「飲む」他の単語を使わず、この単語だけで、主語を私にしたり、あなたにしたり、第三者にしたりできますか?


「飲む」
他の単語を使わず、この一つの単語だけで、主語を私にしたり、あなたにしたり、第三者にしたりできますか?
これは、手話表現の重要ポイントです。

手話通訳士として 様々な皆さんと触れ合う中で、今後手話通訳士になる方。どんな方かな?と思って見ていると、傾向があることに気づきます。
(ちなみに最初にお断りしますが、手話を学ぶ目的は、「通訳士(者)」になることではない!!と思います。
教養として学びたい。まず机に座って勉強したい。友達が聞こえないので、話せるようになりたい。下手でも話すことにチャレンジしたい・・・などなど、目的は様々です。
確かに、手話の語源を知るだけでも、知識も豊かになりますし、手話で話すろうの方に会うだけで、世界が広がります。
だから、手話通訳士(者)を目指すことが、手話を学ぶ全てではないし、多くのろうの方は、そんなこと考えず、あなたと様々な交流ができる友達になって欲しい。と願っておられることは、あらかじめ、お伝えしておきます!!「話したいという心」「伝え合いたいという心」これは最重要事項です。
そんな中で、第2の問題として、手話通訳士になりたいと思う方も多く、そんな方から、「手話通訳士になりたい。どうしたらいい?」というご質問を、たくさんいただくので、お答えします。)

手話通訳士に、のちのちなっていく方の傾向
1、手話がなくても、ろうの人と身振り手振り、又は筆談で、どんどん自由に豊かに話せる方。この勇気やおおらかさのある方が、手話を学ぶとどんどん伸びます。「話したい」という気持ちが一番大事なことをご存知だからです。(だから、手話通訳士になるためにも、最初にお伝えした「話したいという心」がとても大事であり、スタート時点で、通訳士になりたいかどうかは、あまり関係がない!ということにもなります。笑)

2、その上で、通訳士(者)を目指すなら、
◯日本語の話し方の上手い方。
◯日本語の読み書きがきちんとできる方
これは、基本中の基本です。
日本語が豊かであればあるほど、のちに手話に乗り替わっても、その言語の構築への理解が進みます。
人間の脳は、母語の力量が、そのまま第二言語の力量だと言われています。例外もあるとは思いますが、多くの人は、第二言語も、一生懸命勉強すれば、母語くらいまではできる!ということですね。

3、次に、
◯その上で、手話講座などの、入門・初級・中級で学んだことを、素直に実行されている方。
◯入門・初級・中級で学んだことといえば、もちろん、その日その日に出てくる様々な単語もありますが、これらは、多くの方がすでに習得されていると思います。重要なのは、主に位置関係です。
この位置関係には、
・ 人などの位置関係やロールシフトの他、
・ 手話の文節の位置関係。
  文が並列か(AとBのどっち?とか)、
  直列か(AをしたらBになった とか)
  などがとっさに理解できるか?
  これによって、手話の空間や 意識の置き位置が変わります。
  またその作った文節にむけて、指さしなどをすることもあります。
・ また、同じ動詞、例えば「飲む」。これ、単純に、コップを持って飲む動きをするだけでも、
  そのまま「飲む」という単語だけで、主語を自分にしたり、相手にしたり、第三者にしたりできます。
  これ、気付いてない方も多いのですが、とてもとても重要です。
  これができると、誰が何をしているのかとてもわかりやすい手話表現になります。
  これも、位置関係やロールシフトなどのとても重要なポイントです。

こうしたこと、実は全て、昨今の一般の手話講座では、ほぼあなたは、学んでいます。
最近の各地の手話講座は、優秀な先生が多く、また、ろうのネイティブ講師も増えていますので、これらは、最初の二年で、ほぼ指導されているのが一般的です。
あれ?おかしいなと思ったあなたは、これらを復習するだけで、手話がぐっと上手くなりますよ。

4、その上で 以下の経験を積んだ方
◯場に応じた様々な単語を身につける
◯手話の様々な言い回しを使いこなす
◯聾者特有の手話表現や言い回しを知る

これができれば、あなたも、手話通訳士になれます。

簡単にいうな!!ですよね。笑
でも、順番は、これです。

手話を学びたい方の中には、なんとなく、4の、たくさんの単語から、学んでしまう方も多いと思いますが、なかなか手話が上手くならないなあとか、ろうの方との話についていけないなあ、、と思ったら、ぜひ、1に帰ってみることをお勧めします。
特に手話通訳士になりたい方は、1、と2、が、とてもとても重要です。
この順に、自分の頭を育てていけば、必ず手話通訳士になれると思います。

一方、手話通訳士になるつもりがなくても、この1、2、3、4、の順に基礎を重ねれば、多くの人が、手話通訳士になれると言えるかもしれません。

大事なのは、何れにしても、伝える心。
通訳者を目指すなら、日本語。
勉強するなら、位置関係。(特に、単語や文節の位置関係)
その上で、豊かな語彙!

あなたも参考にして見てください。
手話通訳士は、不足しています。ぜひ、ご一緒に!!

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