★星降る夜に☆彡 「星降る夜に」
「星降る夜に」ドラマのタイトルです。
手話翻訳者のおにぎりくん(塚越)が、提案した手話表現を、多くの人が使ってくれています。
でも、星降る夜って、つまり満天の星空のことで、天から降るような多すぎるほどの星が輝いて見える夜空のことだよね。その状態と、この手話って、ちょっと違ってない?って、多くの人が思っている通り、この手話は、その様子を表現したものではありません。笑
ピカッと光る一つの星が・・・
スーッと、こうなって・・・え?流れ星??なの・・・??
「夜」「暗い」
おにぎり君によると、実はこれ、ストーリーの中に出てきた、鈴と一星の生と死にまつわる星の会話を、表すのがいいかも!と思ったものなんだそうです。
(「星降る夜に」第6話より)
一星の家の木造りのバルコニーで、一星と鈴が、二人で星空を見上げて話したあのシーンです。
「星って、生と死の境目にあるような、生と死をつなげているような感じがする。。。俺たちが見ているあの星のいくつかは、今はもう存在しない。何万年も前に放った光がやっと今、地球に届いているから。」
この時私たちは、手話をこう訳しました。
「星って、生と死が、つながっている。そのさかい目が地球まで伸びてきてる。それが星。二人が見るあの星や、この星は、いく万年もの前の光がずーっと伸びて、ここに届いてる。それが今。その時、あの星は、もうないかもしれない。」
星の光が地球まで伸びた軌道を表わしたのが、人差し指で引いた一筋のみち。これ、流れ星ではなく、「何万光年を旅した、生と死をつなぐ、星の一筋の光」を意味した表現だったのです。
おにぎり君は、いろんな手話のタイトル案の中から、ふと「星 一筋の光 その夜」が思い浮かび、物語を象徴する表現はこれなのではないかと思ったのだそうです。表現もシンプルで、手話を始めたばかりの人でも簡単に表わせそうだし、これがいいんじゃないかなって。
だから、これが、「星降る夜に」。
これを、ドラマチームに提案し、多くの人が、今この表現を使ってくれています。
星降る夜といっても、手話にしてみれば、実は様々な表現があり、一見たくさんの「星・星・星」と表し、まさにそれが「降りそそぐ」ように表現した方が、イメージに合うようにも思います。
でも、私は、僕はこう思う!という、おにぎり君の意見を聞いて(見て)、ああ、本当に。人生の始まりに寄り添う産婦人科医と、終わりを見届ける遺品整理師の、そして、私たち一人一人の人生と、恋と情熱と涙の物語には、その生と死をつなぐ「一筋の光!」いいじゃないか!すごい。
そう思ったのです。
そう思った時から、私の心の中でも、「星降る夜に」は、この表現になりました。
素敵な表現。
この手話を見て、いろんな人がそのままこの表現を使ってくれていたり、人によっては、自身が解釈した別の手話を表わしたり、ドラマの話題とともに、「星降る夜に」という手話も、さまざまに、みなさんの中で、表現されています。
あなたなら、この手話、どう表現しますか?「星降る夜に」
満点の星空と、凛とした森の空気の中で出会った二人の素敵な恋は、人のあるべき命の姿も見つめながら、さまざまな人物の生き様の中で、描かれていきます。
その中にあった、日本語と同じように豊かな想いを伝える手話という言葉。
ドラマの企画を承ったのは、一年前の4月。そこから、さまざまなディスカッションや準備を重ねて、今回3月の放送終了まで。私たちにとっては、一年という四季の流れを丸々一巡した、思いを織り込むような時間でした。
もう一度、満点の星空の下に戻り、一筋の星の光、眺めてみようか。
「星降る夜に」感謝。