大杉漣さん 本当にありがとうございました


大杉漣さんに最初にお会いしたのは、
「新・星の金貨」の時でした。
主役の星野真里ちゃんを虐待する父親の役で、
大杉さんは、とても怖い感じがして、
私も全くの新人で、近寄れませんでした。

21日、大杉さんが、亡くなったと知らせが流れました。

最後にお会いしたのは、
大ヒットした映画「シン・ゴジラ」の撮影の時でした。
現場では、待ち時間にとても和やかに話され、
近くにいた、手話指導チームの私たちに、
突然、ボーリングのポーズで、球を投げるしぐさをしました。
私たちが、ハハハ・・と笑うと、
急にダメだしされました!!
え????なになに??・・と思っていると、
「ダメだよ。球を投げられたら、
ちゃんとみんなで倒れないと!!ハハハ!!!」と、
おっしゃったのです。笑笑
わあ、この方、関西ノリでとても楽しくて優しい!!
そう思った現場の風景が、
今でもすぐそこにパッとよみがえります。

現場ではごく普通に、メイクの方にも衣装の方にも、
一緒にいる手話指導の私たちにも、優しく接してくださり、
映像作品から見える強面(こわもて)の鬼気迫る雰囲気とは違う、
計り知れない暖かさのある方でした。

NHK紅白ゴジラ襲来の撮影で、すれ違った時は、時間がなく、
演技に集中されていた大杉さんは、いつもの怖い顔をされていました。笑
今度お会いしたら、
ボウリングで楽しく倒れないと!!
そう思っていた、大杉さんがなくなり、
とてもとても寂しく、
もう現場に行ってもお会いできないのだと思いながら、
テレビから報道される、
大杉さんのたくさんの映像を拝見しています。

大杉さんに、心を込めて、手話の単語をお贈りします。


ボウリング.JPG
「ボウリング」(C)手話あいらんど
アンダーハンドで、ボウリングの球を投げる動きをし、
そのあと10本の指が向こう側に倒れる様子を表現。


大杉さん、次にお会いしたら、必ずこの手話をお伝えします。
一緒に、倒れたいです。
本当に、素敵な時間をありがとうございました。