南 瑠霞バースデー手話ライブ!!通訳のみなさん、ありがとうございました!!

先日は、南 瑠霞のバースデー手話ライブを皆さんで応援していただき、本当にありがとうございました。
今回は、手話ライブに加え、英語と日本語のトークショーも組み込まれていたため、皆さんも、たくさんの通訳をご覧になったことと思います。
これだけの通訳を本州最南端 串本町田並で実現できたことは、すごかったな〜と、思っています。皆さんの協力に心から感謝です。
今日は、この通訳について、ちょっと見て行きましょう。

上の写真は、当日終盤のシーンでの全体の配置になります。
遠目ですが、左から、串本町木曜島遺族会の尾鼻悟さん、英語の通訳を担ってくれた私のいとこ色部一哉さん、オーストラリアから来た私のはとこローナ村上と、旦那様のダラス・ゴールド氏、ピンクの服で立っているのが私南 瑠霞、そして右端が、地元手話通訳の丸山秀和さん。
全体は、だいたいこんな配置で、進行されました。これをもとに、今回の通訳について、振り返ってみましょう。

これは、皆さんが見慣れた手話通訳シーン。声で話す私の横で、通訳者が聞き取り通訳をして、手話で会場の聞こえない人に情報を伝えてくれています。
この状況はわかりやすいですね。
さてこのあと、通訳は複雑になってきます。

太地町教育委員会学芸員 櫻井敬人さんが、移民の歴史を語ってくださっているシーンです。日本語で会場の皆さんに語りかけています。この時、英語担当の色部氏は、テレビでもよく見る外国の方向けの通訳を本人の近くで小声で行なっています。日本語を聴きながら英語への音声同時通訳(または、英語を聞きながら、日本語への同時通訳)は、かなり難しいのですが、状況を伝えるため、頑張ってくださいました。日本語ベースのトークが、ローナたちにも伝わったことと思います。
この時同時に、櫻井氏の話は、手話でも会場の聞こえない方に伝えられて行きました。
移民の歴史は、英語であっても手話であっても、日常会話や一般の通訳シーンではあまり扱わない内容です。皆さんそれぞれ、事前確認を行い、時代背景や日頃聞かない単語などを、それぞれの言語に照らし合わせながら、通訳をしてくださいました。ありがとうございます。

上の写真は、色部氏が、聞き取った日本語を英語に変え、改めてローナたちに伝えているシーンです。
この時手前の手話通訳者は、話された日本語をすでに手話通訳し終え、待機状態です。おそらく聞こえない方々には「今、英語の通訳中です。」と、伝えられていたはずです。そうしなければ、聞こえない方々は、人が話しているのに、今なぜ手話の通訳がされていないのか わからなくなってしまいます。そうした解説や配慮も手話通訳では大切になってきますね。

尾鼻さんが、ローナにもお客さんにも、地元串本町の移民のいきさつについて簡単な歴史を話してくださっているシーンです。
日本語で話されたコメントは、まず同時に手話で聞き取り通訳が行われて聞こえない方々に伝えられ、英語はそのあと、句切れのいいところで止めていただき、話をまとめてからマイクも使ってローナたちに伝えられました。
手話での同時通訳は、音声を聞いて手で表出するので、耳で聞く言葉が交錯したりすることがありません。音声言語は、声で話して 耳で聞く。手話は、目で見て 手で話す。これらは、言語の使用モードが違うので、音声同士より同時通訳しやすいと言われています。

ローナの話した英語のコメントも、色部氏が、日本語に変えて通訳。会場の皆さんに届けられました。
ローナがなぜ日本にきたのか、串本の町に来てどのような感想を持ったかなど、思いがたくさん伝えられました。
史実やデータではなく、本人の心情の溢れた話でしたので、これも本人の意を組みながら日本語に変える作業は、大変だったっと思います。

これは、ダラスが、舞台側から私たちをとってくれていた写真。
私が日本語で進行するお話が、通訳者によって手話で伝えられ、それを真剣に見てくださっている聞こえない皆さんの表情が捉えられていました。
手話通訳は、丸山さんのほか、森玲子さん、西岡俊次さんの、3人でおよそ15分交代で行われました。地元の熱い皆さんの協力に、心から感謝いたします。

色部氏は、トークショー終了後、メディアの取材でも、日本語と英語の通訳をしてくれました。この通訳によって、各番組や新聞記事が構成されていることを考えると、多くの方の情報の輪をつなぐため、いかに通訳が重要かがわかります。忙しい中、東京から足を運び、トークショーに参加してくれた色部一也さんにも、心から感謝したいと思います。
さあ、こうして日本語・英語・手話の3言語をつないでくださった 通訳者の皆さんの活躍、少しのぞいていただけましたでしょうか?
ステージの様子、私たちの思いを、多くの人につなげてくださった通訳の皆さんに、本当にお疲れ様と、感謝の意をお伝えしたいと思います。ありがとうございました。

(田並公民館の前に咲いていた、赤いハイビスカス。移民の町らしい南国のイメージが伝わってくるかわいい花です。)
ローナファミリーが、自分のルーツをたどって、串本町田並へ来てくれたことと、ちょうど私のバースデー手話ライブの企画を練っていたことが重なって、今回の、和歌山県串本町田並での ライブ&トークショーが実現しました。それを一緒に作ろうとご協力くださった皆さん。よっしゃ、それなら見に行ってやろうと思ってくださった皆さん。
全ての方の力で、今回のイベントを成し遂げることができました。本当にありがとうございました。