「裁判」手話が伝える日本の歴史!!


最近では、一般の方が、
裁判員に選ばれる機会も増え、
裁判や判決が、ますます身近なものとなってきました。
聞こえない方も選ばれて、
裁判員となることも、あるようです。

裁判.jpg

「裁判」という手話は、
両手の親指を立てて山なりに動かし、
下にポンと置くように表現します。

初めてこの手話を見た時、
私は、”きっとこれは裁判所の門でも表わしているのだろう”
と思っていました。
ところがこの手話には、驚くような由来がありました。
私にこの手話を教えてくれたろうの先生によると、
これは、昔のお奉行様が着ていた、
男性の着物の裃(かみしも)の、
胸元の部分をイメージした手話なのだそうです。

裃.png
(裃(かみしも)って、こんな感じ。)

そして、この裃を付けて活躍した、
かつての有名人と言えば!!
大岡越前!!
そうなんです。
実は「裁判」という手話の語源となっているのは、
江戸時代の町奉行(今でいうと裁判官みたいな人)
大岡越前だったのです。
大岡越前と言えば、テレビや映画でもよく見るように、
心に残るお裁きで、おなじみですが、
それが、現在の「裁判」という手話になって、残っているというわけです。
それで、日本の手話の「裁判」は、
江戸時代の裃を表わす表現となっているんですね。

ちなみに、手話では、
「大岡越前」ご本人の名前も、この「裁判」で表現。
そのほか、大岡越前ゆかりの地、神奈川県の「茅ヶ崎」も!!
同じ手話で表現します。
何百年という時を超えて、手話に残った「裁判」「茅ヶ崎」。
なんか、すごいと思いませんか?

かつての、熱き思いを持った優しきお奉行様、
大岡越前が語源となった「裁判」。
私たちも、もし裁判員に選ばれたら、
そんな古くからの歴史にも思いをはせながら、
情熱的に裁判に参加したいですね。