニ防災講座、
いかがでしたでしょうか?
次回もいろいろお話をお伺いしたいと思います。
今後ともよろしくお願いします。
ありがとうございました。

提供 : 手話あいらんど手話教室
