配信も始まった!!神奈川県の大学の授業!!ドキドキ!!
全国の大学などでは、今年度は、オンラインによる配信授業が増えていると、さまざまな噂を聞きつつ・・・
私の短大の後期の授業も、いよいよ先週から、本格的に始まりました。
今年度は、15回の授業のうち、8回が対面による声を使わない実践的授業。こちらは、例年通り、参加してくれる学生の皆さん達と、1時間半の授業をまるまる音声を使わずに進行し、手話でたくさんのコミュニケーションを取り合っていく内容です。(※詳しくは、その第1回の授業 https://minamiruruka.seesaa.net/article/478434676.html をご覧ください。)
残りの半分に当たる7回は、配信で、理論を中心とした どちらかと言うと知識や情報に触れてもらうための授業というふうに振り分けて行うことになりました。
そこで心配になったのは、配信授業の方法です。
今までは全ての授業を、完全に音声なしの、身振り・板書・手話で進めてきましたが、配信は、なんとスマホで授業を受けている学生たちも多いとのこと。配信で、全く音声を入れず、1時間以上も内容を進行したら、それでなくても慣れないオンラインに目も疲れ(スマホの画面は特に小さく、その中で細やかな手話の動きを読むとなると、実際の目にも、読み取ろうとする頭にも、負担がかかる!汗)、学生たちが、授業についていくのにへとへとになってしまうばかりか、もしかしたら脱落者を出すかも!!汗 いかん!これでは「楽しく手話コミュニケーションに親しむ」と言う本来の授業の主旨が失われる〜!!(大汗)
これは、なんとかしたい!!!と考えました。
そして、いろんな方法を検討した結果!!
ならば、この状況を利用して、今回は、今までよりもっと「あふれるほど手話を見てもらう!!」という方針に切り替えて、配信をやってみようじゃないか!!と言うことに、思い至りました。
それはどう言うことかと言うと・・・
① 配信映像で、プリント資料を見てもらうときは、みんなには知っておいてもらいたい、大事な手話や、聞こえない人々にまつわる知識や情報を、伝えたいので、一緒に音読。
この音声に、全て完全にワイプで、手話通訳をつけ、聞こえない人なら、この授業をこうやって見ている。と言うお手本になるような(聞こえない学生が見ても、内容が全てがわかる状態にした)授業映像を作るということです。
従来、授業では、準備したプリントの文字を学生たちに読んでもらい、それに合わせて、わかりやすいゆっくりとスピードを落とした手話を、みてもらっていましたが、今回は、解説音声のスピードに合わせ、手話の単語数や文法も大人の会話表現の量まで増やし、授業は耳から聞きながら、目から、本来の手話自体を溢れるほど見てもらう方式にしました。
② また、いつもと同じ授業方法の講義の部分は、ホワイトボードを使い、手話で解説。これを映像で撮って、後から音声をつけて、授業映像を完成させる方法を取り入れました。
この両方で、聴者でも聞こえない学生でも授業内容がわかる状態を作り、これを、聞こえる学生たちに見てもらうことで、聞こえない人が、手話通訳をつけて一緒に授業を受けている状態を、日常的に感じてもらえればと考えたのです。
この授業のいいところは、こうした作りにしたことで、学生たちが、即座に理解できてもできなくても、本来の手話を溢れるほどみられる状態になり、手話環境を知ったり、慣れたりするチャンスが広がった。また、授業には音声もつけたので、手話が読めないからといって、聞こえる人がハンディになる状況が減ったと言う点。
それで、ちょっと大変だなと感じているのは、つまり・・・一旦、音声、または、手話で授業を撮影した後、もう一度、わたしが聞き取り通訳、または、読み取り通訳の録音を行うことになり、すべての授業を2度行わなければならなくなったことです。大笑
これが、学生たちの役に立つかどうかは、また、将来卒業してからでなければわからない面も多いと思います。ただ、手話を学ぶにあたり、聞こえる自分が受ける全ての授業に手話通訳士の公式な手話通訳がついた状態を体験することは、実は、実際にはほぼないことで、「手話を学ぶ」という視点から見れば、ある意味とても参考になることなのではないかと思っています。
ここから、彼らの卒業まで、温かい気持ちで、この方法にトライしてみようと思います。
頑張れ!!学生たち!!
幼児教育を目指す、若者たちにとって、この手話の授業が、将来聴こえない子供達と出会った時、また、聞こえない保護者の方とお会いした時の、暖かい手がかりになりますように。

音声の解説を収録し、そのあと、聞き取り手話通訳を行なって配信映像に組み込む。

通常の音声なしの手話による講義の様子を撮影し、あとからそれを読み取って音声をレコーディング。