「試験」地域性に見る手話の違い
(東京世田谷・松陰神社)
コロナの渦巻く中、今年も週末は、共通テストで、多くの若者たちが、緊張や頑張りの時を迎えています。
ぜひ、日頃の成果をいかん無く発揮し、納得いく良き試験になりますように。
折に触れ深呼吸しながら、この時を皆さんと共に過ごしたいと思います。
さて、今日は、関西と関東の発想の着目点の違いと、手話の違いについて、お話します。
この時期、多くの人が注目する言葉「試験」「テスト」。この手話の東西の違いをご紹介しましょう。
①関西で多くみられる「試験」の手話(C)手話あいらんど
②関東で一般的な「試験」の手話(C)手話あいらんど
関西では、「試験」というと、①のような表現をする方がほとんどです。
これは、「研究」「工夫」「研鑽」「試す」などの意味合いの強い手話で、顕微鏡の焦点を合わしたり、物事の角度を合わせて調節する動きなどが語源だと言われます。言葉の発想として、関西の手話は「試験」を「成果を試して次への礎とする」といったニュアンスで捉えていることがわかります。まさに、研究し試験を繰り返し、また、それをもとにして学びを重ねるための節目とするという考え方なのでしょうかね。
関西の「試験」は、「成果を試す」。
一方、関東では、②の表現が、一般的です。
これは、見ればすぐにわかるように、親指で見立てられた人が、上下に順位を競い合っている様子が語源となった手話です。人の多い東京などでは、模擬試験なども、1点違えば、順位は100番も1000番も違います。まさに、1点1点が真剣勝負。人が順位を競って、一定の点を獲得できた人だけが合格できる。これが肌感覚の「試験」のイメージとなっているようです。
関東の「試験」は、「競い合う」。
この手話は、「競争」「ライバル」という場面でも、使われます。
私は、最初に関西で手話を覚えた後に、東京に来て、この手話を知った時、かなり驚きました。笑 東京って怖いところだーー!!と感じてしまったのも確かです。笑笑
でも、東京に長く暮らしていると、この意味合いも、なんとなくわかる気がします。笑笑
(ちなみに、関東で、手話で話す時、また通訳をするとき、「試験」に①の単語を使っても、「研究」「工夫」という意味にとらえられ、ほとんどの人に意味合いが通じません。私も当然「試験について話す」時は、②の単語を使っています。汗笑)
さて、あなたの「試験」は、どちらのイメージに近いですか?
受験生たちにとっては、まさに、東京流の「試験」!の発想に近い感覚で、本番に臨む方も多いかもしれません。
この冬は、感染症も心配で、体調管理にも気を使い、さらに厳しい冬となっている方も、おられるかもしれません。
まずは、温かいものでも飲んで、深呼吸して、そして元気に集中して、あなたもぜひ、「試験」頑張ってください!!
みんなで、互いに応援し合って、この厳しい冬を乗り切りましょう!!!
いつもありがとうございます。