JーWAVE「手話言語条例」と「手話通訳士」の話 / 南 瑠霞 「JAM THE WORLD」2019年9月18日(水)放送分文字情報


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JーWAVE 「KODANSHA CASE FILE〜講談社」
ナビゲーター:グローバー(ミュージシャン)

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(グローバー)
ここからは時代を 映すニュースなキーワードを あなたの記憶にファイリング「KODANSHA CASE FILE」。
来週9月23日は、手話言語の国際デーです。そこで今週は改めて、手話について詳しくご紹介しています。水曜日の今日は「手話言語条例」そして「手話通訳士」について。
お話を伺うのは、手話通訳士・手話パフォーマーの、南 瑠霞さんです。それでは、南さん、よろしくお願いします。

(南 瑠霞)
「手話は、国によって違いますし、文化によっても違いますし、家族によっても、地域によっても違います。日本で言えば、北海道弁の手話、大阪弁の手話、関東で通じやすい手話などなどいろんな地域性があります。私たちが、手話で話す中、いろんな方にお会いすると、最初に会った瞬間に「あ、大阪の人だな!」とか「あ、北海道の人だ」などと、わかったりして、それぞれの地域の特徴がありますね。

今、2020年に向けて、海外からたくさんの方をお迎えするということで、東京都ではアメリカ手話(ASL)を、みんなで学ぼうという講座なども開かれています。海外に通じやすい手話にチャレンジしようという動きもあります。アジア・日本などは「アメリカ手話」を共用語にする傾向があり、ヨーロッパ圏からは「国際手話」というものがまとめられ、世界に向けて提案されています。

手話というと、特別なものだと感じることも多いと思いますが、本当に大事な言葉であり、ごくごく普通の言葉。そういう風にみなさんが見ていくようになると、どんどん世の中も変わって行くのかなと思います。
いま、全国には「手話言語条例」がすごく広がっていて、県や市区町村の行政ごとに、条例を引いているところが増えています。「手話が言語であるということを多くの人に伝えよう」「その手話こそ、日本の中で使われている言葉の一つであるということを、地元の方に知っていただき親しんでもらおう」「聞こえない方々のために手話通訳のできる人をたくさん育てよう」そんな願いの元に制定されている条例です。
2013年10月に鳥取県で第1号が制定され、6年経った今(8月現在)、26道府県・7区・247市町村で、手話言語条例が制定されています。

今、手話通訳士と言う資格に注目も集まっていて、若い人で手話を勉強したいという人からは「手話通訳士を目指しているんですが、どうしたらいいですか?」と言う問い合わせもよくいただきます。一般的に よく見る手話通訳士というと、テレビの政見放送にスーツ姿で立っている人、最近注目を集めているのは官房長官の横に立つ通訳者。こう言った方が、手話通訳士の資格を持っている人ということになります。総理官邸で当番で通訳をされているのは、その中でも、東京都の登録手話通訳者の方ということになります。
全国で今、手話通訳者をされている方というと、都道府県の登録通訳者の方、厚生労働大臣公認手話通訳士の方、市町村別の登録されている方などがおられます。
手話通訳士の活躍の場はとても広がっていますが、2019年8月現在、厚生労働大臣公認資格である手話通訳士は、約3700人。なので、これからもっともっと多くの方に手話に興味を持ってもらい、みんなでお互いに育ちあって行けるといいなと思っています。」

(グローバー)
南さんは、もっともっとみなさんに手話に興味を持って欲しいということでした。実際に手話に興味を持つきっかけ、習い始めるきっかけには、様々なものがあるんだそうですが、その一つにエンターテイメントもあります。手話を使ったドラマだったり映画だったり、アニメだったり、これも大きな入り口だということなんですよね。
そう言った手話を題材にしたエンターテイメント作品にも携わっている南さんに、明日は映画「聲の形」の制作エピソードについてお話を伺います。

以上、「KODANSHA CASE FILE」でした。