2023.12.16（土）NHKFM夜10時「おしゃべりなバディ」ラジオドラマにろう者が出演！！
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NHK FM（ラジオ）オーディオドラマ FMシアター
『おしゃべりなバディ』12月16日（土）夜10時放送
※ネット同時配信（NHKネットラジオらじる☆らじる と radiko）
「聴き逃し」配信 放送後～1週間（らじる☆らじる）
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全国初の試みが、NHK FMで、行われました。
ラジオドラマに、ろう者が出演。ナチュラルな手話で、その息遣いや手の音が収録されました。
（ラジオドラマを、手話で演じる、本間智恵美さん）
私、南 瑠霞は、最初に監督の姫野梓穂さんから、連絡をいただいた時、「・・・ラジオ？のお手伝いを、私が？・・・」「テレビの間違い？」と、戸惑いました。笑
相談を受けたのは、ハンディキャップダイビングをテーマに、悩み多き若者の姿を描いたラジオドラマ。私も日頃から手話指導を手掛けている「水中ダイバーの手話」にまつわる話も、出てくるというものでした。
そこには、当然ろうの人もいる！というのが、ドラマの設定でした。
陸上のダイビングスクールでの会話では、ラジオながら、ろうの人の存在を、手話の音や息遣いで表現し、できるだけリアルな感覚を追求したいという企画だったのです。
現場では、音声も手話もできる聞こえる人に演じてもらう案も、持ち上がったようです。
しかし、ここで、私たちはちょっと立ち止まりました。
手話をご存知ない多くの人は、気づかないかもしれませんが、手話のナチュラルな息遣いや音は、聞こえる人には再現しづらいものです。それは、英語のネイティブな発音を、私たち日本人が習って真似しようとするようなもので、手話でやってみても違和感のあるものになってしまう可能性があります。
検討の結果、「手話は、本当のろうの人に、本来のネイティブな形でやってもらおう」と、方針が固まりました。
そこでお願いしたのが、本間智恵美ちゃん！
日頃から、手話でさまざまな舞台に立ち、いろんな表現活動をしている、ネイティブのろう者です。
智恵美ちゃんは、生まれつきのろう者で、「ラジオって、みんなどこで聴いているの？」「ラジオに、ドラマがあるのは知らなかった。それはどんなもの？」と現場で素直な意見を述べてくれ、役者さんたちも制作チームの方々も、逆に、ろう者と聴者の生活や感覚の違いに触れることになりました。
私は、これが、多くの人にとって深く良い時間になったのではないかと考えています。
このドラマでは、なんと！
聞こえない人を囲み、手話で会話されるであろうと想定されたシーンでは、聞こえる役者さんたちも手話を覚え、手を動かしながらセリフを話す部分があります。ラジオという見えないメディアで、関わった皆さんが真剣に手話に取り組み、その呼吸の間合いを表現しようとされたことにも、チームの気持ちがこもっています。
リアリティを求めた、姫野監督の思いものせて、このドラマはあなたの耳に届きます。
（出演者の皆さんは、1本ずつのマイクの前に立ち、自分たちのセリフを語りかけていきます。）
聞こえない人とラジオは無縁のもの？ 確かに、それは、究極の問いかけです。
私自身、エンタメやメディアの仕事を目指し、ラジオ業界に就職したものの、どうにもやりたい手話との媒体違いを感じ、映像に転向しています。
その中で乗り越えなければいけなかった壁も、たくさんあります。
そこでもう一度、ラジオに戻った時、「聞こえない人の手話の音や息遣い」それは、ろうの人にしか出せないものであり、聞こえる人が聞いても良いものであり、本物をお伝えすることは、改めて私の誇りになるのではないか。そう思い、このお仕事をさせていただきました。
手話のセリフを演じてくれた、本間智恵美ちゃん、新しいチャレンジを勇気を持って私たちに相談してくださった姫野さん、ラジオでは見えない手話も真剣に演じられた聴こえる役者さんたち、そして、その音や息遣いを捉えようとさまざまな工夫をされたチームの皆さんに、心からお礼をお伝えしたいと思います。
この放送に、文字情報のカバーはありません。
それでも、私は、堂々と胸を張って、このラジオドラマについて、皆さんにお伝えしたいと思います。
「聞こえない役者さんが、誇りを持って、自分の手話で、演じてくれた『音』」が、人々の耳に届けられるからです。
聞こえる人の世界にも、手話を。
手話には、音もある。
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NHK FM（ラジオ）オーディオドラマ FMシアター
『おしゃべりなバディ』12月16日（土）夜10時放送
※ネット同時配信（NHKネットラジオらじる☆らじる と radiko）
「聴き逃し」配信 放送後～1週間（らじる☆らじる）
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【出演者】
坂元愛登 村山輝星 原康義 清田智彦
千田美智子 久井正樹 新上貴美
本間智恵美 山根詩織 河内奏人
他の人の音声のセリフは、アテンドの品川ちゃんが、全て順を追って台本を指差して行きます。
左が、聞こえる役者さんのマイク。音声のセリフの息が、強くかからないよう黒い丸いカバーがついています。
右は、智恵美ちゃんのマイク。ささやかな息遣いを、ダイレクトに拾うため、カバーはついていません。
智恵美ちゃんは、2つのマイクに狙われています。
上が、口元を狙うもの。下の黒いマイクは、胸元で動く手話の手や衣擦れの音を捉えています。
興味深い、収録現場。
私たち手話チームも、楽しみながら参加させていただきました。
ありがとうございました。
