田並劇場
和歌山県串本町。本州最南端の町です。
田並という地区に、おしゃれな「田並劇場」という、文化施設があります。
人口およそ600人の谷の駅前で、毎日、懐かしい映画の上映や、造形教室など、様々なイベントを開催しているカフェ併設の木造りのホールです。
ここを私は、勝手にライブハウス!と呼んでいます。笑
飲み物や軽食があり、舞台を見ながら皆さんが楽しんで、イベントに参加できる劇場です。

先日、ここで、〜 「田並から海を越えて!オーストラリアと異文化の風」南 瑠霞バースデー手話ライブ & ローナ村上トークショー 〜 を、開催させていただきました。
この谷にルーツを持つ オーストラリアの親族ローナ村上が来日するのをきっかけに、私の手話ライブと一緒に、この谷で!イベントをさせてもらいたいと考え、地元のおしゃれでかわいい「ライブハウス」に相談を持ちかけたのです。
ローナの話す英語も、私の話す手話も、異文化・異言語。田並は、古くから海外に移民を送り出し、異文化に飛び込み、また異文化を受け入れてきた心豊かな町だったのです。みんなで、異文化交流したいと考えた私のプロデュース企画でした。
相談すると、田並劇場は、すでに入っていたイベントを調整してまでOKしてくれました。主旨に賛同して、共同主催を申し出てくださったのです。
それで実現したのが、今回のイベントです。
田並劇場の 林 澄蓮さん、林 憲昭さんに、心から、感謝します。

(田並劇場のサイトで紹介されている、劇場のかつての様子です。)
田並劇場は、昭和前半までとても栄えた、地元のシンボル的存在でした。戦後の人口減少とともにだんだん使用されなくなり、建物の老朽化に伴い、蔦のからまる廃屋となっていました。

それを、4年かけて林さん夫妻が修繕改築し、クラウドファンディングなどで多くの方の力で蘇ったのが、現在の田並劇場です。古い面影を残しながらも、現代的な発想も取り入れた、新たなおしゃれスポットとなっています。

場所は、地元JR田並駅の目の前、田並の駅もいまは、駅員の常駐しない無人駅となっています。



林さん夫妻は、外部からIターンで、田並にきて出産・子育てをしてくれています。
新しい街の考えと、古い谷の考えが、沿わないところもあります。ビジネスと、地元の人情が、折り合わない面もあります。それでも多くの地元の人が「4年かけて、自分たちだけで全てを改築・改修し、屋根の瓦の一枚一枚もすべて乗せ直して、ここまでに再生させたパワーは、すごい。」と口々に言っています。再び扉を開けたこの劇場を、懐かしいと言っている人もいます。
そんな劇場の力をお借りしました。私の活動場所は、ただ一つ。「ライブハウス」なので!!笑 そこは、多くの人に夢を配る場所です。
私自身東京に出て仕事をしており、帰省時以外、町には戻れません。過疎の町で、自らの意思で子育てしようといま、田舎暮らしを選んでくれている人もいます。
以前から、この谷に残り、長く長く先祖の代から、この地を守ってくださっている人もいます。
それが、私の実家の町です。
私が帰省するたび、暖かく迎えてくださる地元の皆さんに、心から感謝します。
本当に、いつもありがとうございます。

全ての皆さんのおかげで、南 瑠霞バースデー手話ライブ&ローナ村上トークショーが実現できました。本当にありがとうございます。

田並劇場
http://tanami.jp/
和歌山県串本町田並1547 (JR田並駅前)