「手をふさぐ!」ということが「話さないで!」という意味になる!!

「しずかちゃんとパパ」
第7回までの放送が終わりました。撮影現場は、毎日早朝から夜まで大忙しでしたが、放送が始まるとあっという間です。汗

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今回放送の中では、終わりの方に、パパとしずかちゃんの大きなそして大事な喧嘩の場面がありました。このシーンを見ながら、涙した人も多かったのではないでしょうか。

この中で一つ、私も見過ごしそうになった、一瞬があります。これもまた、ろう者の江副くんやCODAのはせちゃんに教えてもらったことです。

パチンコから戻ったパパは、お菓子をいっぱい抱えていますが、どうしても圭一のことを話したい静と喧嘩が始まると、その中の一つを、パッと静に持たせます。静は、慌ててそれを置きますが、それもテーブルの下に落ちてしまいましたね。
このお菓子は、パパが静のご機嫌をとりたくて、渡したものだったのでしょうか?

ろう者の立場からすると、相手に話をさせたくない、話を見たくない場合、その人の「手をふさごう」とすることもあるのだそうです。その手をふさぐ方法の一つが「両手に物を持たせる」ということ。手で話をする手話では、その手に物を持たせてふさいでしまえば、相手は一瞬でも、ものが話せなくなってしまいます。
パパのこの行動には、「そのことは、これ以上話さないで」という、親の切ない心が秘められたいたのかもしれません。

成長して家を出て行こうとする娘に、かつて小さくかわいかった子にあの日持たせたお菓子を渡すかのように、パパはにっこりと笑って袋を持たせた。。。「話さないで。聞きたくないんだよ。」と、その目が泣いているようにも見えました。

ありふれた光景の中に、ろう者のパパの隠れた想いも溢れる、親子のやりとりは、かたわらでその姿を見つめる私にも、じんと伝わってくるものがありました。

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NHKBS「しずかちゃんとパパ」第8回(最終回)
2022.05.01(日)よる22時〜
※第7回の再放送は、同日夕方16:40〜