100%を目指さなくてもいいんだよ!

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先週末、都内聴覚障害者協会の皆さんのイベントに、講師として呼んでいただきました!!

地元聴覚障害者協会の方のほか、講習会に通う手話学習者の皆さんも、みんなで話を聞いてくれました。
一生懸命手話を学ぼうとする皆さんの、真剣な眼差しを受けて、「聞こえる私たちにとって、ろうの人々や手話から学ぶこととは何か?」をテーマに、色々お話をさせていただきました。本当にありがとうございました。

今回感動したのは、地元聴覚障害者協会の会長さんの言葉です。

みんなが手話学習で最も悩む「手話がなかなか上手くならない。」と言う問題。手話を学ぶ多くの人が、この壁にぶつかっています。

そんな時、私が大事にしようと提案していることがあります。
それは、「その悩みを、口で聞こえる友達に話すのでなく!!なんとかして手話で表現し、まず、その悩みから!聞こえない人に話しかけよう!!」というものです。笑

悩んでいると、なかなかそういう発想にはなりにくいかも知れませんが、この方法は、問題解決に、抜群の効果があります。笑
簡単な手話でいい。その「自分が手話でうまく話せないこと自体」を、「手話にして」伝えること。
そうすれば必ず、聞こえない人とのコミュニケーションが生まれます。聞こえない人から、その場ですぐ何かを教えてもらえることもあるだろうし、それ自体が「手話で話すこと」であり、それをきっかけに、どんどん会話がつながって、自分自身の手話も成長していけるから!です。

今回、会場では、その手話を、先輩手話通訳の方が、皆さんに提案してくれました。先輩が教えてくれたのは、「私は、手話がまだまだです。」と言う表現です。
その場で教えてもらった手話ですから、会場の誰1人残さず、みんなですぐに表現できます。それを、きちんとみんなから、地元聴覚障害者協会の会長さんに向かって、表現してもらいました。

すると、会長さんは、皆さんに「100%を目指す必要なんてないよ!」と手話で答えてくれたのです!
これは、前もって打ち合わせをしたことではなく、その場で、とっさに会長さんが答えて下さったものです。

なんて、嬉しいことでしょうか!
そう。手話で話すのに、100%のうまさなんて必要ないし、何を話したいかが伝われば、相手に通じて、わかり合えることがたくさんある。そっちの方が大事なのだから、うまくなろうとする必要なんて、何にもないということです。
会長さんは、それを説明して、「怖がらず、安心して話せばいい!!」と皆さんに、提案されました!!

コミュニケーションは、こんなささやかなところから。
みんなが、知り合いたいと願えば、手話の上手い下手に関わらず、会話は通じて、はずむに違いない!!
それを、会長さん自らが、話して下さったのです。

「100%を目指す必要なんてない」これは、もちろん、わたしたちにも通じる言葉です。
どんなに先輩になっても、手話をやっていれば、うまくできないことや、いろんな壁や問題にぶつかることもあります。
その時大事なのは、いつでも「伝えたい」「話したい」と言う気持ちの方。それを遠慮して話さないことの方が、聞こえない人にとっては、何倍も寂しいはず。
それを大切に忘れずにいたいと、改めて思った瞬間でした。

「私、いつまで経っても手話が上手くならないんです。」って、これをまず「手話で」話してみよう!!
ここに、壁が壁でなくなる魔法が隠されている!と私は思います。

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私の、さまざまな仕事についても、ご紹介させていただきました。

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手話「字幕」
手の甲を映像画面に見立て、もう一方の手の親指と人差し指で、画面下に字幕が載っていることを表現しています。

映像のフル字幕は、聞こえない人が情報がわかるようになるという便利さ以上に、良い点があります。
映画などでは、字幕があれば、一緒に見に行った聴者の友達に「あれ何て言ったの?」などといちいち尋ねる必要がなくなり、同時に同じ映画を自分で見られます。あとから、お互いに「あのセリフが良かった」「主人公のこの行動はダメだよね。」「いや、ここが好き。」などと話せたりして、聴こえる人と【対等】になれるのです。

講演の最後に、皆さんが、いろんな質問をして下さって、予定になかった話も、付け加えさせていただけたり、本当に嬉しい時間となりました。
みんなで、地元を盛り上げて行きたいですね。
本当にありがとうございました。