耳に流れ込む小さな音は、出会いのチャンス
私が手話指導を担当させて頂いている 神奈川県の短大の中庭の大もみじ!!
12月中旬には、全体が枯葉となりましたが、まだ赤い葉を、全体に残しています。
これは、年内最後の授業の日の様子です。
新年になって、また1月中旬に会う頃には、すっかり枝だけになっていることと思います。
今年度は、対面授業と、映像の配信授業を半々で行い、短期間で集中的に授業を行なっていますが、この日、全体のほぼ3分の2の授業が終わりました。
学生のみんなも、とても大変だったと思います。
私も、配信授業で、皆さんのレポートとやりとりしながらの日々は、初めてのことで、戸惑うことがたくさんありました。学校の事務局や、配信サポート担当の方にも、色々教えていただいたおかげで、なんとかここまでやれました。ありがとうございました。大汗
対面授業の最終日、この日は、耳栓で「音声を使わず」ディスカッション!!
グループごとに、グループの名前や、その名前にした理由、グルーーぷのチームカラーや、その色のいいところなどを、話し合ってもらいました。
文字や身振り、学んだばかりの手話や指もじなど、出来る範囲でみんなで頑張って、話し合ってもらいました。
「普段なら、何気なく、声でよそ見しながら話すのに、相手から目が離せなかった」
「メモが取りづらかった」
「他の人が手話が通じ合っていて、自分がついていけなかった時、寂しい気持ちがした」
「やっぱり、マスクは、表情や口元が見えづらい」
「伝わらないと、もどかしい」
など、いろんな感想を聞かせてくれました。
ある意味、これは、聞こえる人の中に入った聞こえない人の気持ちでもあり、みんなが、短時間でこうしたことに気づいていってくれた事を、嬉しく思いました。
また、耳栓を取った時に、聴こえる人の耳には、様々な音が聞こえて来ます。それも、とても小さな音。
空調の音や、友達がメモを取るペンの音、廊下の足音、外を通る車の音、誰かの服の擦れる音・・・これらは、ろうの人などが、ほぼ聞かない音でもあります。
私たちの耳は、暖房がガーガーなっていたら「故障かな?」と思ったり、友達が鼻をすすったり咳払いを繰り返したら「風邪をひいたのかな?」と思ったり、廊下を誰かが歩けば、見えていなくてもその足音から「一人か数人か、大勢か、また歩いて行った方向」までわかります。話し声からは、男性か女性か、子供か若い人か、年配の人かもわかります。外の車も、音を聞けば、バイクか乗用車か、バスのような大型車かまで、私たちの耳は聞き分けています。
これは、聴こえる人の耳の特徴ですが、逆に、聞こえない人には聞こえない人の全く別の感覚があります。
私たちは、心を傾ければ、聞こえることと聞こえないこととの違いにも、いっぱい気づける機会があります。
私たちが、耳をすませば、たくさんの音が耳に飛び込んできます。今聞こえてくる音が、耳に入ってくる人も、聞こえない人もいる。この違いがわかれば、すれ違いも減るかもしれません。聞こえることと聞こえないことは、どちらが優れているかではなく、どう違うか。これを知ることは、互いの理解への第一歩のように思います。
手話の授業が、そんな人と人との出会いのチャンスを広げれればと思います。
みんなで良い年にしましょう。
2020年も、ありがとう!!