電話リレーサービス
先日、地方のろうの方から、電話リレーサービスで、事務所に電話をいただきました。
デスクで電話に出たスタッフの人が「あの・・南さん、◯◯県のろうの方からだということで、電話リレーサービス?? なんか、電話が・・・」
と言って、電話を回してくれました。
出てみると!!なんと!!!なんとなんと!!!本物の電話リレーサービスの!通訳のお姉さんの声!!どうやら本当に、電話の向こうのろうの方とつながって、手話通訳を介して話しておられるではないですか!!
その声は、まるでご本人が話しているかのように「へえ〜〜〜〜!!そうですか、それは驚きました」「うーん、なるほど〜!それは難しいですねぇ。」と、表情が見えるような声色で!! もちろん、多少、海外の衛星中継のテレビのような時間差はあるものの、リアルなコミュニケーションが、伝わってきました。
これが、電話リレーサービスかぁ!!と、聞こえる立場で通訳を受け、ちょっと感動のひと時でした。
合わせて、うまい通訳の方だと、ここまできちんと伝えてくださるのだと実感。聞き取り手話表現はもちろんのこと、聞こえるこちらにしたら、ろうの方の話を、内容の正しさ以上に声色の中から感情などもリアルに伝わる話し方で聞かせてもらい、それを実現するには、まさに「読み取り通訳」が重要だ!ということも、肌で感じました。
電話リレーサービスを受けた一般の聴者の方であれば、この存在を知らない方がおられることも想定しているのでしょう。通訳の方は、最初にとても一生懸命「こちら、電話リレーサービスと申しまして、聞こえない方の手話を画面で受けて、それを中継して手話通訳させていただいています。」と、サービスの説明から話をスタート。
通訳の内容以前に、どういう状況で通訳が行われているかを、相手の方に理解していただくところから、サービス業務が始まるのだと、改めてその手順を思いました。
今回この説明は、うちのスタッフの人が電話をとってくれたとき、そして、私に電話を変わったときの2回、繰り返されたことになります。汗
このていねいな作業自体、聞こえない人にとっても、また、リレーサービスを担当する通訳者にとっても、努力と根気が必要な部分なのだと、改めて感じました。



先日、羽田空港にも電話リレーサービスの一環として、手話フォンという聞こえない人向け電話サービスが設置されているのを見つけました。
手話がより多くの人にとって身近なものになり、聞こえない人と聞こえる人が、同時に通じ合えるサービスが増えることは、嬉しいことですね。
令和の時代には、こうしたコミュニケーションサポート事業も、さらに広がるのだろうと期待します。
ここからますます求められる、様々な場面での良質な手話通訳。皆さん、一緒にしっかり勉強しましょう。
※ 関連記事
「手話の電話リレーサービス」と「遠隔手話通訳」の違い
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