手話あいらんどTVクロスカルチャー in 和歌山県田辺市「ろうの理髪店主の方が多いわけ」

20200714

南の実家の和歌山県田辺市には、ろうの方で、理髪店を営んでおられる方がたくさんおられます。
それはなぜかというと・・・

田辺市の理髪店「cut house J」にて、ろう者の山田順也さんに、お話をお聞きしました。
素敵なお話に感動。

感染症予防のため、少し前後と左右に離れて座っています。
いつもと違う座り方ですが、見て下さいね!



(簡単な内容)
手話あいらんどTVクロスカルチャー!!
南 瑠霞です。
実家の近くの街、和歌山県田辺市に来ています。

こんにちは。初めまして。
山田順也と申します。田辺市にいます。
コロナなども心配です。みなさんお身体にも気を付けましょう。

山田さんは、理容師として、この店を営んでおり、皆さんをお迎えしています。

田辺市では、理容のお仕事をされているロウの方が、たくさんおられます。
何か理由があるのですか?

和歌山ろう学校出身です。
中3の時、両親と相談し、理容の仕事がいいのではないかと勧められました。
お姉さんも美容師、ご両親は居酒屋ということで、同じビルか何かで一緒にやりたいねえといった話になりました。
僕もやってみようと思い、ろう学校の理容科に入りました。

和歌山ろう学校は、中学部を卒業したあと、高等部・専攻科などがあり、その中に理容の勉強をする科があったということですね。

和歌山ろう学校では、当時、木工・理容・洋裁・和裁・被服などを学ぶ科がありました。
(2020年現在、和歌山県立和歌山ろう学校では、高等部本科3年・専攻科2年の過程があり、その中に「普通科」と「職業科(衣服科/産業工芸科/理容・美容科)」があります。)

理容科では、当時8科目あり、理科・物理・公衆衛生などいろんな科目があって、薬品関係などいろいろ学びました。
高校3年間で、それを学び、改めて専攻科に入り、次に国家試験を受けて合格し免許をとって卒業し、理容関係の仕事につきました。
勉強の内容が多岐にわたり、大変でした。

そして、和歌山市内にある和歌山ろう学校を卒業して、田辺市に戻り、仕事に入りました。
最初は、見習いということで、大きな店舗に入り、10年間、様々なことを学ばせてもらいました。そこでは、美容・理容・婚礼の着付け・メイク・販売など様々なことを学びました。
実際のカットなどのほか、婚礼のカツラや衣装などをホテルに運んで納品したり、病気でお店に来られない方のために、病院に出張に行ったり、様々な経験をした10年間でした。

30歳くらいで、この店を立ち上げ、今は52歳で、22年間ここで理髪店をしています。
開店以来、お客さんは来てくださっています。忙しい時も余裕のある時もあります。お正月前12月は、忙しいシーズンです。1月になると少し手がすきます。2ヶ月毎くらいで、波がありますね。

今までには、わあ、どうしようと思ったこともあります。

普段、聞こえるお客さんとは、筆談で話したり、カットの本でモデルを見てもらったり、短くしますかなどと身振りで話したりします。

ところが、ある日突然、目の悪い方が杖をついて見えました。これは、どうやって話せばいいのだろう?と思い、とりあえずソファに座っていただいて、親をメールで呼ぼうか?迷ったりしました。
そして、隣のいつもお世話になっている年配のご夫婦がおられるので、その方を呼びにいき、その方に本人と話してもらいました。
すると、「ゴルフ刈りにしてください。横は短めで、上は長めにお願いします」と言うことでした。
そのあと、繰り返し何度もきてくださるようになり、その後体調を崩されたのか、あまり見えなくなってしまいました。
最初に、この方が見えたときは、コミュニケーションをどうしよう!?と思いました。すごく勉強になりました。

良かったことは、いつも同じようなことが多いのですが・・
東京や、大阪・京都など、遠くから、久しぶり!といって、カットに来てくださる方もいて、夜一緒に食べにいこう!といって、みんなで話したりして、そう言う交流はとても楽しいです。

南も、こうして、卒業後、和歌山の地元の親の故郷に戻り、仕事をして、この街を守ってくださっているろうの方がいると言うのは、すごく嬉しいです。

これからも頑張ります。
取材ありがとうございます。
気軽に、恥ずかしがらず、遠慮なく、ぜひ遊びに来てください。
面白いお話もたくさんお聞かせします。
よろしくおねがしいます。
ありがとうございます。

いろんな方に、地元に来て、盛り上げていただきたいです。
一緒に頑張りましょう。
バイバーーイ!!

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提供:手話あいらんど手話教室

出演:南 瑠霞 & 山田 順也
構成:南 瑠霞
撮影:青山 恵理
編集:青木 孝二