これからの私にできること!!
最近、ちょっと大人になった自分を感じて、
自分にできることは何かと、
考えるようになりました。
手話歴の浅い頃は、
同年代や、手話経験が同じくらいの人たちと、
あーだこーだと意見を戦わせ、
いろんなことにチャレンジしてきましたが、
だんだん私も先輩になり、逆に後輩が増えてきました。
かけるべき言葉も変わり、
「うりゃー、何やっとんじゃーー!!」という物言いも、
同輩ならば、互いが燃え立つところが、
後輩には恐れられるばかり。笑笑
といっても、手話パフォーマンスの演出の現場では、
もちろん、これは必要なことで、
勢いあっての舞台では、
元気にみんなでやりたいことをやらせてもらっております。笑笑
しかしながら、ちょっと思うところがあって、
この秋から、手話通訳士を目指す方向けの、
「日本手話の読み取りだけに特化した1日講座」にチャレンジしてみて、
とても、思ったことがあります。
それは、全国各地の手話の先輩方は、
自分だって完璧じゃないと感じているし、
指導者が欲しくて寂しい思いをしているのに、
自分に何かを教えてくれる人は減り、
先輩になった自分は、後輩を指導しなければならなくなり、
叱ってくれたり、褒めてくれたりする人がいない!!
ということです。
地域で頑張る通訳者や、
手話サークルの運営に携わる、いわゆる経験者は、
地域で、一生懸命指導活動や、
学習場所を確保したり、
聞こえない人と、聞こえる新人の仲を取り持ったりと、
コツコツ頑張っているのに、
褒める人がいない!!
会場の確保、案外、面倒です。まめな人でないとできません。
最初に、借りた部屋の鍵を開ける人、
責任持って、誰もいない会場に1番にいかなければいけません。
みんなで何かやるとき誰か休んだら、
だれかが代わりに決まったことを連絡してくれています。
みんなで学習するためには、
だれかが、教材を準備してくれています。
手話の勉強、先輩が、何度も何度も、
みんなに繰り返し、同じことを指導してくれています。
いつも同じところでつまづいても、先輩は怒りません。
また来週も会いたいと思うから、
聞こえない人の言葉を伝えたいと思うから、
ニコニコ優しくしてくれます。
新人が、ちょっとできたら、先輩はすごく褒めてくれます。
聞こえない人も喜んでくれるからです。
ずーっと勉強会に来なくて、久しぶりに来た人にも、
先輩は「久しぶりですねー。元気でしたか?」と声をかけてくれます。
その先輩は、その人が休んでいた半年間、
毎週、そこで指導活動をしているのです。
当たり前のことですが、
経験者のしていることは、新人には思いつかないこともあり、
経験者ならではの勘所があります。
あの先輩は素敵だなと思っても、
どんな細やかなことをしてくれているかは気づかないのも自然です。
だれかに指導が下手だと言われても、先輩は、
また、次の週もニコニコ笑って、手話をだれかに教えています。
聞こえない人と友達になりたいと願う後輩のために。
自分も、そんな出会いを大事にしているから。
そして、聞こえない人の言葉「手話」が、
とても大事だと思っているから。
さて、それで!!
その先輩は、新人の皆さんと比べて、
相当に!!だれかに褒めてもらえるチャンスは少ないと思います。
もちろん、先輩方はそれでも、人が育って成長するのを見て、
それが何より嬉しいと思っていれば、
褒めて欲しいとも思っていないかもしれません。
だけど、だけど、
私は、思いました。
私が、ずっとはじめの頃、私が手話をする姿を見て、
すごく喜んで褒めてくれた、ろうのおじいちゃんおばあちゃんがいます。
先週より今週また上手くなると、
おじいちゃんおばあちゃんが、またまた喜んで、
通訳して、通訳して!!と言ってくれました。
そのうち、私が毎週 学習会に姿を現わすとわかると、
毎回毎回、私が来るのを楽しみにして、
顔を見ると手を振って、こんばんは、こんばんはと言って、
喜んでくれました。
私は最近、そのおじいちゃんおばあちゃんたちのことをよく思い出します。
その方達は、もういまは人生を卒業して、ここにはいませんが、
あの方々は、いまの私を見たら、褒めてくれるだろうか?
手話の先輩になると、新人が、楽しそうに学んでいるかとか、
また、来週もきてくれるかなとか、
ちゃんとろうの人と話せるようになったかなとか、
そんなことが気になって、
自分が頑張るのは当たり前になって、
それほどでもないような気がしてきます。
でも、人に教えられるだけのそれなりの技術や思いは、
一朝一夕に身につけたものではありません。
そんな自分が、それほどでもないと思う謙虚な気持ちは大事ですが、
だんだん疲れて、
自分の行動に意味があるのかと疑問を持ち始めることもあるでしょう。
でも、そんな私を見て、
あの時のおじいちゃんおばあちゃんは、なんていうかなと思うのです。
私が、そんなおじいちゃんおばあちゃんに言って欲しいのは、
やはり、新人の頃と変わらず、
「えらいね。」「頑張ってる、頑張ってる。」
「たくさん新人を育ててくれて、本当に嬉しい。」
「人に理解されないこともある。でもいいんだよ。私たちは知ってる。
あなたが一生懸命やっていることを。」
そんな言葉だったりします。
私は、それほど、あの頃、ろうのおじいちゃんとおばあちゃんに、
褒めてもらえたということかもしれませんが、
私はやはり、いまでも、あの方々に、褒めてもらいたいのです。
それが嬉しくて、嬉しくて、また来週も、その次も、
みんながいる手話の学習会に会いに行ったのですから。
私は、この秋思いました。
私は、これからは、手話の先輩たちを、褒めて励ます活動をしよう!!
それは未だ私の本物の先輩である活動の重鎮であっても、それでも、
そんな素晴らしい方々の力も、いまの私にならその意味がわかります。
尊敬していると伝えることもまた、私の熱です。
また、各地で、先輩となってしまい(笑)、
自分には、無理なんじゃないかと思いながら、
頑張っている後輩持ちの方々。
サークルで、図らずも、運営委員になってしまい、
戸惑いながら頑張っている人。
あなたにならできると、指導者に抜擢された人。
通訳の現場で、後輩を指導している人。
そんなたくさんの、先輩たち、
そんな人たちに、私は、エールを送ります。
先輩は、頑張っている!!
私の心のそばにいる、ろうのおじいちゃんとおばあちゃんの代わりに、
私が、通訳して伝えます。笑
しんどい時もある、辛い時もある、
それでも、手話を続けていることには、先輩の思いがある。
それを、誰が褒めなくても、
ろうのおじいちゃんおばあちゃんは、知っている。
私たちは、過去から、ちゃんと支えられている。
それを、先輩となった皆さんと実感しながら、
一緒に、後輩を育てていこうと思います。
あのろうのおじいちゃんおばあちゃんが、そうしてくれたように、
私はまず、先輩のあなたを褒めます。
偉いよ。頑張ってる。
お疲れ様。ありがとう。
一緒に、未来を作りましょう。
手話を始めたばかりのあなたに、
あなたがひかない程度に(笑)
ちょっと、ご紹介します。
先輩方は、頑張っています。
ありがとうございます。
(いま世田谷で咲いている花です。
たくさん元気に咲いているので、秋の花なんでしょうかね。)