葉の落ちたもみじ。富士の雪。
短大にも、冬の景色が訪れています。
秋に濃い緑の葉をしげらせていた、大きなもみじの木は、すっかり葉が落ちて、枯れ木となっています。あと1〜2ヶ月もしたら、新しい芽が、どんどん出てくると思います。
若者たちは、卒業の季節です。
今週の短大は、授業も最終回。
ここまで真面目に参加した学生たちは、誰一人単位を落とさず、元気に修了となりました。
短大の成績は、出席点が全体の50%。毎週しっかり手話を見て、手を動かし、手話に触れたかどうかを、大切にしています。
残りの50点は、レポートや実技、筆記試験の点数です。試験は、良い成績の人も、もう少し頑張ればもっと行けたのに〜という学生もいます。でも、この授業は、そこが問題ではありません。
毎年、最後の授業では、学生たちに、「今回学んだテキストや、自分のレポートやテストを捨てないで、大事に取っておいてね。」とお願いしています。
この授業は、卒業してからの方が、大切なのです。
学生たちには、試験の模範解答も、配布しています。
テストでどんなことをやったっけ?なるほど、こう考えればよかったのか?とか、
卒業後、もっと手話を学びたくなったら、どこに行けばいいんだっけ?現場で手話通訳を依頼するときは、相談先はどうしたらいいんだろう?
などなど、現場で手掛かりになることが、いろいろまとめられています。
耳栓の体験や、実際に聞こえない人のお話を聞く時間には、それぞれが思ったこと、感じたこともレポートにしてもらっています。
卒業後、保育の現場で、聞こえない子どもや、ろうの保護者の方に出会った時が、この授業の記録の出番です。
「聞こえない人に、出会っても、手話がわからなくても、あわてない」コミュニケーションのヒントが、みんなのこの半年の体験に込められています。
わからないな〜と思ったら、「あ、学生の時、手話の授業を学んだなあ」と思って、改めて、これらのレポートやテストを見てもらえれば、満点です。
そうすれば、きっと、新たなコミュニケーションの手がかりが、「自分の中」から見つかるはずです。
みんな、手話の授業は、楽しかっただろうか?
通じる喜びを感じてもらえただろうか?
ああ、そういえば、学生の時、手話の勉強したなあ〜と、あとから思い出してもらえるだろうか?
そう思いながら、頑張った半年です。
みんなの頭より、心に、手話との出会いが残っていますように。
短大へ向かう道すがら、見える富士山は、白い雪をかぶっています。この雪が消える頃、みんなは、もう、新しい保育の現場で、いろんな失敗を重ねたり、新しい出会いに感動したりしながら、元気に仕事をしていることと思います。
心の中の手話の種、ぜひ手放さず、持っていてくださいね。
みなさん、おめでとう!!
また、必ずお会いしましょう。