耳栓をして街を歩こう!!

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保育士さんたちの短大。声を使わない目で見る授業。
手話を読み取る、手話で表現するなどのほか、耳栓をして街を歩いてみる。という体験も、みんなの協力のもと行っています。グループワークです。

耳栓をして、声をとめ、互いが協力し合って、筆談や、今まで習った手話・指文字などでコミュニケーションをとり、町の看板や自販機・銅像など、設定されたオリエンテーリングのようなコースを回ってきます。
木の名前を探したり、動物病院の名前を確認したり、マンホールの色を見つけたり、7つのポイントを回って、みんなで力を合わせて、クイズを解くように、地図を完成させて戻ってきてもらいます。

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(短大中庭。愛と平和を願う鐘)

たかが耳栓といえども、意外に聞こえない音もあります。
後ろからやってくる、自転車や電気自動車は、横に突然現れ、先に行った友達は、声がかけられないので、急には呼び戻せません。

みんなでの話し合いも、筆談では、かなり大変。自動販売機の前でみんなの好きなものを決める多数決も、戸惑いながら、全員で意見をまとめて帰ってきてくれます。

意外な体験は、新鮮で、ゲームのようでもありますが、聞こえる人たちに囲まれた社会では、聞こえない人が、案外振り回されていることも、体感します。

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(私がいつも、観察している、大きなもみじの木の下には、それを見上げるシカの石像も。)

教室に戻ってきて、耳栓を外せば、パーっといろんな音が聞こえてきます。
後ろの学生の咳払い、くしゃみ。振り向かなくても、ああ、ちょっと喉がイガイガしているのかな。などと、友達の様子がわかります。
空調の音、空気清浄機の音。ガタガタいっていたら、故障の前兆かもしれません。

聞こえる私たちは、廊下の人の話し声が、見えていなくても、男性か女性か、年配か若い人か、2人くらいの会話か、4〜5人いるかなども聞き分けます。
音を聞けば、外を眺めているわけでもないのに、道路を走って行ったのが、バイクか車か大型車か、その車はどっちに向いて走っていたかまで、わかります。

公園のカラスや、近所の犬の鳴き声も聞こえてきます。
どうやらご近所には、中型犬を飼っているお家があるようです。そうなんです。私たちは、犬の鳴き声から、それが小型犬か、中型犬か、大型犬か、、、そんなことまで聞いて判断しています。笑

私たちの耳は、そのようにできています。

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(学内には、きれいな噴水も)

この体験で、どっちが優位か、かわいそうかを確認しているのではありません。
「聞こえる私たちの、思い込みが、聞こえない人には通用しない場合もある。互いがどう違うのか、感じてみよう。」そういう授業です。

小さな、しかも結構音が聞こえてしまいそうな耳栓でも、意外な体験ができます。
互いが音声会話を禁止することで、違ったコミュニケーションにトライすることも可能になります。

学生たちは、この体験を通し、いろんなことに気づいてくれます。
あなたも、事故に注意して、ぜひ友達と一緒にやってみて下さい。今まで、気づかなかった、その日その時の、あなただけの体験が、できるかもしれません。