聞こえない人と音楽

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今週の「しずかちゃんとパパ」は、聞こえない人と音楽がテーマでした。
音楽会で、圭一が用意したバルーン、大きかったですね。

私が主宰する手話パフォーマンスきいろぐみの舞台でも、手話の歌はたくさん取り上げます。ライブハウスでの手話ライブも、毎年開催しています。

聞こえない人は、歌がわかるのか?楽しめるのか?
よく受ける質問です。
きいろぐみに参加している聞こえない人たちは、運動神経が良くリズム感もあって、踊るのが好きで、手話の歌にも積極的に参加している人が多くいます。

でも、こうした聞こえないメンバーの多くが、「聞こえない人の中には、音楽の好きな人も嫌いな人もいる。」と必ず語ります。
うちのメンバーが、どんな風に音楽を楽しんでいるのかは、また次の機会に譲るとして、彼らが語る「聞こえない人が音楽が嫌いな理由」は、いくつかあります。

「子供の頃、音楽の授業で、聞こえない音楽を無理に聞かされたり、リコーダーを無理に吹かされたりして、嫌になった」
「そもそも、聞こえない音楽。それがどんな物だかわからない。嫌いなのではなく、知らない。興味がない。だから、そのわからない音楽を、無理に聞けとか、楽しめとか言わないでほしい。」

一方、好きな人の中には、
「踊るのが好き」「音の響きがあると、なんだか楽しい」そして、このドラマと同じように、「自分の聴こえる子どもが学芸会で一生懸命手話で歌ってくれたのをきっかけに、音楽に興味を持ち、子供と楽しみたいと思った。」このほか、「ライブハウスは、照明がキラキラしてとても楽しいし、低音がズンズン響いてくる」「カラオケは、照明も楽しいし、画面に歌詞が出てくる」
こう言った理由を、みなさん教えてくれます。

人によって、音楽の印象もさまざまなんですね。

今回、ドラマでは、音楽を響きで感じられる方法の一つとして、大きなバルーンが出てきました。
風船は、聞こえない人が発声練習などでも、胸や喉の響きを確かめるために、よく使われます。

きいろぐみでも、活動の初期の頃は、風船を膨らませてもらい、お客さんに音の響きを感じてもらう試みを何度か行ったことがあります。でも、普通のゴム風船は、実は、舞台のここぞと静かな「いいところ」で、パーンと割れることがあります。汗笑
それで、最近では、そう言ったものを使わない演出を行なっています。
でも、ドラマの風船くらい丈夫なものなら、そう言う心配はいらないかもしれません。笑
聞こえるあなたも、音楽を聴きながら、風船を手に持って、その響きを楽しんでみてください。新しい発見があるかもしれません。

また、最近では、本格的に、聞こえない方に音楽を楽しんでもらうために、ボディーソニックが仕込まれた、振動するシートを劇場に用意するケースも増えています。まだまだ機器が少ないので、全シートで楽しめると言うことは、あまりありませんが、聞こえない人が前持って申請すれば、そう言ったシートを用意してくれる舞台もあります。
これなら、もちろん途中で割れたりしませんし(笑)、手で持つ風船よりも大きな面積で、全身から体を包むように音が響いてくるので、難聴の方なども含め、新しい音楽の楽しみ方の一つとなっています。

ドラマも、2話となり、自分の家でテレビを見ていると、撮影の時には必死で気づかなかった、ストーリーの良さも見つけたりして、私も一人の視聴者として、楽しんでいます。
通常のドラマより、1時間遅い、22時からの約1時間。あなたも寝不足に気をつけて、また、来週もご覧ください。