あーりん「天国のでたらめ」

AYAKA NATION 2019 に出かけてきました。
今年のあーりんの手話の曲は、「天国のでたらめ」。
最初、数学的な歌詞のあるこの歌に、なんじゃこりゃ?と思いました。こんな数式みたいな歌詞、どうやって手話にするの???
ところが、歌詞をよく読んでいるうちに、だんだん意味がわかってきた。
過去に願った未来と、その未来がやってきた今。それは、同じか、違っていたか?
君と僕の距離が、変わらなければ、人生は平行線。
なんと、これは、手話のために、生まれた歌詞なんじゃないか? そう思えるくらい、空間を立体的に使うと、歌詞が目の前に浮かび上がった。これならいける!!
そう思って、あーりんに伝えると、あーりんももちろん、しっかり手話の意味を理解してくれて、そして、今回の手話の歌詞が出来上がった。
いつも、書かせてもらうけど、あーりんの手話詞作りは、あーりんの解釈に基づいて、進めさせてもらっている。この歌は、以前ミュージカルで使った歌だということで、ストーリーの中に出てくる設定もいろいろあったようなのだけど、あーりんの出した結論は「ミュージカルの展開や使いどころにこだわらず、今回のソロコンでの一曲として、1つの歌として考えたい」ということ。それをもとに、あーりんと、南と、そしてろう者の元美が一緒に作ったのが、今回の「天国のでたらめ」です。
前半を元気に想いを込めて。曲調が変わった後は、少しモヤモヤした夢の中のように。このイメージをもとに、あーりんが思いを込めた一曲になりました。
もう1つ、手話の歌では、以外に知られていませんが、実はとてもリズム感が大切。音声の言葉とは別に、音楽のリズムに乗せた手の使い方が求められます。聞こえる人は、とかく音声の歌詞にひきづられて、きちんと音楽に手話が合わせられないことも。
ここを、きちんと乗り越えちゃうことができるのが、あーりんのスゴイところ。
今回の歌では、「書いて、消して、芯も、折れて」ここが、リズムの見せ所でもありました。この部分、実は、音楽に合わせて、手話の方が、音声の歌詞より、先に表現されているのです。気づいた方、おられましたか?
この歌の、生き生きしたリズム感が、声で歌いながら、手話では音楽を別の角度でとらえ、ちゃんと表現しきれたのは、あーりんならではの腕前だったなあと思って、本番は、とても気持ちよく、見せてもらいました。よかったー!!
あーりんの、あーりんによる手話の歌。「天国のでたらめ」。今までにない、新しいチャレンジに、私たちもワクワクさせてもらいました。
最初にこの曲を聴いた時、私は、切なさに泣きました。とてもいい歌だなと思いました。
それが手話になった今日、あーりんの表情からも、歌の素敵さが伝わってきたように思います。
あーりん、本当に、よかったですね。熱い1日!!お疲れ様でした。

あ、それから、コンサート前、横浜アリーナ周辺一帯には、ピンクの服を着たあーりんファンの皆さんが、あふれていたのに、道に座り込んだり、ゴミをだしたり、大声で騒いだりする人が、本当にいなくて、優しさに溢れていたのにも、私はめちゃくちゃ元気をもらいました。
アイドルやコンサートを大事にするって、こういうことだよなって、しみじみ思い、もう本当に、あーりんとあーりんファンの皆さんに、めちゃめちゃヤラれた1日になってしまった! 会場いっぱいにキラキラ輝いていた、ピンクの光は、そういう思いがこもった2万人の気持ちで出来上がっていたんだなあと、家に帰ってきて、改めて、その美しさとパワーに、感動しています。
そしてそして!!あーりんママ!!私たちを見つけたらすぐに!!「佐々木です〜〜〜〜!」と手話がさく裂!!コンサート終了後には、迷うことなく「ありがとう」の手話!! 何度かのおつきあいの中で、いくつかの手話をしっかり覚えていてくださっていて、うれしくて、私たちの心は舞い上がり!!今回はなんと、パパにもお会いできるという素敵な瞬間が!いつも本当にありがとうございます。
暖かなご両親のもとでこそ、あーりんが育ったんだと、肌から伝わってくる。親子って、素敵だなあ。

ちなみにこれは、横アリの近所のカフェ。あーりんグッズやチケットを見せれば、10%オフって楽しい企画もあって、街中あーりん祭りでした。笑
帰りも皆さん、けして騒ぐことなく、静かにフェイドアウト。あれほどいた人たちが、あちこちにすーっと引いて、夜の横浜には、また元どおり、フツーの風景が広がっていました。
横浜アリーナは、世田谷の私の家から、車で2〜30分。夜の光の中を走って、疲れることもなく、あっという間に家に着きました。
素敵なひと時に、心から感謝です。
さあ、明日からの月曜日、みんなで元気にスタートしよう。あーりんにもらった元気を、いっぱいこの手に乗せて。
今日も、いい1日でした。
★ 佐々木彩夏「天国のでたらめ」2019
手話詞 手話あいらんど 南 瑠霞 & 中島 元美