手話の読み取り通訳の際の日本語


9月に「日本手話 読み取りマスター講座」を開かせてもらって、
ものすごーく気づいたことがあります。

それは、手話通訳を目指す多くの皆さんが、
手話を読み取るとき、
ほぼ「ですます」調で日本語文を作っており、
他の読み方をして見てください。
と、提案しても、
それ以外の方法のできない方が多かったことです。汗

一方、教材に使わせてもらった ろうの方の手話トークは、
お一人お一人、テンポや感情の入れ方も違います。
楽しく気軽に話している方、
比較的丁寧に話している方、
内容も、理屈っぽいものや、
自分と子供達との体験談をナチュラルに話している人など様々。

これに対して、ほぼ全ての人が、
内容は、間違ってはいないものの、
丁寧なですます調で読み取るという
「真面目」ぶりが、大変気になりました。

読み取り通訳で、私たちが目指す日本語とは、
どういったものなのでしょうか?

本来、手話の読み取りとは、
最終的に、見ている人には、
あたかも本人が音声で話したかのような錯覚を与え、
読み取り通訳がいたのに気づかなかった!
と思わせることが、目標だと、私は考えます。
私たちが、伝えたいのは、私たちの通訳の声ではなく!
ろう者ご本人の語る話であり内容のはずです。
となれば、手話の読み取りとは、
内容が間違っていなければ、正しければ、
それで良いというものではなく、
さらにご本人の語調・口調を反映させた日本語が理想のように思います。

楽しい話を、真面目に読んだり、
滑らかな手話の語りを、ぎこちなく読み取れば、
それを聞いている人は、ろうの人がそのように話しているのだと、
誤解してしまいます。
そこをなんとか、ご本人の人柄や口調がナチュラルに伝わるように読み取ってこそ
理想に近づくというものです。

(え?そんなことまで?と
慌てなくても良いのですが(笑)
それができるできないに関わらず、ヘタでも、とにかく!(汗&笑)
その方向性で学び、実践できるように心がけることが、
学習者としてのあるべき姿かもしれません。笑)

そう考えれば、手話の読み取りの学習とは、
正しければそれで卒業ではないのだということが見えて来ます。

手話で話すろうの方には、感情もあり、
楽しくてポンポン話すときも、
迷いながらゆっくり話すときも、あるはず。

にも関わらず、私たちは、なぜ、
全ての手話を、一本調子で、ですます調で、
読み取ってしまうのだろう???

熱く語った手話には、熱い日本語、
興味なさそうに話す手話には、興味のなさそうな語調、
それぞれに必要な言葉遣いや、
音声のトーンも、実はあるはずなのに!!!大汗

私たちも、様々な学習を進める中で、
少なくとも、丁寧な日本語と、フランクな口調、
その2つくらいは、読み分けてもいいのではないかな??
これが、前回の学習の大いなる反省でした。

では、なぜ、私たちは、もっと柔軟な読み取りができないのか?
どうすれば、そんなよみとりができるのか?

ぜひ、それを一緒に学び合うために、
10月も、「日本手話読み取り完全マスター」講座を企画しました。

手話通訳者・士を、目指すみなさん、
あなたの読み取った日本語が、
まさに、手話で話す、ろう者ご本人の人柄・言葉を表します。
その場にふさわしい日本語で、手話が読み取れていますか?

一緒に、手話の読み取を学びましょう!!

DFFDD80E-3768-4F71-AE0A-65EECA7FA142.jpeg
【すぐに役立つ!!日本手話 読み取り 完全マスター講座!!】
http://minamiruruka.seesaa.net/article/461778183.html

とき : 2018年10月14日(日)
場所 : 世田谷区近辺(お申込みくださった方に、お知らせいたします。)
講師 : 南 瑠霞(手話通訳士)
ドラマ「オレンジデイズ」・ハリウッド映画「バベル」
上地雄輔・ももクロ佐々木彩夏 など手話指導
NHK LIFE 宇宙人総理手話通訳士
NHK紅白2016ゴジラ渋谷襲来官房長官手話通訳士 など出演
SoftBankアプリ「ゲームで学べる手話辞典」監修 ほか
料金 : 14,500円+消費税
※ お申し込みなど、詳細はこちら!
http://minamiruruka.seesaa.net/article/461778183.html