手話通訳するなら!話者の話を聞こう!!

去年の暮れ、いいことがありました。
実は、1年ぶりくらいに会った後輩手話通訳の人が、それまでと打って変わって、とてもいい通訳をしていたのです!!わぉ!!

「上手くなったねえ。どんな勉強をしたの?」
と聞いたら!!
「南さん!勉強じゃなくて!私、今まで、話者の話、聞いてなかったってことがわかったんです。」
「へ?」
「私は、今まで、いろんな人にアドバイスを受けたり、学習会に参加したりして、努力をして勉強しても、手話通訳がどうにも上手くできませんでした。それで、よーく考えてみたのですが・・・
今まで、通訳しようと焦ってばかりで、聞こえてきた日本語を片っ端から拾っては、手話化する作業をしていたんです。だから、方法も、日本語対応以外できなかったし、下手したら指文字ばかり出すし、意味なんかでなく、とにかく『音声』をつなげようとしていたんです。」
「なるほど」
「それで、ある時、私、人の話の【内容を】ちゃんと【聞いてない】のでは?って思って、いったん通訳するのをやめたんです。そして、【人の話を聞いて】、【意味を捉える】ことに集中してみたんです。

そしたら!!なるほど、慌ててやろうとしていた時の私は、話の中身や意味なんてまともに考えてなかったし、今まで自分がやっていた手話は、単語の羅列でしかなかったってことに、気づいたんです。

それで!【聞く耳】を持ったら、話の内容がつかめて、どう手話にすればいいかが見えてきて、それで私、変わったんです。最近、ろうの人にも、褒められて嬉しい。笑」

なんと!!なんと!!!!
その人曰く、それまで先輩たちから何度も聞いてきた『意味を考えて』とか、『日本語を追うのでなく』とかいうアドバイスの言葉も、根本的な意味が、よく分かってなかった!とのこと。
今回、自分で考え直して、ようやく、いろんなことが腑に落ちたのだそうです。驚!!

だから、その人の手話通訳が、一段と上手くなったのは、腕を磨いたからではなく!「人の話をちゃんと聞くようになったから」なんだと!!!

おお!!なるほど。「意味」は、ちゃんと聞いて内容を受け止めなければ、捉えられないもんなあ。
素敵な手話通訳者の成長と誕生に!!祝!!!!ワォ!

その人からもらった通訳道の教訓。
手話の腕を磨くのもいいけど、まずは人の話を聞こう!!笑

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世田谷の住宅街。2023年新年に咲く冬のバラ。