忘れていませんか?「伝え合いたい」と願う「心」


image/2018-11-13T113A343A31-3.jpg
先週の、神奈川県の短大のもみじです。

学生たちは、今、趣味を伝える手話を、
勉強中です。

私たちは、手話の単語をだんだん覚えていくと、
それが絶対手段のような気がして、
なぜだか、その単語が思い浮かばないと、
体が硬直して、
「あー、わからない。
手話ができないから、話せない〜!」と思い込んでしまったりします。汗&笑

確か、手話を習い始めた時、
「手話は伝える心が大切。
身振りでも、文字でも、いろんな方法で、まずは相手と話して見てください。」
と習ったはずなのに、
私たちは、すべて忘れてしまうのです。笑笑

ところで、趣味などの会話こそ、
身振りや動きで話すことは、より説明しやすくもあり、通じやすくもあり、
とても、楽しいものでもあります。

授業でも、手話経験のほとんどない学生たちに、色々考えてもらい、
まずは、身振りで話してもらうと!

「音楽を聴く」の「聴く」は、
みんなが、「音」「ものが聞こえてくる」という手話ではなく、
手をヘッドホンのようにして耳に当て、首を降るのです。
手話を学んで、しばらく経つと、
「音楽を聴く」は、「音楽」プラス「聴く」という単語を表現してしまいがちですし、
首なんて誰も降らなくなってしまいます。
でも確かに、学生たちの「趣味」は、「ヘッドホンで聴く」ことであり、
口が「聴く」と言っていても、
手の「ヘッドホン」は、必須!!
そして、音楽に乗って、首を振ったり、体を揺らしたりするところまでが、
その意味の中に含まれています!!

私たちは、情景を浮かべれば、すぐにできることを、
むしろ「手話」の単語にとらわれて、忘れてしまうのです。残念!!笑

このほかにも、学生たちは、もちろん、
スポーツや楽器は、そのまま表現してくれます!
ベースが趣味だという学生は、当然ですが、
弦をじゃかじゃかギターのように弾くことはなく、
1〜2本の指で、弦を弾いて表現します。
だって、自分の趣味のベースの弾き方だから、
「弾くっていう手話はどうやるんだろう」などと考えず、
そのまま動きを表現してくれるからです。

よーく考えてみてもらえば、
「読書」という手話さえ、
「本を開いて〜」「目でみる。次の行も!」
「私だったら、縦に読む。」
「雑誌は、横だ!!」
と、ちゃーんと相手にしっかり、そのまま伝わる表現が、
次々飛び出します。

これらは、頭が柔らかくなければできない作業でもあるとともに、
実は、だれでも、こういう能力があるということでもあります。

みんなで、ひとしきり身振りをたくさん使って話した後は、
じゃあ、手話単語だったら、こういう表し方もあるよ。
と伝えれば、みんなもなるほど! とますます興味を持ってくれます。
なんだか、手話の授業は、楽しいですね。
ちなみにですが、この授業も、もちろん、音声は使わず進行しています!!(・▽・)

そんなわけで、
なんだか、手話を学んでいても、思うように手が動かないな〜、
なんか、なかなか上手くならないんだよなーと思っているあなた!
もしかして、初心を忘れていませんか?
「身振りでもいいから楽しく話す」
「伝える心」を大事にする。
そこにたちかえれば、私たちのコミュニケーションの可能性は、はるかに広がります。

伝え合う喜びを感じ会いながら、
楽しく手話で話したいですね。

image/2018-11-13T113A343A31-1.jpg

image/2018-11-13T113A343A31-2.jpg
学校周辺には、たくさんのコスモスが咲き、
桜の葉の落ち葉も、美しい季節になりました。