J−WAVE「手話は一つの言語」/ 南 瑠霞 「JAM THE WORLD」2019年9月17(火)放送分文字情報


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KODANSHA CASE FILE[講談社]
ナビゲーター:グローバー(ミュージシャン)


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(グローバー)
ここからは時代を 映すニュースなキーワードを あなたの記憶にファイリング「KODANSHA CASE FILE」。
来週9月23日は、手話言語の国際デーです。手話言語が音声言語と対等であることを認めたり、国連の加盟国が社会全体で手話言語についての意識を高めることなどを促進するもので、2017年12月に国連総会で決議をされたというものです。ですから、今年で2回目を迎える比較的新しい新しい記念日なんですよね。

そこで今週は、改めて、手話について詳しく紹介します。
手話と言いますと、福祉・ボランティアというイメージが強いんですが、実際のところはどうなんでしょう?
お話を伺うのは、手話通訳士・手話パフォーマーの、南 瑠霞さんです。火曜日の今日は、「言語の一つとして考える手話」についてお話を伺いました。

(南 瑠霞)
「手話っていうと、多分多くの方が、今思い浮かべるものは、聞こえる人が話している言葉を、通訳者が手話に変えてろうの人に伝えるというイメージのものが多いと思うんですけれども。
それはちょっとおいておいて。

手話というのは、聞こえない方・ろうの方の、ネイティブな一つの文法を持った言語、というふうにいま考えられているんですね。その、聞こえない方がもともと持っている 日本語とは文法の違う話し方をするその手話ののことを、一般的にいま「日本手話」と呼んでいます。一方、声をつけながら、音声にくっつけて手話の単語を並べていく方法があり、多くの方は、こちらの方が見覚えのある方が多いかもしれませんが、こちらは、日本語対応手話、または音声対応手話と呼ばれています。

手話と聞くと、教育とか福祉とかボランティア的な側面から見る方が、すごくたくさんいらっしゃって、それもとても大事なことなんですが、違った視点で見てみると・・・
音声言語で話す方は、この世の中にたくさんいますが、手話で話す人はたまたま少ない。日本の中でいえば、例えば、アイヌの方の言葉も保存して行こうという動きがあるのと同様に、手話も少数派の言語として、守り育て広げていきたいと考える関係者が、多いと思います。
手話は、世界で一つなのか?・・と語るより、手話は、私たちが日頃使っている、日本語や英語などと同じように成り立っているので、一つ一つの地域、アメリカならアメリカ、日本なら日本、北海道なら北海道、大阪なら大阪で、その土地で代々先輩から受け継がれていったものがあり、そこに地域性が生まれたり、国による違いが生まれたり、時代の流れとともに若者言葉が広がったり、年配のろう者の方それをみれば「そんなの手話じゃない!」と怒ったりとか、、、そうした、私たちが日頃言葉と付き合っている中で起きることは、手話のワールドの中でも、起きていると考えていただくのがナチュラルかと思います。

幼稚園や保育園の手遊びとして取り入れられている園もたくさんありますし、実際に歌に手話をつけて子供達と一緒に歌うという活動をされている方もいます。そのほかに、まだお口で話せない赤ちゃんにおててのサインを教えてあげると、パパやママとのコミュニケーションで、お口より手などの筋肉が動かしやすいらしく、月齢7〜8か月くらいから意思表示してくれるようになるということで、赤ちゃん向けサインで取り入れられている皆さんも、たくさんいらっしゃいます。」

(グローバー)
手話は、少数派の言語だというお話がありましたけれども、もう一つの言語というふうに手話をとらえて、外国語を覚えるような感覚で手話を覚えている方もいるようですよね。
もちろん、方言があったり、地域性があったり、若者言葉なんていうのも、手話の中で生まれてきて、年配の方が言葉づかいが悪いって怒ったり!(笑)・・・
ナチュラルにイメージできましたね。そういうお話を聞くとね。
明日は、「手話言語条例」「手話通訳士」についてお話を伺います。

以上、「KODANSHA CASE FILE」でした。